売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

6月14日

学校が計画休業だった6月14日(月)、農家生活中の山村留学生12名と地元児童生徒5名の17名で、諏訪湖での船の体験活動を行いました。天気予報は雨 一時雷雨でしたが、希望的観測をして予定どおり7時前にはマイクロバスに乗車。売木村を出発し、一路 諏訪湖ヨットハーバーへ。9時45分頃 到着し、乗艇活動ができるよう着替えを済ませ、ヨットハーバーでの注意事項を聞きました。

皆で協力し、艇庫の中に机と椅子を並べるなどしてから、班分けと集合・人員点呼の練習。17人がきびきびと動き、2列横隊に並び、班長から「番号!」と号令がかかったら、番号をはっきり発声すること、班長は指導員に報告するということを何度か繰り返しました。水辺で勝手な行動をすると、命に係わることがあるので、普段とは違い、規律のある団体行動をしなければなりません! 皆、気を引き締めて動いていました。それから、ライフジャケットの着方講習。ファスナーとベルトをきちんと閉めて着用し、落水時の姿勢のとり方や着用の効果を学びました。

何とかお天気はもっていたので、10時45分頃からいよいよ船に乗る活動! 1クールを短めにし、2クール行ってから昼食にすることに。1班がカヌー→セーリングクルーザー(ヨット)、2班がセーリングクルーザー(ヨット)→カヌーの順に体験することに決まりました。どちらの班も船の説明を聞いてから、準備。2班の8人はヨットに事前講習で覚えたロープワークが使われているのを確認したり、艤装の一部を体験するために中学生たちは先に乗船したり。カナディアンカヌーに乗る1班の9人は、力を合わせてスロープまで4艇を運びました。

ヨットは、ハーバーから湖の真ん中辺りに出るまでは機走。途中、浅い所があり座礁しないよう、艇を傾けながら走り、回避することに。その際、「全員、ポート側に移って!」と指示されましたが、船の各部の名称などを覚えていないと、意味が分からず全く動けないということを思い知った様です。カヌーに乗る子たちは、体格を考慮して同じ艇に乗る2~3人組を作り、パドルの持ち方を教わり、漕ぎ方・後ろ漕ぎ・左右への曲がり方・とまり方などパドリングの練習を陸上で行いました。

その後、スロープから一艇ずつ出艇。初めは、不安定さにそわそわし、なかなか漕ぎ出すことができない子たちもいましたが、しばらくハーバー内で練習すると、艇はちゃんと進むようになりました。

機走して湖の真ん中辺りまで出たヨットは、風上に船首を向けてセイル(帆)を揚げることに。ロープワークや船の各部の名称と同様に、ヨット用語を覚えていないと指示されることがわからず動けなかったり、不安定な船の上での力作業が難しかったりしましたが、中学生たちを中心に力を合わせどうにかメインセイルを揚げ、帆走開始。ジブセイルもありますが、今回はメインセイルのみ。ほとんど風がない状態でしたが、風の力だけで船が進むことを体感することはできました。短時間ではありましたが、全員順番に、ティラー(舵)を操作するスキッパー(船長)の役割も体験。スッキパーは、風上側のデッキに座り、前の手でメインセイルを操るメインシートを、後ろの手でティラーを握ります。メインシートを握る余裕がない子は、舵をとることにだけ集中。

スキッパーをしていない時でも、ただ適当にヨットに乗っているだけではなく、クルーとして周囲を見張るワッチをすることと、常に艇の前後左右のバランスを考えて座る場所を判断し、おもりの役割に徹しなければなりません。皆でヨットを走らせるという気持ちで、風が弱いエリアでも、少しでもセイルに風を受けたり、風を流したりして船を進めるために、できることをする姿がありました! スキッパーを体験する子は、舵を操作し目標物に船首を合わせて真っすぐに走らせる練習。下ばかり向いていると、目標物から船首がどんどん離れていっていることに気がつかなかったり、デッキに腰かけると目標物が見えなかったりするので、立ちあがった姿勢でティラーを押したり引いたりして真剣に船首の向きを変える子も。少しでも風が吹いていればヨットは湖を自由自在に走れ、風に対して45°の方向に進んだり、タッキングという風上を通る方向転換を繰り返していくと、最終的には風上に位置する目的地に行くこともできたりします。しかし、つかまえることが難しいくらいの風だったので、残念ながらタッキングの体験はほとんどできず…。

一方、カヌーにとって強風は手ごわい相手なので、この日はカヌー日和でした! ハーバーの岸壁に張りついたり、係留している船と岸壁の間に入り込んで、にっちもさっちもいかなくなったりすることはなく、どの艇も操船に慣れ、ハーバーから左の方へ出て湖岸沿いの浅瀬を進むことができました! 艇の後ろに乗った子は、前で漕いでいる子の動きを見ながら、舵取りをしたり、力を加減して漕いだりできるようになり、カヌーはスイスイ進みました。引き返してハーバーを通り越し、今度は右の方へ湖ツーリング。どのカヌーもわりと思いのままに操り、カルガモの親子が泳ぐ姿や湖に大量発生している水草のヒシを間近で見ることができました! 「かわいい!!」と歓声をあげたり、ヒシの実は食べられると聞き、一生懸命採ったりしていた子たちも。湖上のカヌーから景色を眺める余裕もでてきた子たちもいました。ハーバー内に戻り、それぞれが身につけたパドリング技術を駆使し、カヌー同士をくっつけることにも成功! 4艇でメリーゴーランドのようにぐるぐる回って遊びました。自分たちの力で動かす楽しさを味わい、スロープに帰着。

時間が迫ってきたので、ヨットに乗っていた子たちもセイルをおろし、機走してハーバー内の桟橋に係留。メインセイルをおろした際には素早く、はためかないよう3か所に、事前講習で覚えた本結び(リーフノット)を施すことができました! もの足りない風でしたが、少しはヨットの魅力を感じられた様。

小休止を挟んで2クールめの活動に入り、1班がヨット、2班がカヌーに乗ることに。2班は、1クールめに体験した子たちと同様に、パドルの持ち方や漕ぎ方・操船方法を陸上で練習した後、出艇。

しばらくハーバー内で練習すると、前に乗っている子は後ろに乗っている船長さんに委ねて指示に従うことがきちんとできるようになり、パドルでしっかりと水をとらえ、真っ直ぐに進めるようになりました。次第にカヌーの不安定さに慣れると、カヌーには大敵の風がほとんど吹いていなかったので、力強く湖上へ漕ぎ出していきました!

片や、1班の子たちも順番にヨットに乗り込み、湖上へ。機走から帆走に切り替え、常に艇のバランスをとるおもりの役目とワッチをしつつ、交代でティラーを握って船を走らせる役割の体験。1クールめよりもしっかりと感じられるくらいの風が吹いていたので、風の力で船が進むということを体感できました! 舵をとる子は、行きたい方向に船首を向けるにはティラーをどう動かせばよいのか、風はどこから吹いていて、セイルをどのくらい出したり引き込んだりすればよいのか、そんなことを瞬時に考えて動かなければなりませんが、何が何だかわからないので、とりあえず風上側のデッキに座り、後ろの手でティラーを操ることに注力。

スキッパーの役割ではない子たちも、指導員から「今、何タックで走っている?」とか「どこから風が吹いている?」とか「今、どういう状態の走り方?」と矢継ぎ早に質問されるので、頭をフル回転させていました! 少し風が強くなり、船が傾く時があると、少しのヒール(傾くこと)でも感じとって左舷から右舷に移動したり、艇をフラットにキープするように他の子にも移動するよう声をかけたりできるようになった子も。舵取りをする子は、重責を感じながら、初めは目標物に船首を合わせることから試み、理解度に応じて、クローズ・アビーム・ランニングといったヨットの走らせ方やタッキングも体験。安定した帆走ができた子もいれば、皆をヒヤヒヤさせてしまった子も…。

カヌーで順調に湖上へ漕ぎ出していった2班の子たちは、湖への流入河川に架かる橋の下辺りで遊び、ハーバーバック。パドルで漕ぐと水の重さを感じ、「大変!」「疲れる~!」と話す子たちも多かったのですが、同じ艇に乗る子たちと息が合い、笑顔が見られるようになりました! 四胴船みたいに進んでみたり、4艇でメリーゴーランドごっこをしたり。水上の感覚に慣れ、人力の大変さを実感しつつも、爽快感や非日常感を味わえたカヌー体験を終えました。
ヨットに乗っていた1班の子たちも時間いっぱいセーリングを楽しみました! しかし、ハーバーバックしようと、セイルをおろし始めた途端、予報どおり雨が!! しかもバケツをひっくり返したような大粒の雨…。あっという間に濡れ鼠になりましたが、桟橋に着艇するまで船のバランスをとるなどしました。下船し、人員点呼。「(濡れて)寒い!」と言いつつも、風の力で走るヨットの楽しさや面白さに気づいた様でした!!

間一髪で雨から逃れた2班の子たちが雨宿りをしていた艇庫に、びしょ濡れになった1班の子たちも合流。これで、船に乗る活動は終わったので、ライフジャケットを片づけることに。「えーっ、もう終わり? 湖に飛び込みたいのに!!」と訴える子たちもいましたが…。

全員で、カヌーとパドルの片づけをすることに。片づけは次の活動の準備にも繋がるのでとても大事と、肝に銘じていたので、水をかけてスポンジでこすり、きれいに洗っていた子どもたち。

「寒いよ~。」と言いながらもしっかりと動き、カヌーの内側も外側も洗えたら、協力して船台に載せました。

着替えて、お弁当タイムとなったのは14時半頃。遅くなったこととよく動いたことで、おなかが減っていたとみえて、ごはんをたくさんおかわりするほど食欲旺盛の子たちも! 温かいお味噌汁に癒されていた子もいました。大気が不安定で激しく雨が降ったり、肌寒かったりしたので、片づけをしたらすぐにバスに乗り込みました。最後に、活動指導やレスキュー艇を出してくださりお世話になった講師の方に挨拶をして、15時半頃 売木へ向けてバスで出発。

車内ではほぼ全員が、すぐに爆睡状態に。疲れ果てたようで、泥のように眠っていました…。18時頃 売木村に到着し、それぞれのお家や受け入れ農家さんのお宅の前で、寝ぼけ眼で降車。無事に活動終了!

21/06/25

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