1月31日
寒い地方の暮らしの中には、寒さや冬の自然を利用した、様々な工夫が残されています。そこで、寒の内である1月31日(日)に、厳しい冬の寒さと乾燥した気候を生かして作る保存食として、” ニジマスの一夜干し”を作ってみることに。初めに、村内の養魚場から入手した約80匹のニジマスを、さっと水で洗いました。
次に、食育指導員からニジマスのさばき方を聞きました。学園生たちは、昨年の8月末、飯田漁業組合売木支部主催の渓流釣り教室に参加し、皆で数十匹のニジマスを釣った際、幾らかさばいた経験があります。魚のさばき方はいろいろありますが、その時は串に刺して炭火で塩焼きにするため、はらわたを出す下処理をしただけでした。
しかし、今回は保存食にするため、しっかりとうろこを落とし、生臭さの原因である ぬめりや汚れ・雑菌などをとってから、はらわたを出す下処理をしなければなりません! まず、尾から頭に向け、魚の身を潰さないよう、包丁の背でうろこを削ぎ落とすようにしていく学園生たち。
やりやすいように、ニジマスをまな板に置く向きを考えて作業しようとしていましたが、包丁を握っていない方の手でニジマスを押さえるのは、ヌルヌルして押さえにくく、生臭く不愉快極まりないといった表情で、包丁を動かし、うろこをこそげる子も。
それから、ニジマスの肛門から下あごまで包丁を入れ、内臓をかき出し、血合いをきれいに取ります。
「まだヌルヌルする!」とか「グチョグチョして気持ち悪い。」などと初めは騒いでいた子たちもいましたが、次第に皆、黙って作業していました。中には、顔をしかめながら、格闘する子も!
どうにか はらわたを抜いたニジマスは、水できれいに洗います。水が冷たく、手が痛いと泣き言を言う子もいましたが、お湯で洗うわけにはいかないので、手早く洗っていました。しかし、雑に処理していたことが発覚し、指で血合いや内臓を取り除きながら、結局 長い間洗っていました。
流水で洗ったニジマスは、ボールに作った食塩水に浸けることに。その食塩水の塩分濃度がどれくらいか知るために、ちょっと舐めてみると「しょっぱい!」「海水よりも塩辛い!」と、口々に言っていた学園生たち。ニジマスがすごく塩辛くなってしまうのではないかと心配していた子も。
食塩水に浸けておく間に、学園生たちは荷物整理と部屋掃除をすることに。そうこうするうちに正午になったので、昼食を挟み、食休み…。因みに、昼食には開いたニジマスの塩焼きを食べました。
13時半から活動再開。ニジマスは食塩水に2時間半ほど浸かっていたことになります。ニジマスの下処理がいい加減だったのか、二つのボールのうち一つは、食塩水が濁っていました。
次は、ニジマスをさっと流水で洗い、キッチンペーパーで水気をよくふきとる工程。
二人一組になり、二十匹くらいの作業を担当。洗うこともふきとることも両方体験するようにしましたが、ニジマスのおなかの中までしっかりと水気をふきとるのが大変だったよう。キッチンペーパーをこまめに取り替えていました。そのうえ、内臓や血合いが残っているものも多く、
差し戻されて、もう一度洗いなおしたり、さっとではなく時間をかけて洗うことで、雑だった下処理の後始末をしたりしていました。そんなに洗ったら、おいしくなくなるのではないかと思うほど、長い間 ニジマスを握りしめて水で洗い流していた子も!
生臭さの原因になりそうなものや、少しでも残ったままだと腐ってしまいそうな内臓や血合いと、水分をよくふきとったら、爪楊枝の長さを調節しニジマスの中に渡して、おなかを開いた状態に。
最後に、厨房裏のスペースに設置した棒に架け渡した、たくさん輪を作ったタコ糸に、ニジマスを干すことに。ニジマスのえらから口にS字フックを通し、フックの先をタコ糸で作ったループに引っ掛けていきました。
二人で役割分担をして手際よく干していく子たちもいれば、ニジマスを落としてしまったり、先に吊るして のれんやすだれのようになっているニジマスに頭や肩をぶつけたりする子たちも…。丁寧に吊るすことを心がけ、全てを干し終えました!
今後の天気予報は、気温が高めだったり、雨だったり…。一夜干しの予定で、表面がべたつかず しっとりする程度まで乾いたら完成ですが、数日干して取り込むことになりそうです。かびが生えたり腐ったりしないことを祈りつつ、観察していきます。昼食に食べたニジマスと干したニジマスに、どのような味の違いがあるか 食べる日を楽しみにしている子もいました!
21/02/01