9月20日
4連休2日目の9月20日(日)は、”歩く活動”を計画していましたが、新型コロナウイルスの影響や天候で計画どおりにはいかなくなったので、歩くコースを変更。2学期になって、売木村の高森山・平谷村の高嶺山と近隣の山を登ったので、もうひとつ 阿南町にそびえる丸山も登ってみることに。丸山登山道までのアクセスが長かったので、実際には長距離歩行と登山の要素をあわせた”歩く活動・丸山登山”という活動になったのでした!
服装や持ち物を整え、出発しようとした時、雨が降っていたので、レインスーツを着用。予定より少し遅れ、センターを出発したのは9時5分前…。雨のため、気乗りしない子もいましたが、熊よけの鈴を鳴らし、おしゃべりしたりどんぐりを拾ったりしながら歩きだしました。継続生でも「この道、今まで歩いたことがなかった。」という岩倉ダム湖北岸の道を歩き、3km地点の力石橋を通過し、長下地区に入り、阿南町鈴ヶ沢に抜ける峠方面へ。遅くても時速4kmくらいのペースで歩くことを打ち合わせていたので、思いのほか長く続く1.8kmの坂をだらだら歩くわけにはいきません! しかし、「峠のてっぺん、まだ?」「休憩したい…。」と弱音を吐いたり、歩を緩めたりする子たちも。
5.2km地点である峠のてっぺんで、少し休憩。汗を拭いたり、水分や糖分を補給したり。レインスーツを着て1時間強、だらだら坂を上ってきたので蒸れて暑かったものの、まだ雨は降り続いており、脱いで半袖シャツにはなれず。
今度は1.4kmの坂を下り、林道うつぼ売木線を平谷村うつぼ方面へ歩いていきました。すると、たわわに実った”やまなし”の実が!! 現在栽培されている日本なしの原種と言われていますが、硬くてじゃりじゃりしており、甘くもなく食用には適しません。「おいしいものではないけれど、食べてみる?」と聞かれた学園生たちは、「食べる!!」と即答し、むしゃむしゃ…。「酸っぱい!」「ちっちゃいなしみたいだけれど、全然違うね。」との感想。まだ開いていないアケビなども見つけながら前進。
鈴ヶ沢沿いに1kmほど歩くと、ほぼ予定どおり11時10分前に”丸山登山道”の看板がある所(センターから7.6km地点)に到着。そこから山頂(元丸山高津神社)まで2.1kmと書いてあり、頂上近くには”巨石群”があるとのこと。標高約950mから1,486mを目指します!
いよいよ登山だと意気込んで歩き始めた学園生たちでしたが、丸山高津神社まではほぼ舗装道路が続きました。道幅はあるものの結構な斜度の上り坂! 皆 だんだん口数が少なくなっていきました。
頂上にあった神社を麓に移したと思われる”丸山高津神社”に、登山の無事を祈ってから登山道を登ることに。14日の高嶺山登山での歩きぶりや体力などから並び順を決め、センター長を先頭に一列縦隊で登り始めました。
全員で登頂できるように考えて、良いペース配分で進んでいきます!
標高差530~540mくらいの登山なので、1時間ちょっと頑張れば…という気持ちで歩きだした子どもたちでしたがすぐに、いきなりの急登に苦しめられました。
高山ではないからと甘く見ていたことを反省したり、「こんなに大変だから、神社は山の下の方に移されたのかな?」と考えたりする子たち…。凄く息があがってしまい、皆のペースから遅れがちになる子も。
まだ半分にも到達していなかったけれど、小休止を挟んで水分補給したり、衣服の調節をしたりして、集団がバラバラになってしまわないようにし、何とか少しずつ高度を稼いでいきました。途中、”熊穴”という岩の隙間がありましたが、熊は入れそうにない大きさ。息苦しかったようで、ちらっと見ただけで素通りした子どもたちでした。
登山道の看板から小一時間登った標高1,300mを過ぎた辺りには、ロープが設置された急斜面も!!
一人ずつ、ロープを頼りによじ登り、その先もロープが張ってある馬の背のような所を慎重に登りました。予想以上にハードだったようで、おしゃべりをしたり会話を楽しんだりできる子はいませんでしたが、足元ばかり見ながら必死で歩くので、所々に生えているきのこや落ちているどんぐりなどに気がつき、楽しんでいた子も!
正午近くになって雨も止み、レインスーツを脱いだ子もいましたが、笹の藪漕ぎの状態になり、濡れてしまいました…。巨石群の辺りまで到達すると、「ここが、きょいしぐん?」と聞く子がいて、「きょせきぐんでしょ!」と訂正される一幕も。
苦しいのを我慢して一歩一歩足を前に運んだり、顔を真っ赤にして登り続けたりし、相当くたびれた様子の学園生たち。空が近く感じられるようになり、指導員が「もうちょっとだよ。」と励ますと、またもうちょっと詐欺が始まった…と思いつつ、頂上を目指す子もいました。
ふと振り返ると、少し展望のきく地点があり、歓声をあげていた子たちも!
頂上まで本当にあと少しとなり、自分たちの背丈より高い笹原の中をかき分けながら夢中で進みます。
突然視界が開け、そこが頂上でした。12時7分 「やっと着いた~!」と喜びの声をあげた子たちもいれば、声も出ないほど疲労困憊でへとへとの子たちもいましたが、どうにか全員でピーク(1,486m)を踏むことができました! 昔はここに丸山高津神社があったそうで、一般的にはここを丸山山頂としているので、記念撮影。達成感に浸りながら納まる子、何とか笑顔を作る子、立っているのもやっとでまだ肩で息をしている子も…。
頂上付近は低い笹原で、ほとんど刈られておらず、腰を下ろせる場所が思いのほか狭かったのですが、すぐにお弁当タイム! 雨が止んだのは幸いでした。倒木をベンチ代わりに腰掛け、少しだけ展望が得られる南の方を向いて食べたり、そのまま腰を下ろし、猛烈にたかってくる虫と格闘しながら頬張ったり。りんごの丸かじりもし、エネルギーチャージ完了した子たちも。
学園生たちは食休みをし、丸山の本当の頂上(1,484m)にある三角点を探そうとしたり、下山に備えて野外排泄をしたりしていました。
晴れていたとしてもそれほど眺望は良くない山なので、13時10分頃 下山開始。下りに苦手意識を持っている子たちが列の前の方を歩くように順番を変え、一行は笹薮の中へ。
数分下り、巨石群付近に。列の後ろの方を歩く4人を、大きな岩の上からパチリ!
巨石の上に乗ってみた4人を下から撮影。
こんな急斜面を先ほど本当に登り続けたのだろうかと思うような登山道を、今度は下り続けます。息苦しさはないけれど、気を引き締めて歩かないと怪我をしてしまいます。
かなりの急斜面を下っている時に、登った道がいかに急だったかということに気づいたという子も。登りの時は皆、苦しくてしゃべることもできなかったのは当然だと合点がいった様。
案の定、滑ったり尻餅をついたりしながらも慎重に下りていくと、ロープ柵が設置されている所へ。手すりではないので掴まないで下りるべきでしたが、あまりに傾斜が大きいので つい頼ってしまうほど…。
ロープが垂らされているか所も通過。「怖い…。」と言いながら恐る恐る下りていき、ずるっとなって、手だけでロープにぶら下がる形になってしまった子も!
下山を始めて30分以上経ち、周りの様子もだいぶ変わってきました。膝が笑い始めている人もいたけれど、傾斜が急であることは変わりなく…。
下りが苦手だという子たちもそうでない子たちも時々、滑ったり転んだりしながら、だんだん下りの歩き方というものを体得。
下山開始から1時間ほど経ち、足への負担が大きくガクガクしつつも、瞬時にきのこを見つけては「これ何?」「食べられるきのこ?」と聞いたり採ったりして楽しんでいた子たちもいました!
何はともあれ、1時間ちょっとで丸山高津神社まで無事に下りることができました! レインスーツを脱いだり、水分・糖分補給をしたりして、あとは、センターまで峠越えを含む8kmほどの舗装路を歩いて戻ります。
往路と同様に、やまなしを食べ、峠の登りでは苦しめられましたが、一歩一歩足を前に進めるのみ。峠のてっぺんでの休憩の際、大切にとっておいたりんごを丸かじりして疲労回復を図ろうとする子たちもいました。登山・下山をした後のだらだらと続く峠の下り坂は、結構 足に負担がかかり、疲れ果てていましたが、何も知らない子に山椒の実をかむよう仕向けるという悪戯をして楽しんでいた子たちも! だまされて、しばらくの間、口の中が大変なことになったまま歩き続けていた子たちもいました。
センターのある岩倉地区まで帰ってくると、疲れた体に鞭打って、もうひと踏ん張り。黙々とセンターを目指すのではなく、最後まで、お花を摘んだり、ツリフネソウの熟してパンパンになった実を探し、触れて、瞬間的に弾けた果皮から種子を飛ばすという遊びをしたりしながら歩き続けた子たちもいました! 16時40分 全員がセンターに無事到着。登山も含めてアップダウンの激しい20kmほどの道のりを、皆よく歩きました!
20/09/25