体験留学生と一緒に
昨日(金曜日)の午後から、来年度の長期山村留学への参加を考えている子たちが数名、体験留学に来ています。その子たちと一緒に、1月17日(土)の午前中には、手打ちうどん作りに挑戦!
信州(長野県)といえば蕎麦ですが、おやきや、ぶっこみ(煮込みうどんみたいなもの)、おつめり(すいとん)などいわゆる粉食文化が盛んな地域も多いのです。古くから米と麦の二毛作と、現金化しやすい米を節約する”節米”が行われ、1日に1食は粉ものを食べる習慣もあったのだとか。そんなわけで、信州の粉食文化のひとつを知ること、普段食べているものが作られる過程や手作りする面白さを知ること、皆で協力することなどを目的に、活動。
手を洗って、4班にわかれ、材料を計量することから始めました。材料は、地粉(中力粉)・水・塩のみ。秤や計量カップ・大さじを使い、間違えないように、慎重に量っていました。
大きなボールに入れた中力粉を混ぜたら、小さなボールに塩と水を入れかき混ぜて作った塩水を、少しずついれながら混ぜていきました。次第にまとまってくるはずなのですが、いつまでたってもぱらぱらしている班が・・・。立ち上がって、腰を据え、真剣にこねる子もでてきて、ようやくどの班の生地もまるくまとまりました。
次は、生地をビニール袋に入れて、その上に布をかけて足で踏む作業。食べ物を足で踏むなんて、抵抗感があるかなと心配していたのですが、皆、嬉しそうに生地の上で飛び跳ねたり、地団駄を踏む様にジタバタしたりしていました。しっかり踏めたら、生地をビニール袋から出して、台の上でさらによくこねます。みんな、しっかりと腰を入れ、両手を使って作業していました。よく踏んだりこねたりしたので、生地にはつやが!生地をまるめてラップをしたら、冷蔵庫で小一時間ねかせることに。その間、子どもたちは自由時間。数人の子たちは、昼食作りのお手伝いを。
約1時間後、打ち粉をふった台の上で、生地をげんこつで力いっぱい叩いて広げました。そして、麺棒に見立てた(清潔な)太鼓のバチで、体重をかけながら、広げていきました。外側へと広げるようにして、4㎜くらいの厚さにのばしたいのですが、よく踏んでこねたせいか、弾力のある生地は、のばしてもすぐに縮もうとし、なかなか上手くいきません・・・。しかも、適当にのばすだけではなく、次の”切る”という作業を考えたら、四角くのばした方がよいわけです。体重をかけながら、一心不乱にのばそうと頑張る子どもたちでした。
どうにかのばし終えたら、生地に粉をふって、びょうぶ折りにし、包丁で5㎜くらいの幅に切っていきました。どの班も交代しながら、全員が切る作業を体験。中には、1㎝~1.5㎝くらいのものも!細くなったり太くなったり、斜めに切ってしまったり、ちゃんと切れていなかったりした班もありましたが、均等に切れた班もありました。切れたら、粉をまぶしてばらし、厨房で沸かしていたたっぷりのお湯でゆでました。その間に、片づけと昼食の配膳準備を。できあがりを楽しみにして、みんな、てきぱきと動いていました。
差し水をしながら15分ほどゆで、流水で麺を洗ってぬめりをとったら完成!すぐに配膳を始め、麺を盛り、具沢山のおつゆをかけ、ねぎや天かすなどをのせたら、「いただきま~す!」自分たちで打ったうどんをすする子どもたちは、とても満足そうでした!きしめんよりも太い麺が混じっていたもののそれはそれでおいしく、ぷつりと切れた短い麺はさほど多くなかった様です。ゆで加減もよく、つやがあり、こしのあるおいしいうどんで、すぐにおかわりの列ができ、うどんの入っていたざるは空っぽに。
午後は、先週末の屈辱(?)を晴らしてほしいと願う指導員が、雪上焚き火大会を開催。体験留学をしに来ている子たちは、留学生たちの活動に巻き込まれた形ですが・・・。
防寒対策をして、まずは薪拾い。Yさんと体験留学生チーム、チームH、チームKで活動することにし、チームごとに近隣の林の中へ。ポキッと折れる木の枝を、歓声をあげながら探す子たちもいれば、置いておいた枝を他のチームに持っていかれそうになり、怒りながら薪集めをする子たちも。そんなこんなで、結構な時間をかけ、焚き火に使う薪が集まりました。
準備が整ったら、指導員からマッチを受けとり、火をつけます。初めにマッチを擦ったのは、Yさんと体験留学生チーム。焚きつけに新聞紙を使わず、乾燥したススキの穂を採ってきて、チャレンジ。細い枝に火を移すことに成功したものの、暫くすると火が消えてしまい・・・。再チャレンジするも、火を持続させられず、鎮火してしまったのでした。チームHもチームKも、同様に乾燥したススキを焚きつけに使っていましたが、次々と擦ったマッチの火が風に吹かれて消えてしまったり、ススキだけ勢いよく燃やして終わってしまったり・・・。
夕刻が近づき、風も強くなり気温も下がってきて、このまま続けても埒が明かないということで、指導員が講習を。
子どもたちが挑戦した、新聞紙を使わずススキの穂を焚きつけに使う方法を、指導員が実演。どうやればよかったのか、自分たちとの違いを考えながら、見つめる子どもたち・・・。どのチームも、細い枝と思って集めてきたものが、さほど細くなく、焚きつけから燃え移っていっていなかったこと、時と場合によっては焚きつけに新聞紙を使うことも必要ということ、薪をくべていくタイミングや組み方がまずかったことなどを指摘されたのでした。皆で囲めるほどの焚き火になると、暖をとりながら、おやつの干し柿を食べました。
折角集めてきたたくさんの太い薪は、ほとんど使われることなく、自然に返すことに・・・。
うまくいかなかった経験から得たものを、次こそ活かしてほしいものです。
15/01/17