売木村山村留学センター
売木学園

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売木村の山村留学ブログ

3月7日

38期の修園まで10日ほどとなった3月7日(土)、自分の足で歩くことを大事にしてきた一年の集大成として”お別れハイキング”を行いました。昨年度はできなかったので、継続生の2人も初めての活動。2月末頃から、ちらほらとお別れハイキングの話題が出ると、指導員に「どこを歩くの?」「何km歩くの?」と聞き出して、不安を拭おうとしていた 歩くことがいまだに好きではない子もいましたが …。学園生たちは、前夜の活動ミーティングで地図を見ながら、歩くコースと距離・活動の目的を確認。売木村の地勢を感じたり、春を探したり動物と戯れたりもできる、村境にある根羽峠方面、ほぼ愛知県境に沿った林道、県境にある新野峠方面を巡るおよそ27kmを歩くと聞き、気勢をあげました!
長距離ハイキングの発着点を、山留センターではなく”こまどりの湯(温泉)”に設定したので、服装や持ち物など活動の準備をさくさくと進めた子どもたちは、車に乗って出発地点へ。
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予定どおり9時頃から歩き始めることができました! 朝からずっと霧雨が降っていたけれど、レインスーツを着る子は誰もおらず。遅くとも1時間に4km以上歩く速さを心がけ、新久助橋を元気に渡ります!

めったに車が通らない軒川地区の小道をずんずん進みます。多少広がって、おしゃべりしながら歩いても大丈夫! 残雪もほとんどなく、道路脇に少しだけ雪が残っている所があると、「あっ! 雪だ。」とはしゃぐくらい珍しい感じ。
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小道から軒川に架かる日陰山橋を渡り、県道46号線(阿南根羽線)へ出て、根羽峠方面を目指します。だらだら続く上り坂。結構なスピードで車が走ってくるので、道路の白線の内側を一列ないし二列になって、歩いていきました。「疲れた~。」「何kmくらい歩いたかなぁ?」と言う子が出てきたので、10時15分頃 約6km地点で小休止。上り坂なのに、1時間に5kmほどの良いペースで進んできました! 水分補給をしたり、出発時に配られた一日分の行動食が入った袋から飴やビスケットなどを取り出し、嬉しそうに口にしたり。水筒にポットのお湯を入れてきてしまった子は、喉の渇きをいやそうとしたものの熱すぎて飲めない…なんていうことも!
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白樺高原キャンプ場でトイレ休憩をし、どんどん標高を上げていきました。茶臼山高原スキー場にスキーをしに、車でビューンと行った時に通った道。自分の足で歩いてみて初めてその勾配を実感する子たち。口数が少なくなる子もいましたが、周辺に生えている樹木の名前を当てたり、ネコヤナギの銀白色に輝く花芽やフキノトウを見つけ、春の訪れを感じたりしていた子たちもいました!

10時50分、8.5km地点にある水場に到達。水筒に熱湯を入れてきたために、先ほど水分補給がうまくできなかった子は喜び勇んで、水筒の中身を清水に入れ替えていました! 他の子たちも水筒に補充したり、手ですくって飲んでみたりしていました。そしてまた、行動食でエネルギーや栄養を補給。
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根羽峠に辿り着き、真っ直ぐ行けば根羽村方面、左折すれば茶臼山高原方面という分岐点に差し掛かり、左折。
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まだまだ上り坂は続きます。相変わらず、霧の中…。平均台から落ちないよう歩くように、車道と歩道を分ける縁石ブロックの上を慎重かつ迅速に歩く学園生たち。ところどころ、縁石ブロックが途切れていたり倒れていたりすると、飛び越えながら楽しそうに進んでいました! アテビ平小鳥の森自然園の横を通り、
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そろそろ下り坂に転じてもよい頃…。愛知県豊根村に入りました! 霧は更に濃くなったようで、良いお天気なら眼前に広がるスキー場も全く見えず。
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「おなかすいた~!」「お昼ごはんはどこで食べるの?」と騒ぎながらも、学園生たちは快調に、温泉から村を南西方向に通り抜け、茶臼山高原辺りからつづら折りの愛知県道506号を下っていきました。そして、11時35分 林道茶臼山線の入り口へ。歩いてきた距離はおよそ11.5km。ここから売木村と豊根村の境に沿うように、国道151号線方面へ東に向かって8kmの林道歩き。
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やはりつづら折りの道で、アップダウンも激しく…。そのうえ、沢の水が溢れて冠水している所や土砂が崩落している所があったり、落石や道路の陥没箇所もあったりしたので、気をつけて歩を進めました。残念ながら、景色も全く望めず。それでも、1km毎の距離表示看板があり、それを励みに元気に歩く学園生たち!
“おなかすいたコール”や「お弁当、まだ?」という声をしばらく宥められていた子どもたちでしたが、林道歩きも半分を過ぎ、12時半を回ったので、待ちに待ったお弁当タイムとなりました。太陽は全く顔を出さず、地面は濡れていたので、皆 ビニール袋を敷いて腰を下ろし、大きなお弁当箱を抱えてむしゃむしゃ…。そのうちに「寒い!」「手がかじかんで、お箸をうまく使えない…。」と言って荷物をガサゴソし、防寒着としてレインスーツを着込んだり、手袋をはめたりする子たちが続出。そして、大盛り弁当を難なく完食! 13時25分から再び歩き出しました。
途中、落ちていたカモシカの毛らしきものを手にとってみたり、道路に雪が張り付いて普通には歩けない所で歓声をあげたりしていた学園生たち。14時10分頃 国道151号線とぶつかる林道の起点に至りました!
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国道151号線を新野峠の方へ左折し、数百m歩くと、県境を示す看板があったので、ぱちりとカメラに収めました。愛知県豊根村に別れを告げ、
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長野県阿南町に足を踏み入れました! 新野峠に到達。出発からおよそ20km歩いたことになります。「あと7kmだぁ。」と笑顔で写真に納まる子たちもいれば、笑顔を作る余裕がないほど疲れたのか無表情の子も。

また、数百m進み、阿南町から売木村へ。村の南東端辺りから県道大平山松葉線を北上し、ゴールの温泉を目指します。行動食を食べることを心の拠り所として歩く子たちも…。

水場があったので、その湧き水を飲んでみる子もちらほら。しかし、お弁当を食べるために休憩した時から寒さを感じ、水分補給もほとんどしておらず、水筒の中身が減っていなかったので、水筒に汲む子はいませんでした。また、尿意を催しており「今、水なんて飲んだら、やばいよ…。」という状態の子たちが多かった様。
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長く続く下り坂を、トイレに行きたいのを我慢しながら、足早に歩く一団。2~3kmほど歩けば、よく知っている南一地区に辿り着き、お手洗いをお借りできそうな所があるはず!とそれだけを頼りに、ひたすら歩く子たちもいました。そんな逼迫状態でも、牛舎に牛がいると駆け寄って見に行ったり、飼われている犬がいるとどんなに吠えられても、「かわいい~。」と柵に寄っていったり。

結局、勝手に頼みの綱にしていたお手洗いは使えず、何人かは尿意が限界に近づきつつありましたが、次の場所をあてにし前進。すると、立ち寄ろうと決めていた道仙沢の”やぎ小屋”に着いてしまいました。大きなビニールハウスの中に足を踏み入れると、番犬に吠えられ、おっかなびっくり奥の方へ入る学園生たち。小屋の中には、十数匹の子やぎたちや、出産を控えたお腹の大きなやぎや出産を終えたやぎたち、鶏…。「超かわいい!!」と連発しながら、子やぎがいる囲いの柵の前に行き、触れたり、抱っこしたり。子やぎのかわいさにメロメロになる以外にも、たくさんのやぎを観察したり、犬とも触れ合ったりしていた学園生たち。何時間いても飽きないくらいでしたが、まだ4kmほど歩かなければならないし、早くトイレに行きたい子もいたので、後ろ髪ひかれる思いで退散。
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その後、音草学校に愛芽さんがいらっしゃったので、お手洗いをお借りすることができ助かりました! ほとんど全員が使わせていただいたので、順番待ちの間には、たくさん飼っている鶏や、犬と戯れることもできました。お礼を言って、売木川沿いの舗装されていない草道を南二方面へ、てくてく…。フキノトウを探したり、川を眺めたり釣りをした時のことを思い出して話したり。一団は、終始離れることなく歩き、最後までしっかり歩けそうだと目処が立つと、残していた行動食を食べ切り、ラストスパート! 弱音を吐く子はいませんでした。
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見慣れた村の中心部を通過し、一路”こまどりの湯”へ。温泉に続く最後の坂道を一踏ん張り。ダッシュしてゴール地点に到着した元気な子たちもいました! 16時30分、全員が完歩。決して楽ではない 起伏に富んだ27kmの道のりを自分の足でしっかりと歩き通しました!
温泉に浸かって疲れをいやしてから、帰園。多少は筋肉痛や疲れを感じていた様ですが、踏破できたという自信をどの子ももつことができ、心身の成長を感じとれた活動となりました。

21/03/09

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