売木村山村留学センター
売木学園

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売木村の山村留学ブログ

7月11日

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7月11日(土)、午前9時45分頃から田の草とりに精を出しました! 雨予報だったのでレインスーツを着込み、靴下を脱いで裸足になり、濡れてもよい靴をつっかけて田んぼへ移動。田植え以降、ほとんど田んぼの様子を見に行っていなかった学園生たちは、分けつも進み 株が大きくなっている稲に驚きながら、レインスーツのズボンを膝上までたくしあげ、田んぼの中に素足で入りました。
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稲を踏まないように、稲の植わっている列をまたぐ格好で前進していきながら、条間に生えているヒエやオモダカ・イといった雑草を抜きとっていくことに。また、イネクビボソハムシの幼虫であるイネドロオイムシが葉を食べて、葉脈に沿って白いかすり状痕を残していたので、ドロオイムシを見つけたら、叩き落とすことにしました。
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背丈が高い雑草は見えて取りやすいのですが、全員が一斉に端から詰めて田んぼに入り担当の列をぞろりぞろりと進むと、水が濁ってしまい、小さな雑草は見えなくなってしまいます。でも、小さいものはあまり気にしないことに。八反取りよろしく学園生たちの足で水田の表土を浅くかきまわせば、少しは除草効果があるはずということで、田んぼの中を歩き回る作戦をとることにしました。
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前屈みになって雑草を抜き取りながら、時々 腰を伸ばし、雑草を田んぼの外へ投げることを繰り返し、進んでいきました。長辺方向の向こう側の畦に辿り着いたら、次は短辺方向に歩きながら、草抜き。つまり、株間の草とりをすることに。
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今年は、例年になく苗を整然と植えられたので、どこが列なのかわからないということがなく、稲を踏みつけてしまいそうになることも少ないようでした。とばしてしまう列がないように、どの稲の列をまたいで進んでいくかを確認することも容易でした。
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畑の草とりのようにしゃがみこんで作業するのではなく、田んぼではずっと前屈みになって雑草をとります。「腰が痛い…。」と言いながら腰を伸ばす子もいれば、「畑よりも根こそぎ抜けてすっきりする!」と言う子も。
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背丈が高い雑草を見つけ、根こそぎ引き抜くと、ドロドロ…。でも、畑の雑草よりごっそり抜けて気持ちがよいので、捗ります!
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短辺方向も隈なく歩き、雑草を根こそぎ引き抜いたら、再度 長辺方向に、小さな雑草を泥に埋め込むように歩くことに。オタマジャクシに気を取られながらも、見落としていた雑草が結構あることに気づくと、腰や膝を折り曲げて低い姿勢になってとっていました。
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田んぼの条間も株間も、稲を踏まないように気をつけて歩くと、稲の根元の泥だけが盛りあがり、その辺りに紛れ込んで生えている雑草を随分見落としていたことに気づいていました。稲の葉に手や顔が触れてくすぐったかったり、辛い体勢に耐えたりしながら、不安定な田んぼの中で作業しつつ歩くことは大変でした。しかし、田植えの時に整然と苗を植えられたことで、どれが稲でどれが雑草か ほとんど迷うことなくとることができたのでした!
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2時間半ほど、全員で頑張り、田んぼはきれいになりました! ほとんど雨には降られず、横の水路で足を洗ってから、センターに戻りました。

午後2時からは、食文化体験として”朴葉もち作り”をしました。売木村では昔から、田植えの終わった6月初め頃に農休みという1~2日休む日があり、その日にはご馳走として米の粉で作った皮にあんこを包み、それを朴の葉で包んでから蒸したのだそう。いわゆる”柏もち”の様なものですが、この地方には柏の葉がないので、朴葉を代用するのです。農休みの頃は、どの家でも朴葉もちを作り、生地にヨモギやタカキビ・小麦粉や片栗粉などを加えたり、自家製のあんこを包んだりして、それぞれの家の味があり、季節の風物詩になっていたそう。そして、昔の子どもたちは、一年のうち唯一甘いものを食べられる農休みをとても楽しみにしていたとのこと。農休みからは1か月以上過ぎてしまったけれど、学園ではこの日に田の草とりをして一段落したので、慰労会の意味合いも兼ねての活動!
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朴葉もちの話を聞き、朴の大きな葉を見せられた学園生たちは、外に出て、その葉を頼りに朴の木を探しました。センター付近にたくさんあるのですが、葉を採取しやすそうな木でなければなりません。朴の木はすぐに見つけられましたが、葉に届かなかったので、別の木を探すことに。
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葉に手が届きそうな朴の木を発見!! 枝先に輪生状に大きな葉がついていたので、あまり大きすぎず、虫食いなどのないものを一人2枚採ることに。
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「これくらいの大きさでいい?」
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そして、芳香と殺菌作用があるといわれる朴の葉で生地を包んで蒸す時に備え、葉柄をはさみで切ったり、大きすぎる葉を適当な大きさに切ったり。
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センターに戻るとすぐ、葉っぱを洗い、水気を拭きました。
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いよいよ生地作り開始。おもちと言っても、蒸かしたもち米を搗くのではなく、米の粉(うるち米)に熱湯を加え、でっちる(こねる)のです。ボールに入れた米の粉に、少しずつ熱湯を注ぎ、初めは熱すぎるので菜箸を使い、ぽろぽろになるまでかき混ぜていきました。それから、熱いうちに手でよくでっちることに。最初は、熱いのを我慢して指導員がチャレンジ! 学園生たちは、「熱っ!」と慌てふためきながら生地をひとつにまとめるように練っていく指導員の様子を見て、けらけらと笑っていましたが、自分の順番がまわってきて実際にやってみると、難しさがわかったようでした。動かないようにボールをしっかり押さえる役割を進んでする子もいました!
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手に粉をつけてでっちり始めると、一旦まとまった生地をばらばらにしてしまったり、指に生地をたくさんくっつけてしまったり…。熱湯を加えすぎてしまったようで、ひとつに生地をまとめるようにでっちるのは、簡単そうにみえてなかなか上手くいきませんでした。ちょっとしたコツを掴んだ何人かはしっかりと練っていましたが、ほとんどの子はすぐに行き詰まり、指に生地をいっぱいくっつけて、次の子へバトンタッチ。作業は一回りしても、生地をしっかりこねられたとは言い難い状態でしたが、次の工程へ。
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生地を等分し、直径5cmほどの大きさに丸めます。一人2つもらったら、さらにきれいな球にしようと丸め続けていた子も。
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それを手のひらで丸ではなく楕円形にのばします。しかし、生地を大盤振る舞いしたので、薄くのばす必要はありませんでした。「これでいい?」「こんな感じでいい?」と確認する子どもたち。
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それから、生地(皮)の真ん中辺りにあんこをのせて包みました。皮からはみ出さないように、適量のあんこを包み込み、皮を半分に折って端をしっかりと押さえたら、半月型のおもちのできあがり! そして、それを自分で採ってきた朴葉で包みました。もう午後4時を過ぎていたので、使ったものを洗って片づけたり、粉だらけにしてしまった台や畳を掃除したりしました。お楽しみのおやつタイムは、夕食後に持ち越すことに。
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それから、畑へ。2週間前に草とりをしてきれいにした畑の通路には、また、小さな雑草がたくさん生えていたので、できるだけ抜き取ることに。前回の畑の草とりの時と同様、雨続きで水はけが悪い部分には水たまりができていましたが、1時間と決めて、作業開始。
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午前中の田の草とりと比べると、指でつまみにくい小さな草や根こそぎ抜けない雑草があり、手こずっていました。しかも、濡れていたり水たまりができたりしている地面にお尻をつけて座って草抜きをすることができないので、ずっとしゃがんだままの姿勢で作業。やはり、立ち歩いてばかりで草とりに集中できない子はいましたが、初めに小一時間の作業だと聞いていたからか、ほとんどの子はできるだけ立ち上がらず、辛い体勢を我慢して草を抜き続けることができました! またすぐに雑草が生えてくるのは間違いないけれど、一通りはきれいになりました!
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学園生たちが入浴したり夕食の配膳をしたりしている間に、厨房では朴葉もちが蒸されており、芳しい香りが。しばらくすると、誰が作ったものかわかるように蒸し器の中に並べておいた朴葉もちは、葉の色が変わり、おもちが透きとおったようになり、完成! 生地からあんこがはみ出していたものもありましたが…。
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自分で作った朴葉もちが配られ、夕食後のデザートに食べる学園生たち。「もちもちしてる~!」 思うようにこねられなかった割りには、とても良い食感でした!
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葉から移ったほのかな香りのするおもちにかぶりつき、「うまっ!!」「おいしい。」 食べ応えのある大きさだったので、この日は1つだけ食べ、もう1つは翌日のおやつにとっておくことに。
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もち米を搗いて作ったのとは違う食感の、甘くておいしい朴葉もちをよく噛んで味わい、満たされた笑顔を見せていました!!(葉っぱが大きすぎて、顔が隠れていますが…。)

20/07/13

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