炭焼き体験
13日・14日に、自然の恵みを利用してきた先人の知恵や工夫に触れようと、売木村で昔から盛んに行われていた炭焼きを体験することにしました。
ミーティングで、木炭の歴史や特性・作り方などを聞いた後、作業ができる服装に整えてから、寒風吹きすさぶ外へ。
まず、2人組で、炭焼き窯の前に準備された原木のうち、あまり太くないものを、のこぎりで切る作業から。炭焼き窯はドラム缶を横にして作られており、その一部を切り取って蓋にしているので、そこからドラム缶の中に入る適当な長さに切るのです。切ったもので、炭にするのに適していないものは、薪として使うので、分けて積みました。
次に、玉切りした太い丸太を割る作業。いわゆる”薪割り”です。割ったもののほとんどは、炭にする予定で作業を始めました。全員、初めて斧を使うということで、怪我をしないよう、説明を聞いてから、1人ずつ順番に割っていくことに。
「僕、怖いから、いいわぁ・・・。」と尻込みし、他の子が斧で半分に割った木を、さらに手斧で割る作業をしたがる子もいれば、振り下ろした斧の重みを最大限に活用して、一発でスパッと割れた時の感触がたまらず、「次、僕ね。」「もう1回、やりたい!」と言う子たちも。軽々と斧を振るけれども、狙いを定めたところに当たらない子がいる一方、すぐにコツをつかみ、何度やっても間違いなく丸太の真ん中に斧を当て、真っ二つにできる子もいました!時折、横殴りの雪が吹きつける中でしたが、綺麗に割れた時の爽快感を求めて、お昼まで、皆でたくさん割りました。割った木は、一輪車で窯の近くに運びました。
午後1時半過ぎから、昨年、ドラム缶で炭焼き窯を作ってくださった、炭焼き名人であるお二方に、講師としてお越しいただき、作業再開。最初に、ドラム缶の中に、できるだけ隙間なく、木を詰めていきます。どんな風に入れていくとよいか教わった後、何人かの学園生が実際にやってみました。ドラム缶の曲線や長さに合わせて、適当な形や長さの木をさっと、パズルのように組み合わせながら詰めていくことは、大変!途中からは、適当な木を選んで渡す子、ドラム缶の中に詰めていく子というふうに、分担して進めていました。
煙突の下辺りに小さな空間を残した以外は、上の方までぎっちりと詰め込むことができました。竹炭を作ってみたいと、割った竹を準備していた子は、それも入れました。
講師の方は、手斧で薪を割りにくい時に、上手く割る方法も教えてくださいました。
次に、ドラム缶に蓋をして、その上を土で覆うように埋めました。
そして、ドラム缶の手前側にある焚口で、木くずや新聞紙を焚きつけに使い、薪を燃やし始めました。1本のマッチで上手に火をつけたのは、Yさん。さすが!ドラム缶の中の木は、蒸し焼きの状態にしたいのですが、薪をどんどん燃やし過ぎて大きな炎にしてしまうと、炭にしたい木に燃え移る危険があるので、気をつけなければなりません。けれども、火を絶やしていけません。
あとは、焚口で薪を燃やし続けるのみ。しかし、ずっとはりついている必要もないので、一旦センターに戻り、留学生たちは様子を見にいく順番を決めました。消灯時間まで、2時間おきくらいに、当番の子が窯を見に行き、必要に応じて薪をくべていきました。夜中は、F指導員が担当。翌朝の起床時間とともに、当番の子が様子を見に行くことを再開しました。夜まで焚き続け、15日の朝には講師の方が、窯の口を板と土で塞ぎ、煙突も外して、穴を土で覆ってくださいました。長年の勘と、煙の出具合や色の変化などから判断し、このタイミングを決めるのだそう。
窯だしは20日(土)の予定。それまで、炭は窯の中で冷やされ、完全に冷めたら取り出されます。バーベキューをしたり、五平餅や魚を焼いたりできるような炭が、ちゃんとできているのかどうか、とても楽しみです!
14/12/14