売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

5月12日

5月11日(月)、学園生たちは2回目の農家入りをしました。そして、売木小中学校は、政府の緊急事態宣言が延長されたことを受け、臨時休業期間を5月20日まで延長することに。登校日は設けられていますが、学園生たちは、農家生活中の休業日のうち平日の日中は、山留センターで過ごします。5月12日(火)も、7時半に各農家さん宅を徒歩で出発し、9時までにセンターに集まってきました。9時から1時間と10時から1時間、小中学校の先生が2人ずつ学習支援に来てくださったので、その間は何とか学習に取り組んでいた子どもたちでしたが、お昼頃からは…。そこで、センターを15時に発つのではなく、14時前に出発し、2日前にお邪魔した”売木村陶芸工房”へ。
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声をかけていただいた”お茶碗の高台づくり”を体験。全員が一つの作業台につき、説明を聞きながら作業を進めていくことに。まず、2日前に成型し半乾きになったお茶碗を逆さまにして、手回しろくろの中央に据え、動かないように粘土で4か所を固定。やはり、中心をとる作業はとても難しかった様です。
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次に、高台の大きさを決めるのですが、お茶碗の底がどこかということや広さ、腰の厚みを確認し忘れたので、各自 固定している粘土を一回 外し、道具や指先の感覚を使って確かめました。再度、お茶碗の底を上にして中心をとり、固定。どんな高台にするかは自由。大きすぎるとバランスが良くなく、小さすぎると不安定になってしまいますが、学園生たちはあまり迷うことなく決め、かきべらという道具を使って高台の外側から削り始めました。
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高台を作るというよりは、高台を削り出す感じの作業。かきべらを一か所に固定して、ろくろを回せば楽に削れるのですが、せっかくろくろが回るのに、かきべらの方を動かす子が多く…。なんだかよくわからなくなり、先生にヘルプを求める子も。
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高台の外側は、理屈的には底の少し上まで削ってよいはずなので、皆 思い切って削り取っていました。続いて、厚めに作った腰の部分も躊躇なく削っていきます。そして、高台脇から口縁にかけてのカーブを整えながら、丁寧に削っていきます。ろくろを回し、かきべらの角や面を上手く使って、削り方や削る量を変えながら、口縁から高台脇までをスムーズに繋げ、きれいな曲線になるように作業。
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真剣な表情で作業をしていましたが、削るのが楽しくなりすぎてついつい削りすぎ、大量の削りカスが出てしまう子もいました。
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厚みを何度か確認し、お茶碗側面のカーブの終わりが底に繋がったとそれぞれ思えたら、高台の内側を削る段階に。底に穴を開けないように、やはり確認しながら削っていきましたが、かきべらの使い方が上達し順調に進めているようでした。しかし、初めの底の確認が甘かったのか、底の厚みを忘れたのか、大胆に削りすぎてしまい、穴を開けてしまう子が…!! 一度 先生に補修していただき、仕切り直して再度削っているとまた、穴を開けてしまった子もいました。
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高台のデザインにもこだわることができます。幅(細くするのか太くするのか)・形(すり鉢状にするのか山切りにするのか平らにするのか)・高さ(高くするのか低くするのか)・高台脇をくっきりさせるかさせないかなど、好みのお茶碗の接地面に合わせて、かきべらを駆使していました。できたら、全体を整え、高台の内側にサインを彫って完成! 早い子は、これで終了しましたが、案の定 削りすぎて穴を開けてしまう小学生が続出…。一丁前に指で弾いた時の音で厚みを判断したり、「なんかぺこぺこしてる気がする~。」と予兆に気づいたり、他人の失敗を見たりして、用心していたにもかかわらず。結局、先生に粘土で穴を塞いでもらったり、とりあえず自分で取り繕ってから先生に手直ししてもらったりしたのでした。穴が開いた部分の補修に使った粘土が、お茶碗と同じ土ではなかったことに後で気づいた先生は、しきりに気にされていましたが、それはそれで個性的な作品になることでしょう。
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側面に模様を入れていない子たちは、全体の形と厚みを整えながら表面を削り、先生に手に取って見てもらいました。すると、見た目より重い感じがするから、もっと底の方を削っても大丈夫とのアドバイス。腰や底の方に粘土が分厚く残っていると、手に持った時に重たく感じてとても使いづらくなるそう。できるだけ均一な厚さに削ってきれいに形を仕上げると引き立つし、手取り感も良くなると聞くと「このままは嫌! もっと削って軽くする!」と俄然 作業を続ける気に。作業途中の厚みの確認がいかに大切かを実感しながら、心行くまで削っていました。
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この後の、素焼き・釉薬をかけて本焼きをする工程は、先生にお任せすることに。中学生女子2人が、納得がいくまで作業をし片づけをしてから工房を後にしたのは、16時15分でした。焼きあがりは少し先になりますが、自作のお茶碗や箸置きを使って食事をする日を、子どもたちは心待ちにしています!

20/05/15

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