売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

6月18日~19日

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6月18日(土)午後から19日(日)午後まで、3回の食事作りとテント泊をする1泊2日のキャンプをすることに。中学1年生は学級レクという行事があったので、1日目の夜から途中参加。土曜日の午前中は全員で、前回のデイキャンプ時に体験した野外炊事のおさらいをし、今回初めて使うシュラフやテントについてのレクチャーを受けました。
食堂で行われたシュラフ講習。封筒型のシュラフに入り、寝てみてから、片づけ方を練習。縦半分に折ってからぐるぐる巻いていきます。空気を抜くようにしっかりと押さえつけながら巻いていかないと、大きく膨らんでしまい、付いている紐で結ぶことが難しくなります。
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できる限り細く硬く巻けたら、紐で蝶々結びを。しかし、中には蝶々結びができない子も。シュラフが膨らまないようにしっかりと押さえつけながら、手早く結ぶだけでも大変なのに、結べないと片づけられません! なので、蝶々結びの練習から始めた子もいました。とにかくぎゅっと巻いて、緩まないように紐でしっかりと2か所蝶々結びができるようになるまで練習。なかなかできない年下の子に、年上の子が教える場面も。 食堂の様な広い場所ではなく、実際にはテントの中での作業となるので、皆、繰り返し練習していました。
次に、外へ出て、6人用テントの立て方や片づけ方を覚えました。午後からは、自分たちで張るので、ポールの扱い方やペグの打ち方なども確認し、逸る気持ちを抑えながら講習を受けた子どもたち。
午後のキャンプ開始までに、まだ終わっていない宿題をしたり、個人装備を準備したり。
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いよいよ、キャンプ開始! とりあえず、テントだけ持って、今回のキャンプ地であるセンター下の林へ。女子で6人用テントを1張り、男子で2張り使用することにし、それぞれの班で立てる場所を決め、石や木の枝や根などを除け、テント設営スタート。できるだけ子どもたちだけで組み立てていきます。
袋から、テント本体やフライシート、ポール、ペグを出したら、ペグが何本入っているかをきちんと数える女子チーム。協力して、立てていました。
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「引っ張ったらダメ! 押すんだよ!」 テント本体にポールを通していたHk・T・J班は、午前中に教わったことに気をつけながら、進めていました。
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Hr・S・Yt班は、大騒ぎしながら設営していましたが、3人ともよく動き、テントが立つと大喜び!「中に入ってみよう!」と、早速入り込み「わぁ、広い!広い!」とはしゃいでいました。
どの班も、無事にテントを立て、雨に備えてフライシートもしっかりと張ることができました。センターに銀マットやシュラフ、個人の荷物などを取りに戻り、テントに搬入。
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今回のキャンプは、テント班も炊事班も同じ。夕食作りにはまだ早い時間だったけれど、班の中で役割分担をし、食材を切ったり、お米を計量し研いだり、林の中にトイレを作ったり、丸太を積んでイスやテーブルをこしらえたり、川から石を運びかまどを作ったり。
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キャンプ地の林は、冬に間伐が行われ、切られた丸太や枝がたくさんある状態。しかも、梅雨真っただ中とはいえ、ほとんど雨が降っておらず、落ちている木や枝は非常に乾燥したものばかり。つまり、薪集めをする必要がほとんどないということ! 林の中をそれほどうろうろせずして、簡単に薪が手に入ってしまうという、野外炊事をするのに条件が調い過ぎている感じでした。
そんなわけで、学園生たちは林の中で遊びつつ、時間を見計らいながら、準備が整ったら班ごとに火おこしを始めたのでした。
Ke・Yk・Ka班は、擦ったマッチの火が消えてしまい、マッチ1本での火つけには失敗したものの、2本目で難無く火をつけ、どんどん薪をくべ大きい火に。いい加減に積んでいたかまどの石が崩れるなどのアクシデントはありましたが、飯盒でさっと炊飯。そして、蒸らしている間にかまどに手を加え、フライパンを載せてホイル焼きを作っていました。
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指導員が作ったお味噌汁をお椀に装い、ごはんとホイル焼きをお皿に載せ、丸太のテーブルと椅子で、「いただきま~す!」 ホイル焼きの下には緑の葉っぱを敷くという小粋な演出も。ごはんは少しおこげができ、とても上手に炊けており、ホイル焼きの鮭にも玉ねぎ・キャベツにもしっかりと火が通っていて、皆ぺろりと完食。
Hr・S・Yt班は、前回のデイキャンプでの失敗をいかすことなく、どんどんマッチを擦ったものの、火をつけることができず。気がつけば、4本をダメにしていました。
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アドバイスをもらい、何がいけないのか考えたり何かを変えたりすることをせず、ただマッチを擦り、無駄遣いしていたことを反省。気を取り直して臨んだ5本目でようやく着火。その後は順調に調理を進めることができ、ごはんも鮭のホイル焼きも大変おいしくできて、「うまい!!」と満面の笑みを見せていた3人でした。
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欠けたU字溝や石・丸太などを使い、かまどを作ったHk・T・J班。こちらもマッチ1本で火をつけ、大きくすることはできず。焚きつけにする新聞紙の使い方、極細の枝の準備不足、細い薪の組み方などに問題があり、マッチを擦っても新聞紙が燃えきるだけで、薪に燃え移らないという状況が繰り返されたのでした。6本目のマッチで火つけに成功したものの、4合のお米を炊くために飯盒に量って入れていた水を誰かがこぼしたにもかかわらず、言わなかったため知らずにそのまま炊き・・・。食べようと、飯盒を開けたら、大変なことになっていたのでした!! 結局、焦げてバリバリになったごはんを食べる破目に。険しい表情で食べるJさん。
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上手くできたホイル焼きと、おいしいお味噌汁のおかげで、こげ茶色の硬くて苦いごはんをどうにか食べきった3人・・・。他の班の子が白いごはんを食べているのを見ては、「いいなぁ~。」とHkさん。
どの班も遅くならないうちに夕食を食べることはできました。その後、食器や飯盒・フライパンなどを洗って片づけ。Hk・T・J班の飯盒洗いに時間がかかったことは言うまでもありません。そして、しばし自由時間。学級レクから帰ってきたKyも加わり、女の子たちは、火を囲んで女子会なるものを。炊事の時には使わなかったヒノキの葉を燃やしまくり、「パチパチ」という音を楽しみながら、おしゃべりをしていました。一方、”ゴリラ狩り”という遊びに興じていた男の子たち。日が落ちて真っ暗闇になった林の中を、手に棒を持ち、ゴリラ役の子を追いかけるというもの。原始人にでもなった様な気分で、雄叫びをあげながら、丸太や枝の山も気にせず、走り回っていました! 案の定、枝打ちをした枝を積んでいる所へ突っ込んでしまう子もいましたが・・・。また、棒の先に火を移し、松明の様にして、嬉しそうに掲げる子も。
そうこうしているうちに、お待ちかねの”夜食(焼きマシュマロ)タイム”! 拾った枝の先にマシュマロを刺し、炙ってから食べるのですが、火に近づけすぎて、真っ黒焦げにしてしまったり、マシュマロ自体に火がついてしまったりした子も。遠火でじっくり時間をかけ、とろりとするまで炙り、温かい紅茶と一緒に、初めて焼きマシュマロを食べたという子は、そのおいしさに感動し、「家でもやってみようっと!」 マシュマロのおかわりジャンケンは、熾烈な戦いでした! 甘いもので満たされた後は、夜のお散歩へ。ヘッドランプや懐中電灯を点けずに歩き、夜の暗さや音、匂いなどを感じながら静かに歩いてみることに。月が出ていて、それほど暗くはなかったけれど、初めは「見えない。」「怖い。」と騒いでいた子たちも、徐々に暗闇に目が慣れてきた様。センター付近の道をぐるりと数百メートル歩きながら、幻想的な光を放つホタルを見つけて追いかけたり、流れ星を見たりすることができました。また、月と、刻一刻と変化する雲の織り成す面白い形状を観察し、「今、龍に見える!」「あっ、変わった!」と陽気な声で言う子や、耳を澄ませて静かに歩くと「昼と夜では、川の流れる音の聞こえ方が違う。」と話す子も。
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21時頃になったので、それぞれのテントへ戻り、シュラフに入って就寝。中学生の希望者は、もう1時間火を囲み、小さな声でたわいない話を楽しみました。その間、テントの中で静かに眠りについた小学生もいれば、興奮して眠れず長いことひそひそとおしゃべりをしていた子たちもいましたが、静かな林の中、22時過ぎには皆寝入りました。

前日に注意されていたにもかかわらず、翌朝、起床時間より前に騒ぎ出し、ひんしゅくを買った班がありましたが、川のせせらぎや鳥のさえずりを聞きながら、爽やかな朝を迎えました。練習したとおりシュラフを片づけ、冷たい川の水で顔を洗い、動物や畑の当番の仕事をしたら、早速、朝食作り。
女子班のかまどには、前夜の就寝前まで囲んでいた火で炭がたくさんでき、それらが残っていたので、マッチを使うことなく火おこし。適当な薪を加え、とても上手に息を吹きかけていたKeさんが復活させた火で各自、調理。
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メニューは、カートンドッグ。ホットドッグ用のパンに具とケチャップを挟んでアルミホイルに包んだものを入れた牛乳パックに火をつけて、燃やしきればできあがり! 強い火のところに置くと一気に燃え、アルミホイルに包まれたパンが出てきてしまい、炭の中から急いで救出する場面もありましたが、すぐに完成。ホットドッグ3つと紅茶とバナナの朝食に舌鼓を打ちました。 初めは「面倒臭いから、焼かずに食べてもいいんでしょ!」と言っていた子も、とろ~りとけたチーズやトーストされたパンのおいしさに驚き、瞬く間に食べていました。
Hr・S・Yt班も女子班と同様、マッチを使わずに前夜からの炭火を吹いて、火をおこすことに成功!「おいしいで~す!!」と頬を緩めて、ホットドッグにかぶりついていました。
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前日は残念な晩ごはんを食べたHk・T・J班。朝から不穏な空気が・・・! テントの中にこぼしていた飯盒の水の辺りになんと、マッチ箱を置いていたという困ったことが起きていました!! 火つけの準備を整え、濡れたマッチを擦っても当然火はつかず・・・。2本使った後、泣く泣くカートンドッグにして食べることを諦め、ホットドッグ用のパンに、レタス・チーズ・ハムをサンドし、そのまま食べることに。よりおいしく食べられないことを残念がっていた3人ですが、どうしようもありません。昼食こそは!との思いを強くしていました。
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朝食を食べ終わると、班ごとにテントを撤収することに。まず、センターのフェンスにシュラフを干そうとしたところで、ポツポツと雨が・・・。急遽、屋根の下に干し、銀マットも片づけ、急いで幕営地に戻った子どもたち。林の中は、木々が随分雨をよけてくれていたので、あまり濡らすことなく、フライシートやテント本体を畳むことができました。どの班も声をかけあいながら、きちんと片づけていき、元通り 袋の中へ。本当は干してから片づけたかったのですが、後日お天気が良い日に干すことにし、とりあえず倉庫に運びました。
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雨は、林の中にいるとほとんど気にならないくらいの降り方でした。昼食作りまでに、時間ができると、子どもたちはまた、火を保ちつつ、林の中を走り回ったり、つるにぶら下がったり、川で遊んだり、みょうがの葉で草笛を鳴らして遊んだり。自然との触れあいを満喫していました!
お昼が近づくと、最後の食事作り。メニューは、みそ豚丼。班ごとに、飯盒でお米を炊き、フライパンで丼の具を作ります。女子班は、さっと役割分担をし、それぞれの仕事を責任をもってやっていました。炊飯も、具作りも大きな問題なく進んでいました。
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上手に炊けたごはんの上に、みそ味の具をのせ、みそ豚丼のできあがり! 指導員作のすまし汁をもらい、キャンプ最後の食事を味わっていました。普段はそれほど食べないのに、キャンプでは1人1合のごはんをこともなげに食べた女子たち。
Hr・S・Yt班もずっと火を保っていたので、マッチ使用本数は増えませんでした。しかし、昼食作りの役割分担で、それぞれが我を通そうとし、もめにもめる事態勃発。しばらく、怒鳴ったり泣き喚いたりしていましたが、何とか話がつくと、それぞれが担当の作業をしっかりと行い、おいしい昼食にありついていました。
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アクシデント続きのHk・T・J班。そろそろ、自分たちへの雪辱を果たしたいところ。しかし、とどめをさすように、他の班のかまど近くで乾かせてもらっていた残りのマッチとマッチ箱を燃やしてしまうという、救いようのないトラブルが発生・・・。自分たちのキャンプの必需品であるマッチの扱いが、非常に雑だということを、身にしみて感じたことでしょう。本来ならここで終了となるところですが、今回だけは救いの手を差し伸べられ、指導員にもらったマッチ2本で、火おこし挑戦! これまでの失敗をいかし、準備は整えていたので、なんとか最後の1本で火をつけ、飯盒炊さんとフライパンでの調理までこぎつけました。焦げていない白くておいしいごはんに、火の通ったみそ味の豚肉・・・。キャンプ最後の食事は、はじける笑顔でいただくことができました!

どの班も食べ終わったら、食器や飯盒・フライパンなどを洗ったり、かまどを片づけたり、キャンプ地の後始末をしたりしました。飯盒などの洗い方がいい加減すぎて、何度も洗い直させられたり、かまどの後片づけと現状復旧を完璧にやり直させられたりした子たちも。どうにか全体の片づけが終わったら、個人装備の片づけやら着替え。その直後、バケツをひっくりかえした様な雨が降ってきたのでした! センター内で振り返りをし、キャンプ終了。

テントやシュラフの正しい使い方を習得し、野外炊事技術がそれぞれ少し向上した今回のキャンプ。準備から片づけまで、班員で協力して活動を進めるという点については、少々残念な場面もありました。しかし、激しい雨に降られることもなく、薪集めの苦労がないに等しいくらい、火おこしの条件が良い場所でのキャンプだったので、3食とも食べそこなうこともなく、自然の中で丸一日を過ごし、キャンプの楽しさを十分に感じた学園生たちでした。

16/06/24

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