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売木村の山村留学ブログ

12月3日

12月3日(土) 食文化体験で、お菜漬けに挑戦しました。今でこそ、お漬けものは嗜好食品とも言えますが、昔は、雪に閉ざされた農山村では冬の間、野菜が不足するので、塩漬けにするなどして保存し、春まで安心して過ごすための大切な食料でした。だから、今回の活動は、冬の準備活動・食べ物の保存方法のひとつの体験として行うということを皆で確認してから、開始。
12-03 (1).jpg12-03 (2).jpgまず、畑へ行き、お菜とりをすることに。畑には、野沢菜・源助かぶ菜・雪白体菜だけが残っている状態でしたが、野沢菜はヤギのチョビに葉の部分をほとんど食べられてしまっていたので、実際には源助かぶ菜と雪白体菜の収穫。霜が数回降りて、菜全体がやわらかくなった頃にとるのが良いそうですが、霜どころか一度は雪に埋もれてしまった菜っ葉たちなのでした。学園生たちは、源助かぶ菜を引き抜き、かぶや根についた土をできるだけ落とし、変色した葉や傷んだ葉を取り除いて、かごに入れていきました。それから、根本を切り落とした雪白体菜の、良くない葉を取り除いてから、かごへ。陽が射していたので、手が冷たくなることはありませんでしたが、夥しい数のアブラムシが菜っ葉にくっついていることを発見し、気持ち悪がりながら作業を進めていました。畝に被せていたマルチも、皆で協力して片づけ、畑にはもう何もない状態に。
12-03 (3).jpg12-03 (4).jpg次に、菜っ葉たちをセンターの倉庫前に運び、お菜洗いの準備をしました。樽を洗って、水をはったり、源助かぶ菜の、菜とかぶを切り離したり。準備が整ったら、地獄の?お菜洗いスタート! 水をはった4つの樽を並べ置き、1つめの樽の水で洗われたお菜は、2つめ・3つめの樽で更に洗われ、4つめでしっかりとチェックされて、かごへ入れられるという流れです。それぞれの樽に2~3人ついて、きれいにお菜を洗ってから、次の樽へ送ります。
12-03 (5).jpg12-03 (6).jpgお菜漬けを食べる時、菜っ葉以外のものが口に入ったら嫌なので、菜のかぶに近いあたりに詰まっている小さな葉やアブラムシなどをとるように、丁寧に洗わなければなりません。本当に、アブラムシが葉の裏側にびっしりとついていたり、根本の内側を埋め尽くしたりしていたので、悲鳴をあげながらも、よく見て一心に洗っていた子どもたちでした。陽が射しているとはいえ、冷たい水に手を入れて、洗う作業の連続なので、手がかじかみ「ちゃんと手が動かない・・・。」と、困り顔の子も。更に、腰を曲げて体を折って作業することが、とても辛かった様。
12-03 (7).jpg12-03 (8).jpg源助かぶ菜を洗い終わったら、雪白体菜に取りかかりました。こちらも、アブラムシと格闘・・・。すぐにアブラムシだらけになってしまう樽の水を、こまめに換えながら、できるだけきれいに洗いました。担当する樽を時々変わりつつ、皆、さぼることなく作業したので、1時間強でお菜洗いは終了。
午後、お昼ごはんを食べている間に水切りをしていたお菜を切る作業をしました。長いまま漬けられればよかったのですが、お菜がそれほど大きく育っていなかったので、今回は切り漬けに。包丁とまな板を1人1セット使い、2~3㎝くらいにお菜を切っていきました。
12-03 (9).jpg12-03 (10).jpg皆、わりと丁寧に切り揃えていましたが、時々いい加減になってしまうようでした。菜の根本の方を切り落とすと、切り口がバラの花のようで「わぁ、きれい。」「おもしろ~い!」と言っていた子たちも。切った菜っ葉は、ビニール袋に。そして、計量すると、源助かぶ菜も雪白体菜も約6kgずつありましたが、それほど沢山ではないので、2種類のお菜を別々にではなく、混ぜて漬けることにしました。
12-03 (11).jpg12-03 (12).jpg3kgずつ混ぜた2種類のお菜で”塩漬け”と”しょうゆ漬け”を作ることにし、調味料を計量。塩の分量は、お菜の重量の3%にしたので、それぞれ頭を使って計算し、「180g!!」と答えていた学園生たちでした。塩漬けには、昆布やとうがらしを適量、しょうゆ漬けには、しょうゆ・ザラメ・酢を入れることに。それから、ビニール袋を敷いた樽の中に、刻んだ菜っ葉を入れる役、調味料を加える役と、分担して漬けていきました。

最後に、すぐ近くの川へ。重石にできそうな石を、1人ひとつ探して持ち帰り、洗います。そして、菜っ葉を漬けた樽の、中ぶたの上に重石をし、外ぶたをしました。倉庫の片隅に、塩漬けとしょうゆ漬けの樽が並びました! これから時々、様子を見て、重石を軽くするなどしていきます。自分たちが漬けたお菜漬けを食べる日が楽しみな学園生たち。昔の人の知恵の素晴らしさを知り、売木村の生活に根ざした食文化の体験ができました。

16/12/04

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