5月8日
5月8日(土)、一年間 自分が使うお茶碗(飯碗)と箸置き作りをしました。学園生たちは、午前10時の開始に間に合うようセンターを出発し、歩いて ぶなの木 へ。ぶなの木の創作室で、陶芸の先生にご挨拶をし、早速 陶芸体験!
初めに、粘土を選ばせてもらいました。瀬戸の白い粘土か、信楽の黒い粘土か。「どちらでもいい。」と言う子もいれば、先生が「黒い方は、焼くとどういう色になるかわからない…。」とおっしゃったことに面白さを感じ、黒い粘土を希望した子もいました。そして、野球ボールよりも一回り大きいくらいの粘土をもらった学園生たち。
手回しろくろの前に移動し、粘土の中の空気を抜くために、自分の手と手でキャッチボールしながら、先生の説明に耳を傾けます。ひんやりとした粘土の感触を味わいながら…。
それから、箸置きを作る用の粘土を少し取り分け、手にしているお茶碗用の粘土を右手と左手でキャッチボールのように投げて空気を抜いてから、できるだけきれいな球体を作ることに。「ハンバーグを作る時みたいだね…。」と話す子も。
陶芸には様々な成形方法がありますが、今回は手びねりの基本“玉づくり”という技法。まず、手回しろくろの真ん中に、でんと粘土を置きます。真ん中に据えつけることは、簡単そうで案外難しく、ろくろを回して中心を取ったり、真上から何度も確認したりする子もいました。
それから、粘土の中心に親指を入れて押し込むように穴を開け、底の厚さを1㎝くらいにして穴を広げていきました。底の厚みを残しつつ広げるために、ろくろを上手く使いながら粘土を押したり、道具を使ってみたり。穴が広がったら、両手の親指を中に入れて脇の粘土を上に少しずつ伸ばすようにしていきます。力加減に気をつけないと、底に穴を開けてしまったり、形が崩れたり、広がりすぎてお皿のようになってしまったりします。両手の親指と人差し指・中指で粘土をつまんで薄く、徐々に立ち上げていくように高くしていく子どもたち。
お茶碗と一口に言っても、直径や深さといったサイズ感や形に意外と種類があるもの。作りたいお茶碗の完成形をイメージできていた子は、迷うことなくちゃちゃっと手を動かしていました! 皆 熱中していたので、ようやくずっと立ったままだったことに気づき、着席。気分一新、厚みが均一になるように形を整えていきます。じっくり粘土と向き合う子もいました。細やかに指を動かし、とくと眺めてはまた、成形を繰り返し、コツをつかんだ様。そうこうするうちに、「底がぺこぺこしてるんですけど…。」「上の方が広がっていっちゃうんですけど、どうしたらいいですか?」と、先生にヘルプを求める声が! 思うようにできなくて、新しい粘土をもらい もう一度作り直したり、先生に手を入れてもらったりした子もいました。
納得のいく形にできたところで、焼くと少し小さくなるということを思い出し、(今更直せない…。)と、お茶碗を大きく作り直すことを諦めた子もいましたが、ほとんどの子がある程度満足のいく大きさと形に整えられました! それから、手を加えずそのままの口縁でも味があってよいそうですが、高さを揃えたい子は口縁を切り揃えることに。少しでも迷うと縁の形を乱してしまうので、道具を使い 慎重に切っていました。さらに、なめし皮を当てて口当たりが滑らかになるように整える子も。最後に、夢中になって文字を書いたり模様をつけたりして、お茶碗のできあがり!
切り糸を使い、お茶碗を手回しろくろから切り離しました。糸をぴんと張って一気に引き切ることに手こずる子も。そして、手をチョキにしてすくうようにお茶碗の底を持ったら、板の上へと移動。
続いて、最初に取り分けておいた粘土で、それぞれ 箸置き作り。粘土を手でこねながら、どんな形の箸置きにしようかなぁと考える子どもたち…。アイデアを練ってから取りかかり、「粘土が余っているから、もう一つ作る!」と言って、二つめに着手する子も。
動物を象ったものを作ろうと、真剣な眼差しで熱心に細かい作業をしていた子や、隣席の子に自信作を得意げに解説する子もいました。初めは何をどう作ろうか悩んでいた子たちも、だんだんとアイデアが浮かび、どんどん創作意欲が湧き、ユニークな箸置きを作ることができました。気がつけば、ほとんどの子が二つ製作!
お茶碗も箸置きも、イメージ通りに作れたという子もいれば、そうでない子もいましたが、最後は全員で片づけ。台の上に付着したり床に落としたりした粘土を、きれいに拭き取りました。
そして、この後、乾燥や高台づくり・素焼き・釉薬をかけて本焼きをするといった工程を経ることを聞きました。先生が「自分でお茶碗の高台づくりをやってみたい人は、後日 陶芸工房に来ていいですよ。」と、声をかけてくださると、数人が希望。他の工程は先生にお任せすることにし、学園生たちは焼きあがりを楽しみに待つのみ…。陶芸体験に没頭して取り組んだ12人は、12時頃、満足そうな表情で ぶなの木 を後にしました。
21/05/25