売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

6月15日

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雨も風も強い予報でしたが、予定どおり15日(土)から16日(日)までキャンプを決行することに。しかも、今回のキャンプは”うきうきキャンプ(入門編)”と銘打ち、今年度から実施されなくなった”みどりの少年団のふるさとキャンプ”の代替も兼ね、売木小学校の4・5・6年生(地元児童)9名のうち5名の希望者も参加。学園生と地元の子たちの活動となりました。10時20分からの入所式・オリエンテーションでは、学園長さんのお話を聞き、続いて、指導員から野外炊事についてのレクチャー。先月のデイキャンプで経験した学園生たちにとっては、おさらい。しかし、聞いて知っていることとできることは違うということを、この後 嫌というほど思い知らされるのでした…。
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今回のキャンプは、デイキャンプではなくテント泊が加わり1泊し、夕食・朝食と2回の食事作りをこなします。なので、テントで寝る時に用いるシュラフの使い方の説明も聞きました。
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シュラフの片づけ方も練習。封筒型シュラフを縦半分に折り、ぐるぐる巻いていき、端に付いている紐で蝶々結びをするのですが、空気を抜くようにしっかりと押さえつけながら巻いていかないと、紐の長さが足りなくなるくらい大きく膨らみ、結べなくなります。ぎゅっと巻き、紐で結んでいる間にもゆるまないよう気をつけて、2か所 結べたらOKをもらえます。蝶々結びはできるものの、結んでいる間にゆるんでしまい、何度やり直してもコンパクトにできない子も。しばらく待ってもできないと、先に一発OKをもらっていた子たちが、コツを教えたり、手伝ったりしていました。
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次は、テント設営レクチャーです。天気が良ければ、外の広場か林の中にテントを張るつもりでしたが、既に雨が降っていたので、センター内でテント泊体験をすることに変更。レクチャーも屋内にて。テント班のメンバーを決め、6人用テントを4~5人で使うことに。指導員らが実際に立てるのを見ながら、ポールの扱い方やペグの打ち方などの説明を聞いた子どもたち。本体・フライシート・ポール・ペグなどを元通り 袋に収納する、立てたテントの片づけ方も見て覚えました。
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午後1時近くになっていたので、食堂に皆で輪になって昼食のおにぎりを食べました! 次の食事がいつとれるかわからないので(笑)、よく噛んで味わっていた子たちも。
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食べ終わり、少し食休みをした後、部屋の仕切りを外して広い空間にし、今夜の幕営地を作りました。そこに、テント班の班員で協力してテントを組み立てていきました。
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習った通りに、「押して!」と声をかけあうなどポールの扱い方に気をつけながら、さくさく設営。
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とは言っても、屋外なら、フライシートを装着したりペグを打ったりしますが、屋内なので、本体にポールを通してドーム型に立てるだけ。あっという間にテントが3張 並びました! テントの中に個人装備とシュラフを搬入したら、いよいよ野外炊事開始です。外に出る前に、炊事班を決め、キャンプの流れを確認し、身支度を整えました。
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夕食作りにはまだ早いと思われる午後2時すぎでしたが、雨のため、野外炊事での火のつけ方に苦労することは目に見えていたので、炊事班ごとに動き出しました。学園生女子4人組・地元の子3人に学園生女子1人の4人組・学園生男子2人女子1人に地元の子2人の5人組の3班。雨を避けるために、事前に設営しておいた組み立て式パイプテントやタープの下に、かまどを作ることにし、センター付近や下の林で薪集めを。班ごとに行う夕食作りは、飯盒でお米を炊くことだけなので、飯盒ひとつをかけるかまどを作ればよいのですが、どの班も形や大きさ・風向きなどをあまり考えず、適当に積みあげたレンガに棒を渡すタイプのかまど…。しかも、既に水たまりができている所にかまどを作っていた班も。雨が降り始めてから結構経っていたので、乾いた薪を探し集めるのは容易ではありませんでした。この日の夕食と翌日の朝食作りに必要な薪の量、細いものから太いものまで、できるだけ濡れていないもの、燃えやすい種類の木…といったことまで考えながら薪を拾ってこなければなりませんが、それも大変難しいことの様でした。それから、お米を量って研ぎ、水加減まで完了。
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そうこうしているうちに午後3時。今回もソロで、自分と大人たちの分の炊事を担う 継続生のYkさんは、もう火をつけるところまで準備が進んでいました。かまど作り・薪集めなどを、独りでさっさと万端整え、焚きつけの新聞紙の上に干し草や小枝をのせて、雨などものともせずマッチをシュッと。当然のごとくつけた火を、薪をくべて、どんどん大きくしていき、飯盒2つ・8合の炊飯。
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容易く火をおこしたYkさんに倣い、自分たちのかまどにセットした焚きつけや細い薪に、擦ったマッチの火を近づける地元の子たち。各班には、10本入ったマッチ箱1つと焚きつけ用の新聞紙(見開き)1枚が配られており、翌日の朝食作りに使う分も含まれています。
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その30分後、マッチを擦る役を押しつけ合う学園生女子4人組…。
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午後4時をまわり、それまでに何度か擦ったマッチの火が、焚きつけを燃やしては消えてしまうということを繰り返していた5人組。
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学園生ばかりの班は、野外炊事経験があるというプライドもへったくれもなく、早々にマッチ10本を使い切り…。追加のマッチ棒をもらうためには、面白いことをして学園長さんを笑わせなければなりませんが、これも押しつけ合っているうちに、セットした新聞紙や焚きつけにと集めてきたものがどんどん湿っていっているという事実に気づかず。
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夕食のメニューは、カレーライス。理想を言えば、班ごとにカレーも作れたらよいのですが、この条件下では炊飯だけでも四苦八苦している状況。なので、ご飯だけは班ごとになんとか炊くことにし、カレーは全体で作ることに。各班から一人ずつ、カレー要員を出して、材料をカット。もう少し早い時間から始める予定でしたが、どの班も火おこしの目処が立たず、待っていたら午後4時半近くになっていました。順調に進めていたYkさんのみ、炊けたお米を蒸らすところまで終了しており、そろそろカレーの調理にかからないと、午後6時頃にカレーライスを食べられなくなってしまいます。子どもたちに全く余裕がなかったので、その後の加熱調理は食育指導員にお願いする形に。
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もう何回 マッチを擦ったかわからない5人班。風で一瞬にして火が消えてしまうのを避けるために、4人でかまどを囲い、息を潜めて焚きつけや細い薪を組み直し。
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カレー要員でない子たちは、かまどの火をどうにか大きく安定させるために、貸し出されたうちわで頑張って扇いでいましたが、この火も消してしまいます…。
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他の班と同様、どんどんマッチを擦ったものの、なかなか火を育てられなかったこの班も、大人たちの手助けで光明が見えてきました! 焚きつけや着火剤となる完全に乾いているものをもらい、よく燃えるように組んで、表皮が濡れている太い薪は乾かしてからくべていくことを教わり、懸命にうちわで扇ぎます。
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午後4時50分頃の全体の様子。このままではどの班も夕食にありつけないのは目に見えていたので、口出しだけに留めていた大人たちは、そろそろあの手この手を使って世話を焼こうかな…と。
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火をつけても安定させられず、くすぶっては何度も消え、失敗の原因を考えたり大人の手が入ったり。追加のマッチをもらい、この日 何度目かのマッチを擦る緊張の一瞬!! マッチの擦り方は上手になり、軸木まで火が燃え移るのを待って焚きつけの何か所かに着火することができるようになっていました。
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午後5時を過ぎても、かまどと格闘している班ばかり。6時頃にカレーライスを食べることは難しそう。湿気を含んだ薪をそのまま投入し、放っておくと、かまどの火に十分な火力がなくなってしまっていました。
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天気が良かった時にたくさん採って保有していた松ぼっくりやスギ・ヒノキの葉を着火剤に特別に使用しても、使い方が中途半端だったり、その次に燃やすものを上手くくべられなかったりして、何度も火が消え…。必死で息を吹き込んでいた学園生。
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午後6時過ぎ。2時間ほど前にはご飯が炊けていたYkさんと大人たちは、少し冷めたご飯に熱々のカレーをかけ、皆より一足先に「いただきます!」ご飯はとてもおいしく炊けていました!
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15分後くらいに、食器に炊けたご飯を盛りつけた4人組が、カレーをよそいに倉庫にやってきました!
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班員が揃ったら、「いただきま~す!」苦労の末に炊けたごはんは本当においしかった様。一人1合のごはんに何度かカレーのおかわりをして、ぺろりと完食。
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その15分後、結局 自分たちだけでは火をおこせなかった学園生女子4人組が夕食にありつきました!
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食べ終わった子たちから、食器やスプーンを洗ったり、ご飯をお皿に配って空にして水をはっておいた飯盒もきれいに洗ったり。飯盒は、明朝の汁物作りでも使うので、しっかりと洗わなければなりません。
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午後6時45分、5人組も夕食の時間としました。途中で、火が消えたり、お米の水加減がおかしい疑惑が持ち上がったりしており、炊けた後蒸らしたというご飯は、案の定、芯が残って生煮えの様な感じ…。「おいしくない。」と言って、食が進まない子も。何はともあれ、全員 夕食を食べることはできました! 夕食作りには、それぞれの班にドラマがありました。何が良くなくて火をつけられなかったのか、何を変えるべきだったのか、班員で考えたことや今日の失敗から学んだことを明朝にいかして欲しいものです。
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皆が食べ終わり、洗いものや片づけを終えるまでに、随分時間差がありましたが、薪を濡れない所に保管したり、土を掘って水たまりから水路を繋ぎ、流れていくように導いたりして、明朝に備えました。
天気が良ければ、夜の散歩や星空観察などをするつもりでしたが、雨風が大変強くなる予報だったので、屋外に見立て 電気をつけないセンター内に戻りました。ヘッドランプの灯りで、着替えたり歯磨きをしたり、荷物整理をしたりトイレに行ったりして、テントの中へ。
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午後8時過ぎ。それほど眠そうではなかった子どもたちですが、就寝時間だと言われ、大人しくシュラフに入りました。
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室内に立てたテントの中、シュラフに入って眠ろうとするとかなり蒸し暑く、テントの出入り口をメッシュにしてみた班も…。しかし、なかなか寝つけない様子。”はじめてのキャンプ”という本の読み聞かせを聞いてから入眠体制に。しばらくすると、どのテントも静かになり寝息が聞こえてきました。
夜中には、いろいろな寝言が…!

19/06/17

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