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売木村の山村留学ブログ

5月5日午前

5月5日(水)は、子どもの日でもあり端午の節句でもあります。端午の節句には、よもぎや菖蒲を軒先に吊るしたり、よもぎもちを食べたりして、邪気払いをする風習が残っているので、皆で もち草ともいわれるよもぎを採り、おもちをついて“草もち”を作り、お昼ごはんに食べることに。

休日に行う荷物整理や部屋掃除を済ませ、活動ミーティングで端午の節句や草もちの作り方について聞いた学園生たちは、11時過ぎに厨房へ。厨房では、昨年の留学生たちが作ったもち米が良い具合に蒸されていました。しかも、このもち米は、摘んだよもぎの茹で汁に一晩浸してから蒸したというこだわり!! 狙い通り、もち米はうっすらと緑色に。

初めに、3日前に採り、茹でて水にさらした後、水気をきっておいたよもぎを包丁で刻む作業に取りかかりました。よもぎの柔らかい部分だけを採ってきたはずなのに、ほとんど切れず、包丁をよもぎに押さえつけているだけになっていた子たちも多く…。細かく刻むことはなかなか難しかったのですが、交代しながら全員 体験しました。この後は、文明の利器に頼ることに。刻んだよもぎと少量の水をミキサーに入れ、攪拌し、ざるにあげてよもぎペーストと水分をわけました。そして、よもぎペーストを、蒸しているもち米の中に加え、一緒に蒸しあげると、もち米の甘い香りとよもぎ独特の爽やかな香りが充満!

次は、つく工程ですが、外は大雨だったので、レインスーツを着て倉庫へ。濡らしておいた臼と杵を倉庫の中に、中学生がどうにか運び入れました。食べ物を扱うので、レインスーツが汚れている子は、倉庫内では脱ぎ もちつきに臨むことに。

しかし、蒸し器から臼に移したもち米とよもぎペーストをいきなりつき始めるわけではなく、杵でつぶしこねることから始めます。もちつきの半分と言われるくらいとても重要な作業なので、まず 指導員が担いましたが、大変そうな様子を見て、学園生たちはいつものように「やりたい!やりたい!」と言わず、傍観を決め込んでいました。もち米のつぶつぶ感が少なくなったら、いよいよつくことに! 12人が順番に杵を持って、一生懸命に臼へ振り下ろします。

全員、杵と臼を使ったもちつきをした経験があるらしく、順番が回ってくると躊躇することなくついていました! 予想以上に重い杵にふらつきながら何とかつく子もいれば、腰を入れ 振り上げた杵の重さで自然に落とす感じで職人さんの様につける子もいました。とても上手についていたので、“もちつき親方”という称号を与えられた女子も!

20回くらいつきながら二巡し、よくのびるおもちになったので、一臼目は終了。臼から取り出した草もちは、厨房へ運びました。

続いて、二臼目に取りかかりました。一臼目と同様に、杵でつぶしこねる作業からですが、責任重大な役目だと思うからか、なかなか「やります!」という声があがらず。しかし、蒸したてのもち米を熱いうちにつかなければ、やわらかくてコシのあるおもちに仕上がりません。「皆でおいしい草もちを作って食べるんじゃなかったの? つぶしこねるところから皆でやってみたら?」「早く! 早く! 冷めちゃうよ~。誰かがやらないと!」と指導員から促され、ようやく「やってみたい。」と申し出たのは小さい子。それならば、全員やってみようということになり、順番に挑戦。一巡目に指導員がやってみせたやり方を真似してみましたが…。

つぶしこねる作業は、見るのとやるのとでは大違いでした。臼の周りを回りながら、杵の先に体重をかけ もち米をつぶしていき、「あれっ、こうだっけ?」「全然、つぶれない…。」とつぶやく学園生たち。パワーと持久力が必要な動きをするので、杵を手にした子は頑張っていたものの、すぐに息を切らせていました。そうなると、次に控える子にバトンタッチ。もち米はどんどん冷めていってしまうので、できるだけ早くつぶしこね、つき始めなければ!! 結構な重労働で、時間もかかってしまいましたが、杵でつく時にもち米が臼の外に飛び出さないくらいには、もち米の形が崩れたので、つく工程に移ります。

また12人が順番に、杵でついていきました。皆 慣れてきたとみえて、上手につける子が増えた反面、臼の縁に杵をぶつけてしまう子も。遠巻きに見ていた子たちが、目ざとく 欠けた杵の小さな木くずが草もちに混入したのを見つけ、取り除く場面も何度かありました。代わる代わるついていき、次第に滑らかなおもちに仕上がっていく頃には、周囲で見守っている子たちが、つき手の子に掛け声をかけたり囃したりして盛りあげていました!皆で協力し、二臼目もできあがり!!

一臼目の草もちは、食育指導員が丸めておいてくれたので、学園生たちは食堂に移動し、昼食の配膳。お皿には、草もちが4つ。一つは、何もつけずそのままを味わってみることにし、あとの三つは、きなこ・あんこ・大根おろしをまぶしたりかけたり。
午後1時頃になりましたが、「いただきま~す!」大きく口を開けて、濃い草色の よもぎの香り際立つおもちをパクリ。「うわっ、すごいよもぎの香り!」「おいしい!!」「めっちゃやわらかい。」「すごくのびる!」と、口々に歓声をあげながら食べていました。おいしい草もちを食べるために、よもぎを摘んだり、杵でもち米をつぶしこねたりついたりした苦労が報われた様。瞬く間に4つの草もちを食べ、全員 おかわり!! 一人当たりさらに4つ食べても大丈夫だと言われると、おもちの本当の怖さを知らない子たちは、最初にお皿にのっていたものよりも大きな草もちを4つ取り、あんこやきなこなど甘いものを山盛りトッピング。中には、4つ以上おかわりした子も!  しかし、席に戻り食べ始めると、急に箸が進まなくなる子が続出…。突如として襲ってくる満腹感に苦しめられだした様でした。おかわりをした手前、時間はかかったものの目を白黒させながら完食した子もいれば、夕食に取り置くことにした子もいました。なにはともあれ、皆 食べすぎなくらい食べたので、しっかり邪気払いできたことでしょう。

21/05/25

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