7月11日
久しぶりに晴れ、朝から暑かった7月11日(土)。シャワークライミングを予定していましたが、前日までの雨量を考えると延期した方がよさそうでした。それに、8日にセンター入りしてきた学園生たちの半数が、熱を出したり、風邪をひいて咳や鼻水の症状がでたり、頭痛を訴えたりし、学校を早退したり欠席したりしていたので、この日 冷たい川に入るのは見合わせることに。そこで、午前中は、布団を干したり、宿題が残っている子は宿題をしたり、自由に過ごしたり。午後には、6月から延び延びになっていた”朴葉もち作り”を体験しました。
売木村では昔から、田植えが終わった6月頃に農休みといって1~2日休む日があったそう。その日にはご馳走として米の粉で作った皮にあんこを包み、それを朴葉で包んで蒸したのだとか。いわゆる”柏もち”の様なものですが、柏の葉がないので、朴葉を代用するのです。正しくは朴葉もちですが、村の人の多くは”柏もち”とか”おかしわ”と言い、農休みの頃は、どの家でも朴葉もちを作ることが季節の風物詩になっていたのだそう。そして、昔の子どもたちは、1年のうちその時だけ甘いものを食べられる農休みをとても楽しみにしていたとのこと。
まず、朴の木を探しに外へ。辺りをきょろきょろしたり、見上げたりしながら、朴の大きな葉を探しました。すぐ近くに、大変採りやすそうな、枝先に輪生状についている朴葉を発見!あまり大きすぎず、虫食いのないものを、一人2枚ずつ採りました。
センターに戻り、葉っぱを洗ったら、次は生地(皮)作り。米の粉に熱湯を入れ、よくこねます。熱湯を入れた直後は熱いので、菜箸でぽろぽろになるまでかきまぜてから、中学生が手でよくこねました。熱湯を少し入れすぎたようで、生地(皮)がちょっと軟らかくなってしまいましたが・・・。
それから、生地(皮)をちぎりピンポン玉くらいの大きさに丸めました。それを餃子の皮のようにのばし、真ん中にあんこをのせて包みます。「包むあんこの量はだいたいこれくらい。欲張りすぎると、生地(皮)からはみ出してしまうよ。」と、学園生たちに話したところ、全部使い切るだろうと思っていたあんこが余るという事態に。
あんこを包み、生地(皮)の端を押さえると、半月型のお餅が完成。できたお餅を、自分で採ってきた朴葉で包んだら、蒸し器に入れ、蒸かしました。葉の色が変わり、お餅が透きとおるくらいになるまでが、蒸かす目安。
少し待ち時間ができたので、急遽、抜き打ちで”箸KING大会”を開催!子どもたちは、何が始まるのだろうといささか不安気な様子でしたが、お箸や、お椀の中に小豆が20粒用意されるのを見ると、もしかして・・・という表情に。
正しいお箸の持ち方で、お椀の中の小豆を、10cm離れた所に置いてあるもうひとつのお椀に、挟んで移すのです。9人がくじをひき、3人ずつ3組にわかれ、組で一番速かった子が決勝戦に勝ち上がることに。いくら小豆を移すのが速くても正しいお箸の持ち方でなければ失格となるので、もの凄い緊張感が漂っていました!今まで見せたことがないような真剣な表情で、とても集中して取り組む学園生たち。手がプルプルと震えてしまう子、無駄な力を抜いてリラックスしてやっているように見えた子、思うようにできなくて涙する子・・・。毎日の食事でお箸を使っているわけなので、正しく持てていない子でも、自分で意識すれば直せる機会は山ほどあったはず。けれども、なおざりにしてきた子たちは、当然ながら勝ち上がることはできず。そして、決勝戦に駒を進めたのは小6のHさんと、中1のTさんとHさん。静寂の中で白熱した戦いが繰り広げられ、見事 優勝し、箸KINGに輝いたのはHさん(中1)でした!これまでの地道な努力が実を結び、素直に喜んでいました。
そうこうしているうちに、厨房の方からよい香りが!朴葉もちが蒸しあがったので、早速いただくことに。
包んだ朴葉に目印をつけておいたので、自分で作った2つの朴葉もちを食べることができました。甘くておいしい朴葉もちを食べ、牛乳を飲みながら、売木村の昔の子どもたちの気持ちに、思いを馳せていた留学生たちでした。
しっかりとおやつを食べた後は、夕方30分ほど、畑の草とりをしました。
15/07/12