売木村山村留学センター
売木学園

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売木村の山村留学ブログ

7月13日

3連休初日の7月13日(土)、学校の宿題等をだいたい済ませ、11時頃から”じゃがいも掘り”をするために、畑へ。1週間前に雑草を抜いてきれいにしたところを見て、皆 絶句。もう 雑草がびっしりと生えてきており…。それはさておき、春、まず畑に植えつけた種芋から伸びた茎や葉が黄色く枯れ、収穫時期を迎えていたじゃがいも。しかし、ずっと雨続きで、じゃがいもの畝の半分くらいは常に水に浸かっている状態。土が湿っているときに収穫すると、保存中にいもが腐りやすいので、数日間晴天が続いた後に収穫したかったのですが、それは無理のよう。この日も今にも降り出しそうな空模様でした。このセンター活動中に晴天が数日続くことはなさそうなので、一先ず男爵の一畝だけ掘ることに。
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継続生が、収穫の仕方を皆に教えてくれました。
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ひとつの畝にたかって、それぞれが枯れた茎を手で引き抜くと、肥大したじゃがいもが少しついていました!
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「ちょっとしかついていない。」と言って、周りの土を掘ってみると、幾つか出てくることもありました。しかし、水はけが悪く、土も湿っていたので、軍手はどろどろになりなかなか掘れないようでした。
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腐った種芋の悪臭が漂ったり、皮目肥大なのか皮に白い斑点のあるものが出てきたりしましたが、なんとか掘り進めていくとそこそこ収穫できました! 立派な種芋を植えつけたので、品質や収量に期待しすぎ少し落胆したのですが、大きめのいもが出てくると、歓声をあげたり、嬉しそうに皆に見せたりする子も。
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一通り掘れたら、マルチシートをはがし、畝の土を隈なく掘り返し、掘り残しがないかを確認。「あった~!」と、あちらこちらから声が。
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次に、実験的に欠いた芽を植えていた3畝のいも掘りをすることに。マルチを被せていなかったので、マルチをはっていた畝の土よりも湿っておらず、掘りやすい状態でした。茎は枯れてほとんどなくなっていたので、まさしく掘りました!
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普通は捨ててしまうものから、駄目元で小さいかもしれないけれど少しだけでも収穫できたら、万々歳ということだったので、いもが出てくると大喜びの学園生たち! 結構立派なものもとれました。
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どんなに小さくても収穫してかごに入れたり、「ほら、ハート型!」と周りの子たちに見せたり。収穫の喜びを味わいました。
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それから、お昼ごはんまでの数十分だけ草とりを。先ほどまでの嬉々とした取り組み方とは違いましたが…。
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掘ったばかりのじゃがいもを、中学生がセンターの倉庫まで運びました。日陰に広げて数日干し、食卓に上ります。写真は、欠いた芽を植えて収穫できたじゃがいも。捨ててしまっていたらゼロだったものが、これだけとれたので、実験は大成功!
畑に残してあるじゃがいもは様子をみながら、夏休み明けにでも掘る予定です。

午後は、天気や水温・水量などの関係で延期していたシャワークライミングを決行することに。センターのすぐ前を流れる岩倉川を、上流に向かって歩く活動です。楽しみにしていたと見えて、ミーティングの後、すぐに服装や装備を整えた学園生たち。防寒対策も兼ねてライフジャケットとヘルメットを着用し、数分 道を歩いていきました。
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14:30頃、国道に架かる岩倉橋下辺りから川に入りました。川に足を浸すと、その冷たさに大騒ぎ! 雨も降ってきたけれど、川の中を歩いていけばどのみち濡れるので気にもなりません。
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一列に並び、ゆっくりと歩き始めると、水量が多いのが嫌なのか冷たさが嫌なのか、川の真ん中を歩かず、できるだけ濡れないように川の端や岩の上を歩こうとする子も…。

普段、川を遡るなんていうことはほとんどないので、初めはどのように歩けばよいのかわからない子もいましたが、だんだん足の運び方・バランスのとり方がわかってきた様。
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浅い所もあれば深い所もあり、相変わらずなるべく濡れないようにする子もいれば、濡れることを恐れずずんずん進んで行く子も。
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川の中には浮石や滑る石がたくさんあり、足を取られたり滑って転んだりしやすいので、慎重に歩きます。
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意外に流れの強いところがあったり、体全体を使ってよじ登らなければならないような大きな岩があったりするので、濡れることなどお構いなしに突き進んでいくしかありません!
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歩き始めて約20分、行く手に立ちはだかる壁が! このコースひとつめの難所である、1.6Mほどの高さの堰堤が出現。高さに加えて、流れてくる水の量がいつになく多く…。皆が見守る中、早く登ってしまおうと順番に取りつきますが、自分の身長より高い堰堤。腕力だけで身体を持ち上げ、颯爽と堰堤の上に立つことは簡単ではなく、口々に「無理!」「登れない…。」
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なので、足元の大きな石に乗り、高さを稼いで、挑みます! しばらくの間、入れ代わり立ち代わり、壁に取りつき、なんとか腕力で体を引き上げ、登れた子も! もうちょっと…という子たちや、頭から水を被りながら、懸命によじ登ろうとする子たちを助けようと、先に登った子たちが手を差し伸べ、引っ張りあげる場面も。
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腕の力だけで自分の身体を引き上げられないことはわかっても、堰堤の正面から何とかして登ろうと、垂直の壁をよじ登ろうと試みるものの、足をかけられる箇所がなく…。愚直に挑み続ける子たちがいる一方で、自力で越えようと、石に乗って横の壁に上がり、そこから堰堤の上へ行く子たちも。石に乗って高さを稼いだり、他人に助けてもらったりせずに、真正面からなんとしても自力で登りたい! と随分頑張った子たちもいましたが、ここで時間をかけすぎると体が冷え、後に響くので、下から少しだけ押し上げてもらい、全員、堰堤をクリア。
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その後もどんどん川を遡っていく学園生たち。大きな岩の間を登ったり、
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激しい流れに負けないように向かっていったり。
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川の様子もどんどん変わっていきます。
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胸まで浸かるくらい深い所もあり、悲鳴とも歓声ともつかない声を辺りに響かせ、肩まで浸かって泳いでみる子たちもいました! 楽しくて、笑いがこみあげてきた様。
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皆 かなり濡れたので、もう がんがん登っていきます。
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木が倒れて堰き止められた、自然にできた堰堤のような所もあり、そこをよじ登ったり、倒木の下をくぐったりもし、ちょっとした探険気分も味わえました。なかなか登れない子を応援したり、手助けしたりする場面も幾度も見られました。
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岩に足をぶつけたり、水が冷たくて体が冷えたりするけれど、楽しい様子。この笑顔!
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岩についている苔の上を歩くと滑りやすいということ、浮石に気をつけながら足場を確保すること、冷たい水の中に温かく感じる箇所があることなどに気づきながら、進みます。
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「あっ! 滝だ!!」次に、学園生たちの目にとびこんできたのは、このコースの第2関門 落差4mほどの滝。ハイライトと言っても過言ではありません。念のためロープを垂らしてから、1人ずつ挑むことに。向かって左のルートは、水勢がかなり強く、右のルートは、左より少しだけ水の勢いが緩く、足場を確保しやすいのです。どちらから登るかは、自分で選択。どのようにクリアするかを考えた結果、先頭の子は滝を巻く右のルートを選び、果敢に登っていきました。
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続く子たちもほとんどが右のルートを選択し、激しい水しぶきに視界をさえぎられ、顔をそむけながらもしっかりと足場を確保しながら真剣な表情で登っていました。滝の下から少し離れたところで、落ちてくる激しい水音で近くの子との会話も聞こえない子たちは、どきどきしながら自分の番を待っていました。
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直登ルートを選んだ子は、見上げながら登ると、滝の水が容赦なく頭や顔を叩きつけてくる厳しい状況の中、強い水勢に流れ落とされないよう、一歩一歩足場を確かめて着実に登っていました。全員 慎重に、無事に滝を突破!! 濡れ鼠にはなりましたが、爽やかな笑顔を見せていました。
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全身濡れたうえに、滝での待ち時間があったため、体が冷え、寒そうにしている子もちらほら。気を取り直して、ゴール地点を目指します。川幅が更に狭くなっていき、石や岩にも変化があり、源流に近づいていっている感じが! 川の中を歩いたり、冷たい川の中で待つという慣れないことを1時間半ほどもしてきたので、足に疲れがきたのか、何もないところでよろめいたり、転んだりする子たちも出てきました。それぞれ気を張って最後まで歩くことに。
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16:20頃、最後の難所である、丸太でできた堰堤が目の前に! 第1関門の堰堤より少し低く、足をかけるところがあったので、躊躇なくチャレンジ。今更、濡れることを厭いませんが、手をかけた丸太が滑りやすく落ちそうになり、なかなか自分の体を引き上げられない子も。
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全員 どうにか堰堤を越えたそこは、今回の最終目的地!! スタートから2時間弱で、皆 無事に辿り着き、お約束の記念撮影。水遊び場でばちゃばちゃした後、寒かったので、すぐに道路を歩いてセンターまで帰りました。渓流の水の冷たさ、透明さ、川の雰囲気を体感し、不安定な足場や急流など遭遇する様々な状況を工夫しながら乗り越え、最後までやり抜いた学園生たちは、楽しかったし達成感があったと話していました!

お風呂に入って温まり、少し早めの夕食を食べたら、午後7時から開演する”うるぎふるさとコンサート”の会場 文化交流センター ぶなの木 へ車で行きました。新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーによるクラリネット五重奏に、一瞬のうちに引き込まれていった学園生たち。

演奏された曲は、ウェーバー作曲 クラリネット五重奏曲・A.シュライナー作曲 immer kleiner・ボロディン作曲 ノクターン(弦楽四重奏)・久石譲作曲 『summer』『天人の音楽』など。学園生たちは、immer kleinerを聴くのは初めてではありませんでした。4月末に名古屋フィルハーモニー交響楽団メンバーによるクラリネット五重奏を聴きにいった時に、耳にしているのです。楽章ごとに、管を外していき、一番下の管を外して吹いて、その次の管を外して吹いて…、最後にリード部分だけが残り、そこだけで吹いて終わるという曲。クラリネットがだんだん小さくなっていくという不思議な、見て楽しむこともできる曲だったので、子どもたちはすぐに思い出したよう。最後にどうなるかを知っているので、皆 にこにこしながら聴いていました。新日フィルメンバーの方たちは、ジブリの映画音楽を演奏する機会も多いそう。子どもたちも知っている曲が演奏され、聴き入っていました。

良い音楽に触れ、素敵な時間はあっという間に過ぎました。アンコールでは、名探偵コナンのメインテーマを演奏してくださり、目を輝かせながら手拍子していた学園生たち。大きな拍手でお送りし、 子どもたちも会場を後にしました。帰園してからは、現実に引き戻され、大急ぎで掃除をしてから就寝。

19/07/16

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