売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

12月1日・2日

収穫祭を終えて農家生活を送った学園生たちは、11月30日(金)からセンター入り。1週間だけの短いセンター生活です。
12月1日(土)・2日(日)、 冬の準備活動・食べ物の保存方法を幾つか体験。今でこそ、冬でも野菜は流通していますが、昔は、雪に閉ざされた農山村では冬の間、野菜が不足するので、春まで安心して過ごすために青菜を塩漬けにするなどして保存していました。今でも売木村の多くの人たちは、この時期にお漬けものを作っているので、食文化体験として、学園でも村の人々が工夫してきた生活の知恵を実践してみることに。
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土曜日は畑へ行き、収穫から。畑には、源助かぶ菜・小松菜・白かぶ・ほうれんそうだけが残っている状態でした。秋に種を丁寧に蒔いたものの、発芽しなかったものもありましたが、まず、白かぶを引っこ抜くことに。
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菜を握って上に引っ張ると、すっと引き抜くことができて「なんか、気持ちいい!」と言ったり、爽快感を味わったりしていた学園生たち。土の中で育っていたかぶは、大きさがまちまちで、「これ見て。ちっちゃいよ!」「これは、まぁまぁ大きいな。」「かぶが割れてる!中にナメクジがいる!」などと大騒ぎしながら、どんどん抜き取っていました。
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次に、小松菜を収穫。根元から包丁を入れ、手を切らないように注意しながら、菜っ葉を切り取り、かごの中へ。話を聞いておらず、かぶと同じように引き抜いてしまった子もいましたが…。ビニールハウスの中で育てていたものは、露地物よりも遥かに大きくて、驚いていた子もいました。菜っ葉の裏に大量のアブラムシを発見してしまった子も!
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続いて、源助かぶ菜を小松菜と同じように包丁で収穫しました。霜が数回降りて、菜っ葉は赤みを帯び、全体がやわらかくなって良い感じでしたが、傷んでしまった葉も多く、収穫量は少し減ってしまう様子でした。
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包丁で丁度良いところを狙って切り取るのですが、手を切らないようにと、下の方を切るとかぶの部分までついてきてしまうし、上の方を切ると菜っ葉がばらばらになってしまうので、初めは難しかった様。慎重に切り取ったら、傷んだ菜っ葉や黄色く変色した菜っ葉を取り除いてから、かごに入れていきました。
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小さな数株しか育っていなかったほうれんそうも収穫。畑に植わっていたものをひとつ残らず取りました。それから、畝に被せていたマルチシートをはがして、片づけました。
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収穫したものをセンターの倉庫前に運び、樽や大鍋を洗って水をはり、4か所に並べて置き、お菜洗いの準備をしました。でき次第、お菜洗い開始。手がかじかむので、例年 避けたがる子たちが多い作業です。
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1つめの樽の中で洗われたお菜は、
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2つめの大鍋の中、
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3つめの樽で更に洗われ、
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最終チェック機能の4つめで完璧に洗えているかどうか確認されて、かごに入れられるという流れ。帰省していて中学生が1人不在だったため、9人が4か所に2~3人ずつつき、きれいにお菜を洗いました。
食べる時のことを考えて、菜の根元に詰まっている松の葉、菜っ葉の裏側にびっしりとついているアブラムシなどを取り除くように丁寧に洗っていきました。しっかり見るために、腰を折り、ものすごく菜っ葉に顔を近づけて洗う子たちも。担当する樽を交代したり、水が汚れたらきれいな水に換えたりしながら、頑張って作業を続けました。冷たい水に手を入れて洗う作業の連続なので、「手が冷たい。ちゃんと動かない…。」と訴える子もいましたが、サボるわけにはいきません。「ちゃんと洗えてないよ!」と、お互いに声をかけあいながら、源助かぶ菜と小松菜を一通り洗い終えました。
お昼ごはんを食べる時に、手がかじかんだままでお箸を上手く使えない子もいたほどでした!
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午後は、源助かぶ菜を念のためもう一度洗い、立ててかごに入れ、水をきりました。そして、お菜を切る作業。今回は長漬けではなく切り漬けにするので、まな板と包丁を使い、2~3㎝くらいの長さに切っていきました。
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根元を切り落とすと、切り口がバラの花のようであることに気づき「うわっ、きれい!」「本当に花みたい。」と言っていた子たちも。手を切らないように気をつけて、作業を進めます。
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源助かぶ菜を全て切り終えたら、おやつタイム。倉庫に保存していた王林を一つずつ。包丁で皮をむいて食べる子もいれば、包丁で芯だけ切り取って食べる子、食べやすい大きさに切る子もいました。包丁の使い方の練習になったようです。
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切った菜っ葉を計量すると、源助かぶ菜が7.45kgあったので、半分にして”塩漬け”と”しょうゆ漬け”を作ることに。塩漬けに入れる塩の量を、お菜の重量の3%にすることにし、それぞれ頭の中で一生懸命 計算する学園生たち…。考えることをすぐにやめてしまった子たちもいましたが、何とか計算できたので、うま味を出すための昆布や腐敗止めのとうがらし、甘みを出すための干し柿を作った時にむいて干しておいた皮も適量揃えました。そして、ビニール袋を敷いた樽の中に、刻んだ源助かぶ菜・塩・昆布・とうがらしを入れていく役を決め、5回にわけて漬けていきました。最後に覆うように柿の皮を加えました。
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次に、しょうゆ漬けに入れる調味料を計量しました。やはり、計算力が試され、頭をフル回転させていた子どもたち。刻んだ源助かぶ菜、しょうゆ・ざらめ・酢などの調味料を加えていく役を決め、塩漬けと同じように5回にわけて漬けることに。調味料を適量ずつ入れていくということがなかなか難しかったようです。
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最後に、塩漬けとしょうゆ漬けの樽に、中ぶたを置き、その上に重石を載せました。そして、外ぶたをして倉庫の端に、樽を並べました! これから時々、様子を見て、重石を軽くしていきます。
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収穫して昼間にきれいに洗った小松菜は、夜、厨房で軽く茹でました。
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すぐに食べきれる量ではなかったので、さっと茹でた小松菜の水気を絞り、ラップで包み、文明の利器 冷凍庫で保存することに。冷凍保存ではなく冷蔵保存にしたものは、近日中に食材として使われます。
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12月2日(日)の午前中には、前日に収穫し洗った白かぶで干しかぶ作り。包丁とまな板を用意して、一人10個ずつかぶを受け取ると、皮をむかずそのまま好きなように切りました。
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作りたい料理に合う大きさや形に切ればよいのですが、そこまで考えられないので、輪切りやくし形切り、半月切りにする子たちが多かったです。中には小さなかぶをいちょう切りにする子も。切ったかぶを竹ざるや網などに、重ならないように並べました。水分が抜けると縮むので、小さく薄く切ったものは、すごく縮んでしまいそうですが…。
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あとは日当たりと風通しの良い場所で乾燥させるだけです。しかし、天気の良くない日が続きそうなので、とりあえずセンター内の日当たりの良い窓辺に干すことに。
昔から保存食として重宝されてきた干し野菜。天日干しにすることで、野菜本来の旨味と栄養が凝縮されて更においしくなり、水分が抜けるので歯触りや歯ごたえもよくなり食感を楽しむことができます。さらに、調理時間が短縮できると良いことづくめ。上手く乾燥するかどうか…。
畑でとれた野菜や自分たちで作ったお漬けものを食べる日が楽しみな学園生たち。先人の知恵の素晴らしさを知り、売木村の生活に根ざした食文化の体験ができた二日間となりました。

18/12/06

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