売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

5月5日

GW三日目の5月5日(金)午前中は、草餅作りをしました。センター周辺に生えているよもぎを少し採ってきて、餅に混ぜて草餅を作り、お昼ご飯として食べるということで午前9時からミーティング。端午の節句に邪気払いをする風習が残っていることを知り、餅草ともいわれるよもぎや餅つきについての話を聞き、10時前には外へ出てよもぎ採りをすることに。
餅に混ぜるためには、柔らかい新芽の部分だけを摘んでこなければなりません。どの部分を採ればよいのか、実際によもぎを見ながら確認しました。

そして、今回は農家ペアやトリオごとに採りにいくことに。各班一つずつザルを持ち、30分くらいでザルによもぎを山盛りにすることを目標にしました。
ゆっくりしている時間もないので、早速よもぎ採り開始!各班に継続生がいるので、よもぎが生えていそうな場所まで新入園生を連れていき、再び口で説明したり、実際に摘んで見せたりし、よもぎの採り方を教えていました。

中学生男子コンビは、センターの敷地内を重点的に、他の二班はセンター近くの小川沿いを中心に採り始めました。そこら中に生えているので、少し歩けばよもぎが採れ、少し視線を前に向ければまた生えています。「今まで気が付かなかったけど、こんなによもぎが生えていたんだね」と言っていた子もいました。
小学生と中学生のトリオは、小川沿いで大体採った後、センター前の畑の周りに移動。たくさんの草や山菜に紛れたよもぎを採っていました。

約30分後、各班どれだけの量を採ってきたか量り、続いて採ってきたよもぎの下処理をすることに。
葉が開ききっていない新芽にアブラムシがいることがあるので一つひとつよもぎを確認しながら、洗いました。中学生女子コンビは、アブラムシがついていないことを確かめながらザルに入れたそうなので、すぐに洗い終わりました。中学生男子コンビは、面倒くさがり、「まあ大丈夫でしょ」と言いながら適当に洗っていました。そして大変だったのは、小・中学生トリオです。新芽だけでなく、硬い茎や葉も採ってきてしまっていたため、アブラムシの確認だけでなく、今回使うものとそうでないものの分別もしなければなりませんでした。使う部分(今回は新芽)だけを摘みとっていないと、後が大変になるということを、3人は学んだようでした。 洗い終わったよもぎは、ゆでて水にさらしてから包丁で刻みます。よもぎを押さえる左手が猫の手になっていなかったり、包丁の持ち方が変だったりする子がいたので、見ている大人の方がひやひやしていました。なかなか切れないよもぎに苦戦しましたが、採ってきた全てのよもぎをどうにか細かく切りました。

餅に混ぜるためにはペースト状にしたいので、ミキサーでさらに細かくすることに。皆を代表して最年長がミキサーにかけました。
そして、いよいよ餅つきへ。
今回は実験として、もち米だけでなくうるち米も混ぜて炊飯器で炊いてみたものをつくことに。割合はおよそもち米7うるち米3。それらを、予め採ってあったよもぎをゆでて出た煮汁に一晩つけておき、炊きました。炊飯器の蓋を開けてみると、よもぎの良い香りとともに鮮やかな緑色が目に入ってきました。
その米に、先ほどペースト状にしたよもぎを加え、杵と臼で餅つき!皆で交代しながらつきました。重い杵を持ち上げられない子のお手伝いを年上の子がしていました。

とても柔らか~いお餅が出来上がり、後は適当な大きさに丸めるのみ。餅とり粉を手や餅に付け、丸めていきます。しかし、これがまた大変なことに!手の粉が足りなかったのか、柔らかい餅が手にべっとり。半分以上の子たちは、餅を丸めるどころか、ぐちゃぐちゃにしていました。そのため、丸める作業から離脱して、とにかく手に付いた餅を取ることに。「取れな~い」「付いたの食べていい?」「取って~」などと言いながら、水やスポンジで一生懸命取っていました。
その間に、そこまで手にお餅が付かなかった子たちと指導員で残りをなんとか全てを丸めることができました。
「いただきま~す!」きなこやあんこをまぶして食べました。市販の草餅よりもよもぎの香りが強く、柔らかい餅につい笑顔。美味しすぎて箸が止まらないようでした。一人平均5,6個食べていました。

午後からは、予定を変更し急遽飯盒炊さんをすることに。活動内容は、新入園生がこれから一人でも野外炊事ができるように継続生が教えながら、一人1合の米を飯盒で炊くことです。継続生3人、新入園生4人ということで、継続生1人と新入園生1人or2人のグループになるようくじ引きをしました。
継続生が自分のスキルを鑑み、マッチの本数や焚き付け用の新聞紙の有無を決めていざ外へ。昨年度の活動で自信をつけた中学生Jさんは、体験の幅を広げるためにマッチの本数を3本にし、新聞紙を半面1枚もらっていました。少し自信がない他の2人は、念のためマッチを10本と新聞紙を見開き1枚もらっていました。
早速活動開始。この日は絶好の野外炊事日和で失敗するのが難しいほどの条件でした。

まずは、風向きや地面を見て倉庫前の広場にかまどの場所を決めました。そして、レンガを使ったり、石を使ったりしてかまどを作りました。自分で動いて教える継続生もいれば、言葉で説明し、新入園生を動かす継続生もいて、教え方は三者三様でした。
かまどができれば、次は焚き付けや薪集めです。焚き付けに使う落ち葉などを倉庫前で集め、折るとパキッと音がするような乾いた薪をセンター前の林の中で集めていました。爪楊枝くらいの細さ・鉛筆くらいの細さ・指くらいの太さ・手首くらいの太さなど、様々な太さの薪を集めること、大きな枝を拾うといろいろな太さの薪を一度に集められて便利なこと、ヒノキの枯れ葉が燃えやすいことなどを教えながら薪集めを行っていました。
20分程で、焚き付けや薪集めを終わらせた小学生Nさん・中学生Mhさんコンビと中学生Mrさん・Sさん・小学生Tさんトリオ。今度は集めてきた薪を細さ別に仕分ける作業。大きな枝を持ってきたトリオチームは、手分けしてかまどに入る長さに枝を折り、細いものから太いものまで分けて並べていました。
一方、なかなか戻ってこない中学生男子コンビを林に探しに行くと、Hさんの姿しか見えません。林の中を川が流れているので、まさかと思いHさんにJさんのことを聞くと、「どっかで釣りしているよ」と。釣りが大好きなJさんは、こっそり竿を携行し、薪集め中に釣りをしていたのです。残念ながら釣果が得られず、しかも大人にばれたということで、何食わぬ顔でHさんの元へ戻ってきました。そして、Jさんが釣りを楽しんでいる間にHさんが集めた薪を抱えてかまどの所へ向かいました。

そのころ、Nさん・Mhさんコンビは、薪の量に不安を感じ、今回は米を2合炊くだけなので、そこまで大量の薪は必要ないのですが…。(トリオチームの薪の量を見たり、大人に聞いたりしていました。)不安が残るままでしたが、そのままの量の薪でいくことに。

焚き付けや薪の準備が終わったら、次はお米の準備。飯盒の蓋を使って米を量る方法や米の研ぎ方、飯盒の形の意味などを教えながら、お米の準備をしていました。
お米の水加減と浸水ができたら、いよいよ火おこし。トリオチームは、Sさんが一発目に挑戦することに。しかし、マッチを擦った瞬間風に吹かれ、一瞬で消えてしまいました。

次はTさんが挑戦しましたが失敗。再び挑戦したTさんがマッチ3本目で焚き付けに火をつけることに成功しました。「やったーできた!」と喜んでいるTさんでしたが、まだ焚き付けが燃えているだけ。喜んでいるTさんを横目にMrさんとSさんが爪楊枝くらいの細さの薪、鉛筆くらいの細さのものをくべ、火を安定させていました。太い薪に火が移り少し落ち着いたところで、やっとMrさんとSさんも安堵の表情。Tさんもニコニコしていました。

Nさん・Mhさんコンビは、Mhさんが2回ほどマッチを擦りましたが、風通りが良い場所であることも影響し、失敗してしまいました。その後、Nさんが挑戦し、なんとかマッチでの点火に成功。しかし、細い薪からくべていかなければならないのに、適当にくべていたので、なかなか火が安定しないようでした。 Jさん・Hさんコンビは、自信のあるJさんが火をつけることに。見事一発で火おこしに成功しました。

火が安定したら、飯盒を火にかけ後はたまに薪をくべつつ米を炊くだけ。米を炊く時は、“はじめちょろちょろ中ぱっぱ”と言われています。最初は弱火で、途中から強火、そして飯盒から湯気が出てこなくなったら炊けた合図です。合図を見分けるのが難しいので、蓋を開けて目視で確認していたチームもありました。炊けたチームから、飯盒をひっくり返して置いておき蒸らす間に、火の始末やかまどの片づけをしました。今回は夕食の主食として指導員が厨房で作ったおかずと一緒に食堂で食べるということで、蒸らし終えたご飯はボウルに移しました。どのチームのご飯も美味しそう!食べるのが楽しみです。

飯盒を洗ったり、かまどの場所をきれいに片づけたりし、17時前には、全員センターの中へ戻りました。
入浴を済ませ、ついに食事を!自分のチームで炊いた白米をそれぞれ食べることに。少し硬かったり、おこげができたりしていたチームもありましたが、自分たちで炊いたお米は美味しい様。普段よりも多く盛られたご飯でしたが、しっかり平らげていました。

23/05/28

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