売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

5月19日

休業日だった5月19日(火)、学園生たちは各農家さん宅を7時半頃出発し、8時15分頃から8時55分くらいまでにセンターに歩いてきました。午前中の2時間ほどは、出された宿題や課題に何とか取り組んでいましたが、終わっても自主学習をする気は毛頭なく、読書をしたりラジオ体操をしたり…。そんなわけで、お弁当を食べてから帰宅するまでの間は、活動をすることにしました!
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向かった先は、面白い光景が広がる ちょっと伸びすぎた筍の里? 。4月にした”竹箸づくり”で、竹を伐り出した竹林の裏側に当たる元わらび畑です。
実は、竹林の所有者の方は、飯田市内の県立公園の放置竹林を整備しつつ竹材活用を行う団体に所属しておられ、伸びすぎた筍を使ってメンマ商品を作ったり、小学生とコラボし商品化したりする試みを行っているそう。お箸を作るための竹を伐り出した際に、その竹林にて伸びた筍を刈り取り、塩漬けにして日々の食事に活かすような試みをしてみたら?と、お誘いを受けていたのです! しばらくして、幼竹を刈り取る時期は5月中旬以降になりそうだとお知らせいただき、ご都合や筍の成長具合を考慮して、活動日がこの日に決定したのでした。

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まず、活動講師依頼をご快諾いただいた竹林の所有者の方から、竹害について聞きました。かつて筍を採るために栽培されていた孟宗竹の竹林が放置された結果、周囲の植生に孟宗竹が無秩序に侵入する現象が多くの場所で起きているそう。対策として、放置竹林を産業利用する試みが各地でなされており、その一つがメンマづくりなのだとか。筍掘りは、探すのも掘るのも難しいですが、メンマには筍としての収穫時期を逸した幼竹を使用でき、筍よりも収穫が容易とのこと。
それから、150cm~200cmほどに成長した幼竹を、一人一本ずつ、鎌で収穫体験させてもらうことに。先生が見本で見せてくださったように、敢えて鎌で刈れないと思われる硬さの所(もうほとんど竹になっている?)や節に刃を当て、なかなか刃が入っていかないことを体感。その後、少し上にスライドさせ、鎌の刃を入れると簡単に刈ることができました! 幼竹のどこから軟らかくなっているのかがよくわかった様です。
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鎌を使ったことがないという子は、硬くない所を刈り取るのさえ難しく、先生に手を添えてもらいながら初挑戦。
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孟宗竹は毛むくじゃらの皮に包まれています。刃がすっと入っていく心地よさを感じられる 適当な所で幼竹を刈り取った子は、その皮をむいていきます。
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先生が一人ずつに、幼竹の硬い部分・節・軟らかい部分を確認させてから鎌で刈るということを、丁寧に指導してくださいました。幼竹を切り落とすと、軟らかい所が折れてしまうこともあるので、他の子が刈るときに幼竹の上部を支えてあげる子も出現。
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鎌の使い方のコツを掴むと、容易く刈ることができた子もいました。
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毛むくじゃらの皮をむき、それを刈り残した部分に被せ、奇妙な筍を作って遊んでいた子も!
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全員 刈り取り終わり、皮むき作業に入りましたが、皆 丁寧に一枚ずつはがしていました。無造作に幼竹の皮をむいていたらわかりませんが、三角形の皮の交差が左前・右前・左前・右前・・・と正確に交互になっていることにほとんどの子が気づいたようです!  
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幼竹は水分をたくさん含んでかなり重く、意外に軟らかいので、落としたり何かに当たったりすると、軟らかくておいしい部分が砕けてしまいます。気をつけながら、長い幼竹を運び出し、そのまま一人一本ずつ抱えて、センターまで。案の定、途中で姫皮や穂先を折ったり落としたりしてきた子も…。
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次に、センターの倉庫の中で、幼竹をカットする工程。根元の方から包丁の刃を当てていき、その時の感触や、色から判断し、可食部と廃棄部分に分けます。しかし、筍というよりは竹に近いと思われる部分であっても、食べられる所は多いそう。
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穂先から遠い節の部分も硬くておいしくないので、切って取り除いていきます。節間でも可食部と廃棄部分に分けられるものもあり、判断に迷う子も。そういう時は、えぐみを我慢して実際にかじってみればよい?のだとか。
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それぞれ収穫した幼竹一本を担当し、切り分けたり取り除いたり。この後、湯がくことを考えて、お鍋に入る適当な大きさに切ったり、穂先の方は縦に包丁を入れ、節の部分を手で取ったりもしました。
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鎌や包丁といった刃物を立て続けに使い、危なっかしい手つきの子たちもいましたが、刃物捌きが上手な子たちも! 可食部を切り終えた後、廃棄部分をやぎのえさにするために、やぎが食べやすい形状や大きさに切ることを楽しんでいた子たちもいました。
使った包丁・まな板や倉庫内の片づけが終わった頃、厨房のガス台にはお湯がぐらぐら煮え立った大鍋が2つ。
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お鍋の中にカットした幼竹を入れ、湯がきます。しばらくすると、泡で出てくるアクが! 皆で煮立っているお鍋の中を見守りながら、かわるがわる お玉ですくい取っていきました。農家さん宅へ帰る時間になったので、子どもたちの作業はここまで。幼竹を湯がく時間は30~40分ほどで、試しに食べてみてえぐみがなくなっていたらOK。学園生たちは、20分ほど湯がいた穂先の部分を味見し、ほとんどえぐみを感じなかったので良い具合に湯がけていることを確認してから「さようなら。」 後の作業を託された先生と指導員は、それから25分ほど経って 竹の様な部分を試しに食べ、えぐみがなくなったことを確認。お湯からあげ、幼竹の重さを量り、塩の量を算出してから、漬けもの袋をはめた漬けもの樽に、幼竹と塩を交互に入れていきました。重石蓋をし、できるだけ空気を入れないようにビニール袋の口を閉じて、重石をしました。そして、冷暗所である倉庫に保管。1か月ほどして、食べる際には流水で一晩脱塩してから、食べやすい形にカットして好みの味付けで調理できるそう。上手くいけば9kg強の筍の塩漬けができるので、楽しみです。

20/05/25

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