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売木村の山村留学ブログ

5月9日午後

5月9日(日) 田植えをし、お昼ごはんのお弁当を食べた後、午後2時から“メンマづくり”を体験することに。正確に言えば、“塩漬け幼竹づくり”ということになるでしょうか。

学園生たちが向かった先は、センターから徒歩3分ほどの所にある、面白い光景が広がる ちょっと伸びすぎたタケノコの里? 4月に行った“竹箸づくり”の時に、竹を伐り出した竹林の裏側に当たる元わらび畑です。

実は、竹林所有者である集落支援員の方は、飯田市内の県立公園の放置竹林を整備しつつ竹林活用を行う団体に所属しておられ、伸びすぎたタケノコを使ってメンマを作ったり、小学生とコラボし商品化したりする試みを行っているそう。伸びたタケノコを刈り取り、塩漬けにして日々の食事に活かしてみたら?と勧めてくださり、昨年度から、この活動の講師を買って出てくださっています。3月の暖かさにタケノコの成長具合が早いと見込んで、昨年は5月下旬だった活動日を、今年は5月上旬に設定していたものの、4月中旬に気温が下がったり寒暖差が激しくなったりしたため、タケノコの成長はいまいち…。それでも、1.5m~2mほどに成長したタケノコで、生食用としては厳しい いわば“育ちすぎたタケノコ”である幼竹が数本あったので、この日に決行することに。

まず、先生から竹にまつわる話や竹害について聞き、竹害対策のひとつがメンマづくりなのだと知った学園生たち。早速、作業説明が始まり「誰かこれを切ってみたい人?」と聞かれると「やりたい! やりたい!」と打って出た子たちが! 先生の指示に従い、鎌で幼竹を一本切ってみたのですが、のこぎりで竹を切る大変さを経験済みなので、いともたやすく刈れたことに少々拍子抜け。また、タケノコ掘りは、探すのも掘るのも難しいですが、タケノコとしての収穫時期を逸した幼竹は、タケノコよりも収穫が容易ということがわかった様。

それから、2人1組になり、許可された幼竹を鎌で収穫体験させてもらうことに。先に見本で見たように、下の方の 鎌で刈れないと思われる硬さの所(ほとんど竹になっている?)や節に、わざわざ刃を当て、なかなか刃が入っていかないことを確認しました。

その後、少しずつ上にずらしていき、鎌の刃が簡単に入る所を探り当て、鎌を手前にひくと、楽々と刈ることができました!!

先生に様々な質問をしながら、使い慣れない鎌で恐る恐る刈り取る子も。幼竹を乱暴に扱うと、おいしい穂先や軟らかい部分が折れてしまい、メンマにする部分が減ってしまうこともあるので、2人組のうち鎌を使わない方の子は、幼竹の上部を支えたり、切り落とされた幼竹が倒れないように保持したりしていました。

鎌の刃がすっと入っていく心地よさを感じられる 適当な所で幼竹を刈り取った子たちは、毛むくじゃらの皮をむく作業に移りました。「この皮って、もしかしておにぎりを包むやつかな?」と疑問を呈する子がいましたが、それは孟宗竹の皮ではなく真竹の皮だそう。真竹の皮は無毛で、きれい(しかも抗菌・防腐作用もある)なので、食料品などの包装に使われてきたのだとか。残念ながら、毛むくじゃらの孟宗竹の皮は、おにぎりなどを包むのに適していない様です。

皆 丁寧に一枚ずつ皮をはがしていっていました。その皮を拾い集め、ヘルメットに被せて遊ぶ子もいれば、できるだけ穂先まできれいに皮をむいていくことに夢中になる子たちも。

幼竹は水分をたくさん含んでいて重く、意外に軟らかいので、何かにぶつけたり落としたりすると、おいしい部分が砕けてしまいます。だから、皮をむいた幼竹を慎重に取り扱い、大切に抱えてセンターまで戻ることに。案の定、途中で姫皮や穂先を折ったり落としたりしてきた子もいましたが…。

次は、センターの倉庫の中で、幼竹をカットする工程です。根元の方から包丁の刃を当てていき、やはりすっと刃が入る所を確認し、明らかに廃棄する部分を切って取り除きます。また、竹の成長点や成長の仕方を教えてもらい、硬い節付近の廃棄部分と節間の食べられる部分も切り分けました。一見 硬くて食べられないように見えても、触れた感じや色から判断すると案外食べられる部分が多いことがわかった学園生たち。

どうしても判断に迷ったら、えぐみを我慢して実際にかじってみればよいのだとか。

2人で交代しながら、収穫した幼竹を切り分けたり取り除いたりできたら、可食部を4㎝くらいの棒状(拍子切りのよう)に切っていきました。

取っておいた穂先の方は、縦に包丁を入れ、節の部分を手で取っていくことに。「なんか、気持ちいい!!」と言う子も! そして、適当な形状や大きさに切りました。

鎌や包丁といった刃物を立て続けに使い、危なっかしい手つきの子たちもいましたが、追加で収穫した幼竹を進んで切る 刃物捌きが上手な子たちもいました!
使った包丁・まな板や倉庫内の片づけをしたり、廃棄部分をえさにするため やぎ小屋に運んだりし終わった頃、厨房のガス台にはお湯がぐらぐら煮え立った大鍋がスタンバイ。

全員 厨房に移動し、鍋の中に切った幼竹を入れ、湯がく工程に入りました。湯がく時間の目安は40分ほどで、試しに食べてみてえぐみがなくなっていたらOKなのだそう。全員で40分間 見守るのではなく、3人ずつ10分間 鍋にはりつきバトンを繋いでいくことに。しばらくすると、アクが泡のように出てきたので、かわるがわる お玉ですくい取っていきました。皆 面白がっていました!

40分経ち、穂先の軟らかいところではなく竹のような部分を、試しに食べてみた学園生たち。「どう?」と聞かれ、「普通においしい!」「甘い!」と。えぐみがなくなったことを確認できました。さらに、幼竹を湯がいたものは、ヤングコーンのような味がするという話になり、とうもろこしも竹もイネ科の植物だから似ているのかなと話す子たちも。

そして、お湯からあげ、湯がいた幼竹の重さを量り、塩の量を算出することに。幼竹10に対し塩3と教わり、それぞれ頭の中で計算。計算力が問われました! 最後に、漬けもの袋をはめた漬けもの樽に、3回に分けて幼竹と塩を交互に入れていきました。できるだけ空気を入れないように袋の口を軽く結び、重石蓋を載せて、その上に重石をしました。それを、冷暗所である 味噌を保存してある倉庫へ運び、活動終了。翌日に、水があがり幼竹がその中に浸かっている状態であればよいとのこと。そして、乳酸発酵したら1か月ほどで食べられます。食べる際には流水で一晩脱塩してから、好みの味付けで調理できるそう。食べられる日を楽しみにする学園生たちでした!

21/05/26

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