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売木村の山村留学ブログ

10月30日

3週間ほど前に刈ってはざかけをしてあったもち米の稲束を脱穀しました。
学園生たちはミーティングで脱穀道具の歴史を少し学んでから田んぼに移動し、全体量の3分の1程度の稲束をセンターまで運ぶことに。

陽の光を浴びて水分が抜けた稲束は、水が入っていないヤカンの様で想像以上に軽く「めっちゃ軽くなってる!」と天日干しの効果を実感。全てを手作業で行うと、とてつもなく時間がかかってしまうため、運んできた稲束のみを手作業や昔ながらの農具で脱穀しました。

まずは全員手で1本の稲から籾米をしごき取っていきました。100粒近く取れた子もいれば50粒ほどの子も。稲によって差はありますが、大体平均で80粒。
次に班に分かれ、いくつかある道具をローテーションして使っていくことに。
社会科の教科書でしか見たことのない千歯扱きは手での脱穀と比べると圧倒的に効率が良く「途中で引っかかる時もあるけど、一気に取れると気持ちいい」と好印象。多少コツは必要ですが、数分の作業でほぼマスターする子も。

もう一つの道具は、明治時代に誕生した足踏み脱穀機です。ここまでくると道具ではなく機械の様な風格があります。
足でペダルを踏み、爪のついたドラムを回転させ、そこに稲束を押し付けることで一気に脱穀をするものです。
千歯扱きよりもさらに効率的で、初めて使った一年目の子は「すげぇー!」と興奮気味でした。次に脱穀した籾米をふるいにかけわらくずなどの大きなごみと籾米とに分別します。さらに風の力を使って選別する唐箕を使ってしっかりと詰まった籾米と無成熟の籾米に選別しました。
作業を何回かローテーションして進め、持ってきた稲束を脱穀・選別し終わったのが13時15分頃。少し遅めの昼休憩をはさみ・・・

午後は田んぼに移動し、今度はハーベスターというエンジン駆動の現代機械を使うことに。ハーベスターは午前中、手作業で行った3つの工程の脱穀、分別、選別を一気に行うことができる素晴らしい機械です。

3分の1を3~4時間ほどかけて脱穀し終えて、残りを単純計算すると6~8時間ほどかかってしまうため文明の力を使って一気に作業を進めます。
子どもたちは、機械周辺の落穂を拾ったり、稲束を持って来たりとせっせと動きました。
機械の力は凄まじく、3時間ほどかかった量の2倍の稲束を2時間ほどで脱穀・風選。無事一日で脱穀が終わりました。
稲作の歴史何千年間の道具の進化を実感し、教科書でしか見たことのない昔の道具も使え素晴らしい体験をしました。
脱穀が終わったわらは、ビニールハウスに持っていき、また来年の稲刈り時の結束で使えるように保存しておきます。
脱穀した籾米は近所の農家さんに籾摺りしていただき、玄米で82kgを収穫することが出来ました。このもち米でもちつきをする日が楽しみです。

21/10/31

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