食文化体験(漬け物作り)
今は、冬でも新鮮な野菜が簡単に手に入る時代。なので、子どもたちにはなかなか分かりにくいと思いますが、昔は、雪に閉ざされる内陸部の農山村では、田畑が雪に埋もれ野菜が不足し、生鮮食料品なども途絶える冬をどう生き延びるかが問題でした。そこで、野菜を塩漬けにするなどして保存し、春まで安心して過ごすための大切な食料としたのだそう。そして、各地で保存食としての漬け物文化が発達したそうです。ここ売木村でも毎年、お菜を作り、自家製のお漬け物を作っている方々が沢山いらっしゃいます。そんなわけで、昔の人の知恵の素晴らしさを知るとともに、村の生活に根ざした食文化体験をしてみようと、12月6日(日)、食べ物の保存方法のひとつを体験する活動として、漬け物作りを行いました。
まず、畑へ。お漬け物にする『野沢菜』『源助かぶ菜』『雪白体菜』と、『ほうれん草』『小松菜』『白かぶ』といった菜っ葉類を全て収穫することに。それぞれの菜っ葉を根ごと引き抜いたら、土をできるだけ落とし、傷んだ葉や変色した葉を取り除きました。
ほうれん草や小松菜は発芽率が悪く、あまり収穫できませんでしたが、雪白体菜は、大きく育ったものがたくさんあり、学園生たちは、我先にと大物をとりたがっていました!
収穫が終わったら、畝に被せていたマルチシートをはがし、スコップや鍬で土を均しました。来春まで畑はお休み。何もなくなった畑を見て、少ししんみりしつつ、これまで恵みをもたらしてくれたことに感謝していた子もいました。
収穫した菜っ葉をかごに入れてセンターの倉庫前に運んだら、次の作業は、お菜洗い。洗い桶として3つの樽に水をはり、準備をしました。準備が整ったら、いよいよ、地獄の?作業開始です。昨年、冷たい水でお菜洗いをした経験のある継続生たちが、その辛さを話していたので、新入園生たちはこの作業に恐れをなしていた様・・・。
1つの樽に3人ずつつき、意を決して水の中に手を入れ、お菜を洗い始めた学園生たち。初めは「うわぁ~、冷たい!」と小さな悲鳴が聞こえていましたが、次第に冷たくて感覚が鈍くなったのか、観念して、ごちゃごちゃ言わずに作業をしていました。菜の根元に近いところに詰まっている土や、松葉や虫などをとるように、1つの菜を、流れ作業で3回洗いました。しかし、3つめの桶の水にもまだ土やアブラムシなどが・・・!食べる時に、菜っ葉以外のものが口に入ると良い気はしないので、最後にチェックする子がよく見て、もう一度洗い直したものもありました。昨年ほどの寒さや冷たさではなかったことと、お菜の量がそれほどたくさんではなかったので、洗う作業は数十分ほどで終了。お菜は、かごに立てて入れ、しばらく水切りを。
それから、午前中の終わり、まだ暖かいうちに、センター前を流れる岩倉川に漬物石を拾いに。大きさや形をよく見て選び、抱えてきた石は、洗って干しておきました。
お昼ごはんを食べ、しばらく自由に過ごした後、活動再開。お菜は切り漬けにするので、まず、野沢菜・源助かぶ菜・雪白体菜を包丁で3~4cmに切る作業から。危なっかしい包丁づかいの子や、7~8cmくらいの幅に切ってしまっていた子もいましたが、どんどん切っていきました。
切ったお菜を計量すると、3つ合わせても12kg弱しかなかったので、それぞれ漬けるのではなく、ちょっと邪道ですが3種類を混ぜて漬けることに。
次に、お菜を半分にわけ、塩漬けとしょうゆ漬けを作るために、調味料を準備。塩漬けは、菜の重量の3%の塩を使うので塩を計量したり、適量の昆布やとうがらしを切ったりしました。しょうゆ漬けの方は、しょうゆ・ざらめ・酢を使うので量りました。
そして、ビニール袋を敷いた樽に、漬け込んでいきました。お菜を入れたら調味料を入れ、またお菜を入れて調味料・・・ということを数回繰り返しました。調味料は、希望者が目分量で数回分にわけながら入れていきましたが、いっぺんにたくさん入れてしまったり、少なすぎたりすることがあり、難しい様でした。しかし、全ての材料を入れて、漬かってしまえば、味もだいたい均等になるだろうということで、良しとしました。
最後に、中蓋をし、その上に川で拾ってきた重石をし、蓋をしました。漬け物樽が2つ、倉庫に並びました!これから時々、様子を見ながら重石を軽くするなどしていき、12月中旬からのセンター活動中には食べられる予定。学園生たちは、お菜がおいしく漬かることを願っていましたが、中には、その辺に残っていたザラメや昆布、とうがらしなどを目ざとくみつけ、口に入れていた子も。とうがらしを食べた子は、当然のことながら、のたうちまわっていました!
15/12/07