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売木村の山村留学ブログ

1月30日

1月30日(日)午前9時半頃から、前日より引き続き、太鼓の皮の張り替え作業に取り組みました。

初めに行ったのは、外で、杉の角材を90㎝の長さに切ること。2mの角材をのこぎりで切り、とりあえず6本準備することに。この一年で、もう何度ものこぎりを使う機会があったので、慣れた様子で挽いていました。室内に持ち入るので、角材の汚れを拭き、おがくずを片づけた学園生たち。

前日に見た動画や、8年ほど前に太鼓の皮を張り直した時の写真を参考にして、装置を作ることにしました。活動室にブルーシートや段ボールを敷き、先ほど切った角材を井桁に組み、その上にフロアジャッキを載せようとしたものの…。長い角材の方がよいのではないかとか、ジャッキを置く場所を変えた方がよいのでは?という考えが出てきたり、ジャッキの上に厚い板を載せるとバランスが悪いということがわかったり、太鼓の皮を張る際、どの角材にロープをまわしていくのかを考えると、もう少し角材が必要なのではないかと感じたり。どうやったら、太鼓の皮をしっかり張ることができるかを考え、ああでもないこうでもないと、試みと失敗を繰り返す指導員たちに「悪いけど、長い角材を持ってきて。」「角材を切るから、止型スコヤで線を引いておいて。」「やっぱり、長い角材はいらないから戻してきて。」「倉庫から、適当な端材を取ってきて。」などと頼まれると、気持ちよく さっと動ける子たちもいました。次第に見通しを立てて適切な装置を作っていく、まさに試行錯誤を重ねているところに、自分から関わろうとする子たちと、気乗りしない様子で遠巻きに見ているだけの子たちがいました。そんなこんなで、格闘すること2時間半、やっとのことで装置の土台を組むことに成功!!

次に、井桁に置いた角材の上にフロアジャッキを4つ載せ、ジャッキの受け皿と台にする分厚い板の間に端材をかませ、水平器で測った台の真ん中に、割れないように毛布を巻きつけ ベルトで締めた太鼓を載せました。「もっとこっち。」「ちょっと右に寄せて。」と、皆で声を掛け合いながら作業。前夜からお風呂の残り湯に浸けてやわらかくしておいた 新たに張る中古の皮を被せると、「うわっ、ぶよぶよしてる~!」「本当だ。やわらかい!」などと言いながら、感触を確かめていました! それから、皮の耳に通したシャフトと、角材にかけたロープにターンバックルをかけたものに、伸びないロープをまわしました。ロープのたるみをとって締めた後、更に8このターンバックルを締めて、ロープの張力を高めます。ようやく、少し進んで作業に関わろうとする子たち…。ロープにテンションがかかりました!

いよいよ、皮をやわらかく伸ばす作業に突入! 活動室に装置をセットしたので、背が高い子が皮の上にあがると、天井に頭がついてしまう可能性があります。体重は皆、問題ないのですが…。だから、小さい子が皮の上にのり、足で踏むことに!! 裸足になり、中学生や指導員に、皮の上にのせてもらった子たちは、「(すごく凹むので)こわ~。」とか「なんかぬるぬるしてる。」とつぶやきながら、嬉しそうに足踏み。周りから「ジャンプしてみたら?」「もう少し、跳べない?」などとリクエストされると、恐る恐る跳んでいました!

そして、水平器で測りながら、慎重にジャッキアップ。続いて、もう少し大きい子で、実は皮の上にのってみたいなぁと心ひそかに思っている子がいないか確認すると、いました! 牛の皮の上にのって踏むなどということは、人生で一度できるかできないかの貴重な体験と、周りに背中を押され、まだ湿っている皮の上に立ちました。こわごわ足踏みを始めると、やはり「ぬるぬるしてる…。」と。皮の上を踏んで回ったり、ジャンプしたりする時には、天井から垂れ下がった壁につかまったまま、足を動かしていました。

続いてもう一人。いつも打っている太鼓の皮の感触とは違い、ぬるぬるしていて滑りそうで怖がっていました。念のため、支えになる壁に手を当てて足踏みし、皮をやわらかく伸ばしていました。次は、金槌で皮の耳に当てた木材を打ち、落としていく工程です。耳は、皮を張る時に必要な、皮を引っ張るための場所。耳に通したシャフトを下へ落とすように、ぐるりと一周 金槌で打ちつけていきました。

そうしたら、またジャッキアップ。子どもたちは、担当したいジャッキについて、水平器を見ながら注意深くハンドルを下に下げていっていました。
このような作業を繰り返していくわけですが、一旦中断し、昼食と食休みを挟み、午後2時から再開。足踏みではなく、太鼓の皮に毛布をかけて木槌やかけやで打ち、皮をやわらかく伸ばす方法に切り替えたところ、足踏みを体験したいと思っていた子がまだ数人いたので続行することに。

皮を伸ばしたら、またジャッキアップ。随分テンションがかかり始め、かましてある木材が「ミシミシ…。」「バキバキ…。」と音を立てていたので、非常に怖がっていた ハンドルを下げる役を買って出た子たち。おっかなびっくりしながらも、どうにか太鼓を載せた台を上げられました! そして、耳を落とし、また皮を足踏みしてやわらかく伸ばし…。高い所が苦手なうえに、水分を含んだ皮がぬめぬめしていたので、余計に怖さが増したという子は、よい太鼓の音にしたい一心で、天井や壁に手をつきながら体を支え、一生懸命 足踏みをしていました。

大きい子たち数名は、皮をやわらかく伸ばすのに、かけやで打つ方法を体験。かけやは、言ってしまえば大きな木槌のこと。柄の長さが1m弱あり、重さも結構あるので片手では扱えません。かけやの打撃面と、太鼓の皮の面が平行になるように打たなければいけませんが、うまく扱うことができず苦労していました。また、腕が疲れてうまく打てず、片手で扱える木槌に持ち替えた子も。続いて、ミシミシバキバキ音に恐れおののきながらも太鼓を載せた台を持ち上げ、やはり腕が疲れる 耳を打って落とす作業。

そして、また、かけやで打って皮を伸ばす工程。腕で打ち込むというより、腕はかけやのコントロールに使う感じにするとよいというポイントがわかった子は、うまくかけやを振っていました!それから慎重にジャッキアップをし、金槌で皮の耳に当てた木材を打ち、落としていきました。振動が、じんじんと手に伝わり、痺れそうになりながら打つ子も。

どの子も全ての作業を体験できるように交替していきました。作業途中、手で皮の張り具合を確かめたり、バチで打って音の変化を確認したりしていたのですが、午後3時過ぎに、最初と比較するとかなり張れた状態になったので、この日の作業は終了。皮も乾いていないので、数日様子を見ながら、もう少し皮をぴんと張ることになりそう。しかし、装置の土台が不安定で、崩れたり壊れたりしそうなので、再度 組み直すことになるかも…。

自分たちが打っている太鼓の作り方の一端を知って驚いたり、手間がかかっていることに頭が下がる思いをしたりした学園生たちは、その後、午後5時まで、より真剣に太鼓の練習に身を入れました!!

22/02/07

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