売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

5月22日

5月22日(土)午前中、英検を受けに行ったり部活動に行ったりして中学生の何人かは、センターにいませんでした。小学生とセンターに残っていた中学生は、学校の宿題をできるだけ済ませた後、翌日の畑作業に備え、草とりをすることに。手が空いた順に畑へ行き、耕起後 雑草が元気よく生えていたビニールハウスの中の草とりから着手。土中から出てくる大量のミミズにびっくりしながら、一心に草をむしっていました。前日に警戒レベル3~4の大雨が降ったので、露地の方の一部は田んぼと見まがうような状態…。ビニールハウスの中ほどではなかったけれど、ところどころに雑草が生えていたので抜くことにしましたが、基本的に雨の日は畑に入らないことが大原則だし、雨が止んでも畑の土が水気を含んだ状態のままでは畑仕事はできず、乾くまで待たなければいけません。むやみに畑に足を踏み入れてはいけない状況でしたが、仕方ありません。必要以上に歩きまわらないようにして、草を抜くことにしました。代かきをする田んぼのようになっていた箇所で、不用意に歩きまわったのか案の定、長靴が抜けなくなり、長靴から足だけが脱げ、靴下がとんでもないことになってしまった子たちも!!

草とりは、すんなりと進んだわけではありませんでしたが、翌日の準備はできました。ビニールハウスの横に、ミョウガを育てているゾーンがあり、継続生がミョウガタケに気づいたので、ミョウガタケを残し 雑草を取り除く作業も。そして、数本ずつミョウガタケの収穫体験もしてみました!

それから、釣り竿作りに移りました。今月の初めに伐り出し 干しておいた細い竹を、渓流釣りに使う竿にするので、手頃な長さに切ることから。竹を伐り出してきた時に、竿に適した長さに切っておいた子たちが多く「これくらいでいいと思う。」と言って切らず、二人だけが少し切りました。

次に、竿先にリリアンをつけることに。使うものは、数㎝の麻紐とビニールテープのみ。麻紐の先端を結んでコブを作り、その部分を竿先から少し出した状態にして、竿の先の方と麻紐にビニールテープを巻きつけて固定します。見本を示しながら、「コツは、ビニールテープを強く引っ張りながら巻いていくこと!」と、センター長。

それぞれ、麻紐とビニールテープを持ち、自分の竹竿を置いてある所へ移動。自分でリリアンをつけてみます。「コブ 作れるかな?」と不安そうに言いながらも、麻紐に結び目を作ることは皆 できました。

思いのほか手こずっていたのは、ビニールテープで巻きつけること。べたべたするのを気持ち悪がったり、しっかり固定しようとやりすぎなくらい何重にも巻いたりしていました。他の子に確認してもらいながら、進める子も。巻き終えて、竿を持ってみると、巻いたビニールテープの重みで竿先がしなる状態にしてしまっていた子もいました。全員 どうにかリリアンをつけ、とりあえず、これで竹竿は完成!

続いて、竹竿の長さに合わせて、道糸の長さを決めました。透明の道糸を見失ってしまい「ない! ない!」と慌てる子もいましたが、長い道糸を受け取ると、絡ませないように、段ボール紙で作った“仕掛け巻き”に巻きつけました。ほとんどの子は、何も言われなくても長方形の段ボール紙の長辺方向に道糸を巻いていましたが、一人だけ短辺方向に巻きつけていたので、巻き直すことに。竿と仕掛け巻きを一旦片づけ、昼食タイム…。

全員揃い、午後2時から釣りの仕掛け作りをしました。まず、釣り名人であるセンター長からレクチャーを受け、釣りの起源や種類について教わりました。来週あたりから学園生たちは渓流釣りをしますが、一番オーソドックスな、目印をつけての“ミャク釣り”を体験する予定。シンプルな仕掛けですが、渓流の流れにえさを乗せ、指先や目印の動きなどで魚のアタリを感じてあわせる(魚の脈を感じる)、コツやテクニックが必要なわりと難しい部類に入る釣りです。岩倉川の上流部で、アマゴやヤマメ・イワナなどを狙うので、それに合わせた仕掛けを作らなくてはなりません。いきなりテグスを手にしても難しいので、初めはロープを使い、釣りに使う結び方や生活にも使える結び方を練習することに。手始めに、とめ結びと本結びを身につけ、エイトノット(8の字結び)を覚え、釣りでよく使うダブルエイトノット(二重8の字結び)に発展し、繰り返し練習。ダブルエイトノットは、輪っかを作る結び方で、幾つかのやり方を教えてもらった学園生たちは初め、理解できず非常に苦労していました。しかし、形で覚えられるようになると、「できた!」「これで、あってると思う!」という声があがり始め、何度も何度も練習をして、全員がロープにはダブルエイトノットを施せるようになりました!

いよいよ、実際にテグスでダブルエイトノットをする段階に。午前中に準備した道糸の一端にダブルエイトノットを2つ作ることに。「えっ?どういうこと?」「意味がわからない。」と騒ぎ始め、口々に「こんなの無理!」といらついたり嘆いたりしていた学園生たち。先ほど練習したロープでは何とかできたものの、細くて非常に見えづらい道糸では全く思うようにできず。ロープと道糸では感触が違ううえ、手先を器用に使えないと歯が立たず、皆 大苦戦! しばらくすると「できた!」「たぶん、できたと思う。見て!」と言う子がちらほら…。「あ~、もうちょっとだったのに!」とか「あぁ~、もうっ!」と言いながら道糸と格闘する子たちもいれば、叫びだしたくなるのを堪えながら、結べそうになっても滑る道糸に何とか自力で結びを施そうと黙々と取り組み続ける子たちもいました。

もう一度ダブルエイトノットを覚え直す羽目になった子もいましたが、それぞれ我慢強く取り組んでいたので、「できた!」という弾んだ声も少しずつ聞こえてくるようになりました! できたら、道糸のもう一端に、同じくダブルエイトノットを1つ作ることに。先ほどよりも小さい輪っかを作るように8の字結びをしなければならないので、やはりわけなくできた子は少なく…。時間はかかったものの、ここまで自力でできた子もいましたが、全員で次の段階に進むために、大人の助けを借りたり、やり直してもらったりした子もいました。

次に、ハリスが配られました。道糸よりさらに細いハリスの針がついていない側に、ダブルエイトノットを施すことに。難易度が上がった感はありましたが、することはこれまでと同じ。どうにか自分の力でやろうと、皆 目を凝らしながら真剣に挑戦。配られた針にはかえしと呼ばれる 針先の向いている方向と逆の方向に尖った部分があり、えさが落ちたり釣れた魚の口から外れたりするのを防ぐ役割があるものの、釣り針が皮膚に刺さると厄介。もし皮膚に刺さった場合には・・・という想像しただけで痛い話を聞いた後だったので、恐る恐る手を動かしていた子どもたち。それもあって、手間取ったり、心を落ち着けてから何度もチャレンジしたりしていました。ようやく結びを施して、かえしがついている釣り針が手に刺さらないよう気をつけながら、道糸の一端に1つ作った輪に、ハリスに作った輪を通して針をくぐらせ、道糸とハリスを繋ぎました。中には、道糸のもう片方の端に2つ作った輪の方に、ハリスを繋いでしまい、やり直した子もいましたが…。何とか全員できたので、ハリスと道糸を繋いでできた下から3つめのコブの少し上に、錘のかみつぶしをつける次の段階に進みました。歯で上手く鉛をかみつぶすことができず、「歪んだ~!」とか「錘が動くんだけど…。」などと言いながら、修正する子たちも。最後に、道糸に目印をつけました。渓流で釣りをする時に道糸の位置やアタリを確認するため、2㎝ほどの矢羽根の形をした蛍光カラーのものを引っ掛けることに。これは、皆 簡単にできました! 完成したばかりの仕掛けを、釣り針の方から、名前を書いた仕掛け巻きに巻きつけ終えた時には、午後4時30分になっていました…。

この様子では、釣りに行って仕掛けが切れたり作り直したりしなければならなくなった時に、自分でできなかったり、何時間もかかり 釣る時間がなくなったりしてしまうことは明白。それぞれ、もう少し練習が必要そう。とりあえず一人1セットの仕掛けは完成しましたが、竹竿に仕掛けをつけたり、竹竿から仕掛けを外したりする方法を知らないので、教わりました。午前中に作った竿先のリリアンに、自分で仕掛けをつけ外しできなければ、釣りはできないわけです。実際には、道糸の端から2つめの輪に通して作った道糸の輪の中に、竿先の麻紐に作ったコブを通し入れ、ゆっくりと引き締めればセット完了。また、仕掛けを外す時には、道糸の先端の小さな輪を引っ張るだけでよいのです。わかりやすいようにと、ロープで模して拡大した竿先リリアンと道糸を使っての説明を、学園生たちは手品でも見るように目を見張りながら聞いていました。その後、どことどこを持って、どの向きに引き締めればよいのかを考えながら練習し、一人でできるかどうか、センター長に見てもらいました。一応、全員できたのですが、これもロープと道糸では、感触も見えにくさも全然違うので、実際にはすんなりとできないと思われます…。これで、準備はだいたい整ったので、学園生たちは渓流釣りを楽しみにしています!

21/05/28

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