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売木村の山村留学ブログ

5月29日

5月29日(土)、学園生たちは各自 荷物整理をし、布団を干し、皆で部屋の掃除をしてから、畑作業と渓流釣りをする予定でした。しかし、ちんたらしていたようで男子部屋の掃除が一向に終わらず…。結局、全員で畑作業に取りかかったのは、11時。

作業内容は、じゃがいもとさつまいもを栽培しているエリア以外の全面に、畝をたてマルチシートをはること。先日、連日の雨の後に強行したさつまいも栽培用の畝作りでは、骨が折れたので、今回はもう少し土が乾いた状態でできたら良いなと思っていたところ、木曜日にはしっかり雨が降ったものの、前日の金曜日は良いお天気でした。しかし、残念ながら、期待したほど畑の土は乾かず…。そのうえ、結構カチカチになっていたので、子どもたちが部屋掃除をしている間に、センター長が耕運機をかけお膳立てをしてくれていたのでした。平鍬・鋤簾・シャベルなどを一本ずつ手に、畑へ移動した学園生たち。まず、二人一組を作り、畝を一本たてることに。一畝だけ高めに作ることにし、あとはひたすら平畝作り。畝幅を測って立てた4本の棒の内側に、外側の土を鍬やシャベルなどですくうように寄せていきます。これまで、高畝しか作ったことがないので、つい土を盛りすぎてしまう子たち…。

見た目以上に、土が水分を含んでおり重かったのですが、皆 高畝作りを経験済みなので、今までに習得した鍬さばきで、わりとスムーズに土を寄せ上げていました! 棒と棒を見通した線が畝作りの目安となるのですが、違う棒を結んで作業していたため、隣りの畝とぶつかり、「えっ?おかしい。」と首をかしげるペアも。また、土はほとんど盛らなくてよいものの、畝が途中から曲がってしまったり、畝幅が広くなったり狭くなったりと苦戦する子たちもいました。

土を寄せ上げられたら、真ん中に鍬で深めに溝を掘り、化成肥料を施します。適量というのが難しいようで、「これくらいかな?」と相談しながらパラパラと肥料をまいていました。

肥料を施した溝に土を戻したら、見様見真似で鍬を巧みに使い、表面を均していました。曲がりなりにも二人で1本の畝を作り、多少手直しされた後、マルチシートを被せる段階に移行。しかし、二人でマルチを緩みなくはることは難しいので、隣りに畝をたてているペアと協力することに。

マルチのはり方のコツは既に学習済み。畝をまたいだ低い姿勢で、畝とマルチの中心を合わせつつ、マルチを引きのばしながら後退っていく役割・長靴でマルチの端を踏んで引っ張った所に鍬で土をのせていきながら後退していく役割・三人の動きを見ながら指示を出したり、のせた土を踏み固めたりしていく役割というふうに、四人一組で力を合わせて進めていきました! きつい体勢で後ろへさがっていく役を担った子は、盛んに「腰が痛い…。」と言い、マルチの両端を土で押さえていく役の子たちは、長靴で踏んで引っ張る力が互角でなかったり、同時に後退していけなかったりして、マルチに斜めのシワをたくさん寄せてしまい…。なかなか息を合わせられず、ゆるゆるにマルチを被せてしまった子たちもいましたが、手際よく、マルチがぴんとはられた畝に仕上げた子たちもいました。

全部で14本の畝を作る予定でしたが、作業開始が遅れたうえ、1本作るのに大変時間がかかった子たちもいたので、7本め以降の平畝作りは初めに決めたペアを解消。動ける子から、土を寄せ上げたり、溝施肥をしたり、畝の土を細かく砕いたり、畝の表面を均したり鎮圧したりといった指示された作業を進めていきました。あと数本の畝にマルチをはるだけの状態になった時、時間は13時前でした…。そこで、残りの作業は、急ピッチで及第点のマルチはりができる継続生4人に任せ、他の子たちは使った道具の片づけと昼食の配膳へ。
十数分後、畑にはマルチシートを被せた畝が整然と並び、苗が揃えばいつでも定植できる状態になりました!

昼食・食休みの後、14時半から学園生待望の?渓流釣りに挑戦することに。渓流釣りをするのに相応しい服装に整え、MY竹竿を持ち、センター長から幾つか心構えや注意事項を聞いていた学園生たちは、好奇心に満ちた表情をしていました!

それから、釣りに行く準備として、先日つけた竿先リリアンに、同じく先日作った仕掛けをとりつけました。ロープで何度か練習し、習得したはずなのですが、実際に麻紐と道糸を繋ぐことになると、案の定「できないよ~。」「どうやるんだったっけ?」「やり方、忘れちゃった…。」と情けない声が…。わからないと言う子はもう一度教えてもらい、できないと言う子は大きく目を見開いて、手先の繊細な作業に集中して取り組みました。他人にやってもらった子もいましたが、しばらくすると全員が竿に仕掛けをセットできました!

逸る気持ちを抑えながら、すぐ近くを流れる岩倉川の傍まで移動。教えてもらったばかりの、竿を自分の前に構え、針がぶらぶらしないように持って歩く方法で、林の急斜を慎重に下りていきました。案の定、木の枝葉に仕掛けを引っ掛け、急に立ち止まると、後ろの子にぶつかられたり、針で自分を釣ってしまったりする子も…。どうにか皆が下りたら、竿を立てて持ち、釣り針にエサをつけることに。今回使うエサは、ブドウ虫。虫が苦手な子たちにとって、ブドウ虫の体にそって針を通すことはおろか、触ることもきつい様でした。結局、人頼みにした子もちらほら。

全員固まって釣るわけにはいかないので、魚がいそうなところに散り、各々糸を垂らそうとしましたが、そこここで、早速、道糸を絡ませたり、木々の枝葉に引っ掛けたりと、川に仕掛けを落とすことすら難しい様子。しばらく格闘の後、助けを求めた子もいれば、自分で何とか釣る態勢にできた子もいました。

15時半頃、実はあまり魚が好きではないという継続生が立て続けにイワナを釣りあげました!! かわいらしいサイズとそこそこの大きさのもの。一人は、木や地球を釣ったり枝葉に引っ掛けたりするばかりで、全く釣れなかった昨年の渓流釣りのリベンジを果たそうと意気込んでいた子。この後もイワナをさらに2匹釣り、そのうち1匹はよく太った21㎝もある大物だったという奇跡のような展開に!! もの凄く嬉しくて、つい、叫んでしまったそう。釣れたことに気をよくして、釣りが好きになったのだとか。

しかし、他の子たちは教わったように、仕掛けを流してみたり、魚の気持ちになって魚がいそうな場所を探し、釣る場所を変えてみたりしていましたが、そう簡単には釣れません。魚影が見えたり、アタリがあったりはしたようですが…。

15時40分に、昨年もそれなりの釣果を出した継続生が立派なイワナを、その数分後に、人生初の釣りに挑んでいた新入園生がかわいらしい小さなイワナを釣りあげました! 「超楽しい!」と満面の笑みを見せたり、嬉しくて楽しい気持ちになったりしていました!

周りの子たちが釣れだし少し焦っていたという、渓流釣りは初めての新入園生も粘った甲斐があり、16時20分頃 アタリを感じあわせた瞬間、釣れたことを確信。竿をあげると、イワナが!! 白い歯がこぼれました!

予想通り、根掛かりしたり、頭上に枝葉を広げて生え重なる木々に仕掛けを引っ掛けたりしている子たちもいました。同じ木に二回も引っ掛け、仕掛けを切る羽目になったり、木の枝葉に引っ掛けてしまった仕掛けを取るのに躍起になり、釣る時間を無駄にした挙句 仕掛けを作り直してもらったり。オマツリしたり、「エサを食い逃げされた!」とか「釣れたと思ったら、枯れ葉だった!」などと騒いだり、手から竿を離し流してしまい、拾うのに苦労したりしていた子たちも!!

17時を少し回ったので、撤収することに。やはり、集まってくるまでに、自分を釣ったり手前マツリしたりする子たちも…。そして、竿先から仕掛けを外して、段ボールで作った仕掛け巻きに巻き取りましたが、時間がかかりました。巻き取れた子からセンターへ戻り、

見事に釣果があった子たち6名は、自分が釣った魚をさばくことに。この日釣れたのは全てイワナでした! 肛門から刃先を入れてお腹を切り、内臓を取り出し、血合いに包丁の先などで軽く切り込みを入れ、手早く流水で洗い流すという処理の仕方を新入園生に教えた継続生。「うわぁ、ぬるぬるして切れないよ!」「まだ生きてる! 動いてる!」「かわいそう…。」などと口々に言いながら、継続生の手さばきをお手本に、とりあえず自分で魚をさばいてみた新入園生3人。「さばくの、楽しい!!」と言う子もいました。

どうにか内臓処理をしたら、使ったものを片づけて、入浴。その間に、食育指導員がイワナを唐揚げにしてくれ、夕食のおかずの一品として、8匹を全員で分け合っていただくことに。「尻尾の方と換えて。」とお願いする子がいましたが、口にすると皆「おいしい!」と弾んだ声をあげていました。
翌日も渓流釣りを楽しむ時間を作れそうなので、この日2時間強の釣行の釣果がボウズだった子たちは、「魚の気持ちになって、明日こそは釣りたい!」とか「他人が釣ってくれた魚はおいしかったけれど、明日こそは自分で釣った魚を食べたい!」「一匹でもいいから釣りたい!」「巻き返したい!」と心から思い、意気込んでいました!

21/06/04

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