売木村山村留学センター
売木学園

〒399-1601
長野県下伊那郡売木村45-551
Tel:0260-28-2116
Fax:0260-28-2116
お問い合わせはコチラ

">HOME >  ブログ >  おいしくな~れ!

売木村の山村留学ブログ

おいしくな~れ!

4月19日(土)、2年後の学園生が食べることになるであろう味噌を作ることにしました。日本人の食生活に欠かせない味噌が、どのように作られるのかを体験し、先人の知恵や工夫を知るとともに、全員で協力して労働することの大切さ、2年後に引き継がれる感動を、知るために・・・。
1味噌.jpg実は、活動は、17日(木)から始まっていました。材料となる30㎏の大豆洗い。小学生の就寝後、中学生2人と指導員で行いました。ボールとざるを使い、水で大豆をガシャガシャ洗ったら、外倉庫の中に設置した樽の中に入れ、たっぷりの水に浸す作業です。「え~っ!こんなにたくさん?」「外に行くの、寒いよ~!」と少々、不平を並べてはいたものの、やり始めたらテキパキと動いていた中学生。
18日(金)、樽の中で水に浸されていた大豆は、吸水し、大きく膨らんでいました!膨れすぎて、樽からこぼれてしまったものもあったくらい!
2味噌.jpg19日(土)は、早朝から、大豆蒸かし作業。ここ売木村岩倉地区の組合で、昔使っていたというドラム缶蒸かし機を貸していただき、30㎏の大豆を一度に蒸かすことに。学園生たちは、交代で火の番を。しかし、大量の大豆が指で簡単に潰れるくらいの軟らかさになるまでには、随分時間がかかります。なので、大豆を蒸かしていることを気にかけながら、昨年度仕込んだ味噌の天地返しを行うことに。
3・2味噌.jpgひんやりとした倉庫から、31期生が心を込めて作った味噌の樽を引っ張り出してきて、覆いや蓋、重石、内蓋を外すと、殺菌効果を期待して敷き詰めた笹の葉、一面の塩、その下に味噌が!「たぶん、まだ塩辛いと思うけど、味見してみる?」と指導員。「うんっ、食べる!ちょうだい!」「ぼくにも!」と学園生たち。・・・少し舐めてみた子たちからは口々に、「えっ?甘いよ~!」「全然、しょっぱくないけど・・・。」「おいしいよ!」と、意外な感想。麹菌のパワーなのか、少しとった部分がたまたま甘かったのか、いずれにしても天地返しは、均一に熟成させるために行うことなので、はりきってやろう!ということに。
味噌3.jpg2チームに分かれ、昨年仕込んだ味噌を、2台の味噌すり機にかけていきました。味噌を入れる人、上から棒で味噌を送り込む人、ハンドルを回す人、機械から出てくる味噌を受ける人と、分担。機械の中に上手く味噌が送り込まれないと、ちゃんと出てこないので、初めは苦労していましたが、しばらくすると、「私たち、チームワークいいでしょ!」との声も!
味噌3・1.jpg「あ~!疲れたぁ。誰か、代わって!」ハンドルを回すのに疲れた子が助けを求めたり、「ストップ!ストップ!重いから、ハンドル回すの止めて!」出てくる味噌を、ボールで受ける子が叫んだり、「まだ全然、樽の底が見えないよ~。」樽から味噌をとっては機械に入れる子が嘆いたり・・・。長時間かかったけれど、なんとか全ての味噌をすり、樽に入れて均し、また倉庫の中へ。32期生の頑張りで、さらに、熟成が進み、おいしい味噌になることでしょう。
さて、蒸かし中の大豆ですが、昨年度の味噌の天地返しを終えてもまだ、軟らかくなっていませんでした。そこで、味噌仕込みの最後の段階で、カビが生えないように蓋として使うための笹の葉を、採りに・・・。ついでに、原木栽培している椎茸も収穫してきて、焼いて食べ、ご満悦の学園生たちでした。結局、蒸かした大豆を味噌すり機にかける作業は、午後からに。
4味噌.jpg昼食を終え、蒸かしていた大豆を指で軽くはさむと、簡単に潰れるくらいの軟らかさになっていました!皆で気合いを入れなおして、30㎏の大豆をすり機にかけ始めました。午前中の作業(天地返し)よりも、蒸かした大豆だけをすりつぶす方が、やりやすい様子。どんどん、進めていきました。・・・ようやくドラム缶蒸かし機の底が見えてきて、全ての大豆をすりつぶし終えました。
味噌5.jpg学園で作る味噌の材料は、30㎏の大豆に、23㎏の米麹、5㎏の塩。味噌すり機の片づけと並行して、大量の米麹と塩の準備を。米麹を初めて見る子も多く、「何、これ?」と見たり、匂ったり、触ったり。固まっている米麹をパラパラにする作業と、それに塩を加えて、混ぜる作業を行いました。雑にかき混ぜてはぽろぽろこぼし、「麹は高価なんだから、周りにこぼさないように!」と注意される子も・・・。
味噌6.jpg

次は、すりつぶした大豆と、麹と塩を満遍なく混ぜる作業。なにしろ、大量の大豆・麹・塩をいっぺんに混ぜ合わせるのは難しいので、全てを半分に分け、2つの樽の中で混ぜることに。ところが、それでも大変でした。腕まくりをして、樽の底から混ぜようにも、すりつぶした大豆の重たいこと!全く、均一になるようになんて、混ぜられないのです!本当に重労働でした。塩が入っているので、混ぜている途中で「手がしみる~!痛い!」と作業から離脱する子もいれば、少しでも大豆・麹・塩が一様になるようにと、黙々と混ぜ続けた子も。
7味噌.jpg最後は、大豆・麹・塩を混ぜたものを一旦野球ボールくらいの大きさに丸め、ビニール袋を敷いた樽の中に、叩きつけるように仕込んでいきます。これは、空気を入れないため。学園生たちにとっては面白い作業なのですが、調子に乗りすぎると、樽の外に投げつけたり、激しく飛び散らせたりするなど、食べ物を扱っていることを忘れてしまうので、気をつけながらしました。1つの班は、丸める子、渡す子、樽に投げ込む子と流れ作業で行っていました。案の定、途中で、大豆と、塩と麹が全然混ざっていない箇所が出てきて、慌てて混ぜなおしながら、球状にして仕込む場面も。どうにか、全ての材料を2樽に仕込み終わった時には、もう5時の鐘が鳴っていました。味噌の表面を均して、塩を撒き、一つの樽には笹の葉を敷き詰め、もう一つの樽はそのままに。笹の葉に殺菌効果があるのかどうか、1年後に検証しようということです。そして、中蓋をし、重石を載せて、蓋を。それから、みんなで力を合わせて、温度変化の少ない倉庫へ運びました。
2年後、おいしい味噌になるか心配ではありますが、また1年後に天地返しでかき混ぜて熟成させるわけだし、必要な材料は全部入れたし、たぶん大丈夫なはず!
大急ぎで片づけをして、活動終了。丸1日かかりましたが、みんなよく働きました!

14/04/21

ひとつ前に戻る