1月12日
1月12日(日)は、雪の活動を予定していましたが、センター周辺には全く雪がなく…。そこで、小正月が近いので準備をすることに。売木村では1月14日から16日までを小正月またはモチイといいます。モチイというのは旧暦でいうモチの日のことで、月の十五日・満月の日のこと。欠けたところのない満月のように、豊年満作の年になるように、その年の最初の満月の日・モチの日に豊作を祈るところから、百姓の正月ともいわれるようになったといわれています。学園生たちはまず、売木の伝統文化を記録してあるDVDを見て、小正月の準備や御飾り・オタッシャギ・イナホとモチバナ・繭玉・モチイの年取りなどについて学びました。そして、13日までの都合の良い日に作るという小正月の御飾り「ハザ」を、作ることに。
初めに、5日にしておくはずだった松納め(松こかし)をしました。ハングリ様に縛りつけていた松を外しました。
それから、この日 作るのはハザで、どんなものなのかはDVDで見て知っていたのですが、小正月を明後日に控えているので近所に実物があるのでは?と、偵察にいくことに。ありました! またもや村長さん宅のお庭に。学園生たちに、これから作るものが視覚的にわかりやすく伝わりました。村長さんは丁度、外でオタッシャギ作りの最中でした。オタッシャギとは14日早朝のお墓参りにたくさん持っていき、親戚のお墓や集落のお墓などにも2枚1組にして供えるものだそう。フシノキを裂いて短冊状にし、2枚を1組として、1枚に十二月と書き入れたり、家によっては屋号なども書き入れたりするそうです。
センターに戻った学園生たちは、松納めで一度倒した松の、3段あった枝を1段に落としたり、下部を少し切りつめたりすることに。順番にのこぎりを使い、枝を切り落としていきました。これは、一度使った松を新しくするという意味があるそう。そして、切り直して新しくなった松をハングリ様に縛りつけました。注連縄やおやすも小正月に使うようにまとめてハングリ様に縛りました。
次にハザに使うオニギを作るため、木をみかん割りにする作業。松や雑木など割れの良い木を使うのですが、実は村長さんとセンター長が前日にフシノキを伐ってきて用意してくれていたのです。他に桜の木も。フシノキは適当な長さに切ってくださっていたので、すぐに割り始め、桜はのこぎりでオニギに適した60cmくらいの長さに切ってから割ることに。
自然に数人ずつにわかれて、作業が始まりました。桜をのこぎりで切る作業は、快調でした!
フシノキは、やわらかくて割れの良い木でしたが、節のあるところなどがなかなか手強く…。手斧や斧・ナタなどで、みかん割りにしていきましたが、それほど太くない部分は2つ割りに、太い部分は4つ割りか6つ割りに。
とにかく節には手こずり、大人も手伝ったり、
斧や手斧の刃を金槌で叩いたりしながら、少しずつ木を割っていきました。かなり長い時間をかけ、昼食前までひたすら同じ作業を続けました。
桜は湿っていたので上手く割れないものもありました。それでも、皆で頑張って割りまくり、たくさんのオニギを作ることに成功!!
ハザには、フシノキを切ってタワラに見立てたものを作って載せたり掛けたりして飾りますが、藁縄を使います。藁綯いが上手な子は、藁縄作り担当に。黙々と綯っていました。
午後はぶなの木で、2月の文芸祭で披露する演目のお稽古があったので、ハザ作りは一時中断。4時頃帰園し、活動再開。ハザ棒に見立てた横棒も設置でき、オニギ作りも終盤にさしかかりました。残っていた桜を割り終わると、フシノキと桜で作ったオニギを、ハングリ様の周りに中が見えないくらいに立てかけました。その上に、フシノキを切って皮を削ぎタワラに見立てたものを飾ったり、藁縄で括りつけて掛けたりしました。
全員で力を合わせ、小正月の御飾りのハザを作ることができました! 学園生たちは、小正月の飾りものには、たくさんの材料が必要なこと、その年の農作物が豊作になるようにとの願いが込められているということがとてもよくわかった様です。
14日の朝、オニギに「十二月」と書き入れる予定。
20/01/15