6月7日
6月7日(日)、午前8時から”530(ゴミゼロ)運動”に参加しました。センターは岩倉地区に建っているので、学園生たちは時間までに岩倉集会所に集合予定でしたが、役場の方の説明が始まる時に間に合ったのは1人だけ…。時間を見て行動することや前もって準備をしておくことができていないということが露呈しました。中には、地域の皆さんがごみを拾いながら歩き始めてから、ようやくやってきた大遅刻の子も!
収集は、トングで拾う係とごみ袋を持って広げる係の2人1組で行いながら、岩倉集会所から平谷峠に向かって歩きます。新型コロナウイルス感染症対策として、密集しないようできるだけ分散し、学園生も2人1組になって、地域の皆さんに続きました。道路沿いや茂みに落ちている缶やビン・プラ系ごみ・たばこの吸い殻などを発見すると、嬉しそうに拾っていた学園生たち。しかし、例年に比べるとポイ捨てごみが少なかったようで(それは良いことなのですが)、次第に見つけることができなくなり…。
浄水場の辺りで、平谷峠から下りてきた方々と合流。収集したものを入れた袋を軽トラの荷台に載せたら、飲み物をいただきました。よく冷えたジュースや清涼飲料水で喉を潤していると、地域の方に「どこの子だい?」と聞かれ、「山留生です。」と受け答えする子も。そして、その場で解散となりました。
時間がまだ9時前だったので、すぐにセンターに戻るのではなく、新入園生はもちろんのこと継続生も歩いて行ったことがないという平谷峠まで行ってみることに。初めはごみ拾いをしながら歩いていましたが、結構厳しい登りが続いたので、次第にごみ拾いは二の次にして、峠にある広場に早く辿り着きたがる子どもたち…。少し息切れしながらも、おしゃべりしたり、オトシブミの揺籃を拾ったり、草笛を吹いたりしながら歩を進めました。
9時20分、平谷峠(1160m)にあるやまなみ広場に到着! 売木村の地図を見てから、来た道を戻ると、少し下ったところからの眺望がとてもよく、眼下には売木の集落、遠くには南アルプスが一望でき、感嘆の声をあげた子も。学園生たちの、センターまでスタスタと歩くさまからは、登下校で鍛えられつつある足腰の強さが感じられました!
センターに戻り、今度は車で南一地区のりんご農園にお邪魔し、今年度 初めてのりんご作業を体験させていただくことに。まず農園主さんに挨拶をし、農園で栽培しているりんごやこの日行う”摘果”の仕方について教えていただきました。りんご栽培というのはお休みがなく毎日何かしらの作業があるそうですが、学園生たちが体験させていただくのはほんの一部。
農園のりんごの木には、さくらんぼより少し小さいくらいの実が生っていました! 10時半頃から早速、各々ハサミを手に、作業開始。どの木でもよいので、手が届く高さの枝に生っている実を摘みとることから始めましたが、子どもたちが着手した品種は、だいたい”サンつがる”でした。
ひとつの芽に咲いた5~6個の花は、受粉すると、幼果になり、少しずつ膨らみます。その中から丈夫で形が良く軸の太いものをひとつ残し、他は摘みとってしまう作業が”摘果”。大きなりんごを作るためには欠かせません。ほとんどは中心果を残して、周りの幼果を取り除きます。すると、残した幼果に養分が注がれ、大きくなり色づいていくのです。
摘果はひとつひとつ手作業で行うので、大変な作業ですが、りんごを栽培するうえで最も大事な作業のひとつだそう。ハサミで摘みとらなくても、軽く触れただけで落下する幼果もあり、残すべき幼果を選ばなくてもよいものも。「なんか、楽しい!」と言いながら、ハサミの小気味よい音を響かせる子たちもいました。
30分ほど経ったところで、「休憩。おやつにしよう。」と農園の母さん。お茶にしようというわけですが、暑いだろうとわざわざカップアイスを人数分買ってきてくださったのでした。木陰に入り、一人一個ずつアイスクリームをおいしくいただきながら休憩。冷たくて甘いものを摂り、幸せな気分になった子どもたち。農作業する人々がとる お茶休憩という習慣も体験させてもらえました!
その後、小一時間ほど摘果作業を続けました。手が届く範囲の作業だったので、苦しい体勢で行うことがなく「楽しい!」「いつまででも続けていたい!」と言う子たちもいたほど。一方、まだまだ手が届く高さの枝の摘果が終わっていないのに、うろうろしたり、脚立にのぼって高い場所の作業をしてみたりしていた飽きっぽい子は、長続きせず…。中には、摘んだ幼果を口に含み、「渋い! まだおいしくない。」と騒いでいた子たちも。
正午を過ぎたので「そろそろ終わりにしよう。」と農園主さん。長くない作業時間でしたが、ひとつひとつ手作業で行う大変さは十分にわかった学園生たち。感想や体験させていただいたことのお礼を述べて、農園を後にしました。
お昼ごはんは、子どもたち待望の”流しそうめん”でした! つゆを入れたお椀とお箸を持ち、流れてきたそうめんに、歓声をあげながら、つるつるっと食べていました。
お箸で上手く挟むことができず、初めはかなりとり逃していた子もいましたが、だんだんとズルすることを覚え、お箸を立てて引っかけてとったり、すくいとったりして食べる子たちも…。
右利きにもかかわらず、流れる方向の左側を陣取っていた子たちも、ようやくとりにくさに気づき、ポジションチェンジ。構えておいたお箸にそうめんを引っかけたり絡ませたりして、大量にとれると、おいしそうにすすっていました。
しばらくすると、レタスや薄切りのきゅうり・鶏肉などが流れてきて、大喜び。
その後、流れてきたミニトマトに皆 苦戦。どうしても挟めず、何度も何度も流してもらい、ようやくひとつをお箸でつかんで口の中へ入れると「あ~、やっと食べられた!」と安堵する子も。そして、白玉だんご、続いて缶詰フルーツやゼリーなどが流れてきて、もうひと食べ。開始から一時間以上 皆、楽しく、よく食べました!!
片づけの時には、お決まりの激しい水遊びに発展し、子どもたちから歓声とも悲鳴ともつかぬ声があがっていました! しまいには全員、濡れ鼠に!
午後3時半からは、選択活動をしました。選択肢は、”渓流釣り”と”ふきの砂糖菓子作り”。4人ずつにわかれ、活動開始。釣り班は、準備をして岩倉川へ。
ふき班は、試作品の砂糖菓子を試食し、「ふきの味がする~。」とか「甘くて、おいしい。」とか言いながら、これから作ろうとしているものを確認。そして、ふきを採りに行きました。センター周辺で、鎌を手に、一人一握りから二握りくらいを刈り取り。良さそうなものを探して草むらをどんどん進んでいきます。葉も食べられますが、今回は使わないので、葉柄と葉に切り分け、葉柄だけを持ち帰りました。刈り取ってきた量はまちまちでしたが、合わせると、作る予定の3倍ほどありました。
採ってきた葉柄をそれぞれ、厨房の流しで洗い、まな板の上に置き、塩をふって板ずりするというあく抜きを施しました。きゅうりの板ずりなどをしたことがある子は、手際よくやっていましたが、初めての子は、適量の塩というのがわからなかったり、力加減が今一つだったり。
大きな鍋に張った水が沸いたので、ふきの葉柄を沸騰したお湯で茹でました。すると、鮮やかな緑色に! 後で追加加熱するため、茹で具合はかためにし、ざるにあげて冷水にさらしました。
それから、筋のある皮むき。太い方から、まずは一周ぐるりと2~3cmむき、たこ足のようにむけた部分をまとめて掴んで、一気に端までむくのです。皮むきをしてみて初めて、大きな鍋を使って、ふきを切らずに長いまま茹でた理由がわかった学園生たち。短く切ってしまうと皮むきをする本数だけが増えてしまいます。一本一本むくのはとても手間がかかりますが、シューっとむけると爽快感があるので、学園生たちは黙々と楽しんでいました。
下ごしらえしたふきを包丁で4㎝の長さに切りそろえ、少し食べてみた4人は異口同音に「苦い!」と。そこで、入浴する間、ふきを水にさらしておくことに。
お風呂に入る前に、この後の手順を確認し、ふきの重量を量り、グラニュー糖を計量するところまで済ませておきました。たくさん作りたいと言うので、予定の倍のふきを使うことにすると、お砂糖はなんと300gも使用することに!
午後5時頃、釣り班も帰園。釣果は5匹で、小5女子とセンター長がイワナを2匹ずつ、小6女子がハヤを1匹、男子はボウズ…。前回、自分のレインスーツを何度も釣ったり、何度もアタリはあったのに魚は釣れなかったりした女子たちは、リベンジを果たし、満面の笑み!
釣果があった子は、自分で魚の下処理にも挑戦! イワナは背開きに、ハヤは内臓を出してから、唐揚げにしてもらい、夕食で味わいました。念願叶って釣りあげた魚の味は、一際おいしかったことでしょう。
ふきの砂糖菓子作りの続きは、夕食や掃除と並行して。鍋にふきを入れ、グラニュー糖のうち120gを加えて、落とし蓋をして弱火にかけました。
時々様子を見ながら、水気がなくなるまで弱火で煮詰めて、2回目のグラニュー糖100gを投入。落とし蓋と鍋蓋の両方を外し、水分を飛ばすよう且つ焦がさないように注意しながら、さらに弱火で煮詰めます。真っ白で小さい泡が少し茶色がかってきたら火を止めるので、目が離せない状態。真っ白で小さい泡が立ってくると、変化を見逃さないよう真剣に観察していました。
火を止めると、先に用意しておいた 化粧としてまぶすためのグラニュー糖80gが入ったビニール袋に、煮詰めたふきをお箸で入れ、袋の口を閉じて振り、網台の上に手早く広げました。
そして、急冷させるために、交代しながらうちわで扇ぎました。
就寝時間の30分前、キラキラしたふきの砂糖菓子が完成!!
もちろん味見をしてみました。感想は「甘すぎっ!」「甘くて、苦い!」「もうちょっとかたい方がよかったかな。」「太っちゃうね。」等々…。皆には、翌日にでも試食してもらったり、これからの休日のおやつに出したりする予定。
昔から売木村の人たちは、田植えが終了するとふきを採って農休みの料理を作ったのだそう。この辺りにたくさん生えている山菜のひとつであるふきのあく抜き方法や調理法など、先人の知恵や工夫を知ることができた活動になりました!
20/06/10