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売木村の山村留学ブログ

12月20日

12月20日(日)は、お正月準備活動 第二弾 “門松作り”をすることに。売木村の伝統的な門松は、玄関前の庭に長い木の杭(ハングリ様)を二本立て、松を縛りつけるという 門の形をしています。数日後に迫った帰省のミーティングや、荷物整理・部屋の掃除などをした後、11時40分から また売木村の伝統文化 のDVDを見て、大正月について映像で学んだり、昨日学んだ年越し準備についておさらいしたりした学園生たちは、外へ出て活動開始。門松を立てるための最初の準備は、ハングリ様を立てることなので、ハングリ様に使う栗の木を伐りに山へ行かなければなりません。しかし、栗の木は湿気にすこぶる強く、防虫防腐処理をしなくても長期間使えるほどの耐久性がある優良材なので、昨年伐り出して皮を剥き、ハングリ様にしたものを使いまわすことにしました。
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まず、松迎えをすることに。松迎えとは、門松にする松を山から伐ってくることですが、子どもたちは学園の敷地内に生えているものから調達しようと、松の木を下から見上げていました。松は枝が三段か五段についているのが良いといわれているので、目を凝らして探します。
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これだというものはなかなか見つかりませんでしたが、決定権を与えられた2人が1本ずつ選び、代表して中学生がのこぎりで伐ることに。
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脚立にのり、「全然、伐れない…。」と言いつつも、一生懸命のこぎりを挽いていました。
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松を迎える日は、29日は苦に通じるし、30日は一夜松、31日は日伐り松といって縁起が悪いといわれ、28日以前に行うのが普通。迎えた松は、清浄な場所に保管しておき、30日に立てるそうですが、学園生たちは帰省して不在なので、10日も早いですがこの日に松迎えも立てることもしてしまいます。
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保管していたハングリ様を出してきて、どこに立てるかを相談。門松を立てたい場所にハングリ様を立てるのですが、土が凍っていて立てられないという心配はないものの、別の困った問題が…!
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ぐらつかないよう立てるために穴を深く掘りたいのですが、土がかたく少し掘ると石に当たり、簡単には掘り出せないくらい大きな石もあり、本当に大変! シャベルやスコップ・移植ごて・バールなどを使いながら、頑張って少しずつ土を掘り出して深い穴を掘っていきました。なんとなく2グループにわかれて作業することになりましたが、大きな石を取り除けるとすっきりするので、「ちょっとバール貸して。」「次、剣先スコップ貸して。」などと言いながら、皆 夢中になっていました! 気がつくと、午後1時に…。一旦中断し、昼食を食べ、午後2時から再開。30cmくらいは掘れたので、ハングリ様をさし込み、土や石を戻して周りを踏み固めると、それほど不安定に揺れ動くことはありませんでした。
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無事にハングリ様を立てられたので、次は門松につける注連縄やおやす作り。もち米を脱穀した後 とっておいた もち藁を使うので、まず、各自 倉庫の前辺りで藁すぐりをし、水で湿らせた藁束を木槌で叩いて柔らかくしました。手のひらを湿らせるための水も用意。とりあえず、藁を綯ってみることに。
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3本ずつ準備した2組の藁を手のひらで挟み、手のひらを擦りあわせるように右手を前方に出しながら、2組の藁を同じ方向に撚ったら、右手で左手の指先側の藁を手前に移動させます。これを繰り返していくと右綯いの縄ができます。少し練習し、「これ、できてる?」と見せる子もちらほら。藁の足し方にも挑戦し、長い藁縄を作ろうとした子も。
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上手に綯える子たちもいれば、四苦八苦していた子たちもいました。どうして綯えないのか、間違えている点を教えられると、少し仕組みがわかった子も。しかし、きれいな縄を綯うことは大変難しかった様。
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次に、”おやす”作りをしました。おやすとは神様の食器。小学生たちは二日前の金曜日に、みどりの少年団のわら細工教室で正月飾り(おやす)を作ったばかりなので、覚えているはずだし、中学生に教えてあげることもできるだろうということで、小学生が師匠となって作り始めました。
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しばらくすると、「これでいい?」と聞いたり「ここ、どうやるんだったっけ?」と言ったりしながら、子どもたち同士で教え合う姿がありました! 師匠(小学生)よりも弟子(中学生)の方が優秀で、「何でそんなにきれいに作れるの?」「弟子の方が上手いじゃん!!」という師匠のつぶやきも聞こえてきましたが、二日前に村の方から伝承された技をさらに伝え合い、子どもたちだけで一人ひとつ完成させることができました!
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それから、注連縄作りにチャレンジ。注連縄は先ほど練習した右綯いではなく、左縄に綯うもの。手のひらを擦りあわせるようにしながら右手を手前に持ってきて、2組の藁を同じ方向に撚ったら、右手で左手の手首側の藁を奥に移動させることを繰り返していきます。「上手くできない…。」「難しい…。」と、ぼやきながらもやってみようとする子たちもいれば、歯が立たない子たちも。仕組みはわかったものの、力加減が均等でなかったり、藁の足し方が上手くできなかったりして、右綯いと同様に、きれいな注連縄を作ることの難しさを痛感した様子でした。
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曲がりなりにも、藁縄とおやすと注連縄ができたので、それらを持ってハングリ様の所へ移動。まず、一人ひとつ作ったおやすを皆で品評し、松に結びつけるものを2つ決めました!
次に、強度のある縄を綯えたと思う子が、出ていた短い藁をはさみで切るなどきれいに処理した自作の藁縄でハングリ様に松を縛りつけました! そして、きれいに綯えていた注連縄を渡し、選ばれしおやすを端に結びました。それから、おたから作り。おたからとは、紙垂のこと。ハサミで半紙に三か所切れ目を入れ、手前に手前にと順に、紙垂の形に折っていきます。一人ひとつ、作ってみました。 できあがりを想像して、切れ目を入れることが難しく、均整の取れていないものができてしまった子も。最後に、おやすと同様に皆で品定めし、注連縄につけるものを3つ決め、選出された3人が注連縄に挟み込み、門松は完成!! 自分で切ったおたからを門松にどうしてもつけたい人は、つけてもよいことにしたので、ひらひらしたおたからがたくさんついた一風変わったものになってしまいましたが…。
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本来は12月30日にすることを、前倒しで体験した学園生たち。お正月には、センターに立てられた門松を目当てにして歳神様が山から降りてきてくださることを信じて、記念写真に納まりました!

20/12/22

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