売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

11月28日

11月28日(日)、冬の準備活動として、野菜を保存するためにお漬物作りをすることに。ミーティングの後、畑へ行き、収穫から。畑には、源助かぶ菜と白菜、小松菜・ほうれん草を残している状態でした。鹿に食べられた部分が多いほうれん草と、順次 収穫しながら食べていく予定の小松菜は、そのままにすることに。そして、しっかりと結球していないけれど、最低気温がマイナスの日が続いており、これ以上置いておいても生育しない白菜と、霜に何回かあたり、菜っ葉全体はやわらかくなったものの赤紫色になりすぎてしまった感じの源助かぶ菜は全て、収穫することにしました。

学園生たちは、自分が種をまいた列の源助かぶ菜の収穫を担当。菜の根元とかぶの境目に包丁を入れ、切り離します。手を切らないように注意しながら、下の方を切りすぎるとかぶの部分までついてきてしまうし、包丁の刃を上の方に入れると菜っ葉がばらばらになってしまうので、丁度よいところを狙います。

10時半をまわっても、朝7時に氷点下4℃と気温が低かった影響で、かぶ菜やマルチについた水気が凍っており、指先がキンキンに冷えて辛く、なかなか捗らない子たちもいました。「こんなにちっちゃいけど、とる?」と何度も聞く子もいれば、かなり大きく育っていた菜っ葉に驚きながら包丁の刃を入れていた子も。

収穫してみて、源助かぶ菜は、信州で有名な野沢菜よりも葉っぱの部分が多く、茎が短くて根元近くから葉っぱが育っているということ、言わば葉っぱを食べるお菜だということがわかった様。それぞれのペースで、包丁で一つ残らず収穫していき、虫食いが酷いものや傷んだり変色したりしている葉などを取り除いてから、かごに入れていきました。それから、二人一組になり畝に被せていたマルチシートをはがし、小さく丸めたりたたんだりすることに。もう何度か経験済みの作業なので要領はわかっていた子どもたちですが、畑の土がばりばりに凍っていたため、マルチを簡単にはがすことができず…。倉庫に鍬を取りに行き、それを使ってマルチの切れ端が畑に残らないようにしてから、協力してはがしながら巻いていました。

そして、マルチシートをはがした畝の土の中に残した 源助かぶ菜のかぶ を掘り出しました。畝の土はマルチに覆われていたので、固くはなっていたものの凍ってはおらず、等間隔に植わっているかぶをどうにか手で掘り出したり、鍬を入れてから取り出したりしていました。たくさんの側根が出ていて絡まっており、引き抜こうとしてもなかなか土から抜けず。ようやく掘り出せても土の塊がまとわりついていて、その土を落とすのも大変でした。細い根もありましたが、結構立派なかぶ(=主根)もありました!! 源助かぶ菜の菜っ葉の部分はお漬物にし、かぶの部分も食べられないわけではないので かげ干しして保存し冬の間に食べたり、やぎの冬のえさにしたりするのです。昔は、源助かぶ菜のかぶをおやつで食べてもちょっと甘くて結構いけるものだったそう。
菜っ葉もかぶも収穫し、何もなくなったので、鍬で畝を崩して凸凹を平らにし、通路だった所も軽く起こしてから、畑全体を均しました。鍬の扱いが随分上手になった学園生たちは、たくさんの野菜を実らせてくれた畑に感謝しながら、きれいに片づけることができました!

それから、収穫した源助かぶ菜をセンターの倉庫前に運び、水で洗うことに。地獄の?お菜洗いスタートです。きれいな水をはった四つの樽を並べて置き、一つめの樽の中で洗われたお菜は、二つめ・三つめの樽で更に洗われ、最終チェック機能の四つめで完璧に洗えているかどうか確認され、かごに入れられるという流れ。12人が四つの樽に3人ずつついて、洗い始めました。一つめの樽に入れる前に、もう一度傷んだ葉などがないか確認したり、菜の根元とかぶの境目で切れていないものを切り直したりする役割を担うことになった子も。

食べる時のことを考えて、菜の根元に詰まっている土や松葉などを取り除くように、開きながら丁寧に洗っていきます。収穫や畑の片づけに時間をかけすぎ、すでに正午を回っていたので、気温も高くなっており、学園生たちは、噂に聞いていた とても辛い水仕事が始まったとは感じなかった様。ぺちゃくちゃしゃべってばかりで手を動かさない子たちもいたので、3人組をかえたり担当する樽を交代したりしながら作業を続けました。樽の水が汚れたらきれいな水にかえたり、腰を折って菜っ葉に顔を近づけて丁寧に洗ったりしていると、「うわぁ! 幼虫が出てきた!」「3匹も幼虫が浮いてる!」などと叫ぶ子も。それでも、例年よりは菜っ葉に付着しているアブラムシは少ない様でした。

ほとんど無風状態で寒くないとはいえ、腕まくりをして冷たくないわけではない水に手を入れて菜っ葉を洗い続けていたので、次第に手がかじかみ「手がちゃんと動かせない…。」と訴える子たちも。それでも、自分たちの口に入るものだからきれいに洗わないと…と思い、頑張って洗い続けた子たちもいました! 洗い始めから1時間強で全てを洗い終わり、片づけて、少し遅めの昼食タイム。かじかんだ手でお箸を上手く扱えない子もいましたが、皆 ものすごい食欲でした。

食休み後、午後2時45分から倉庫内で活動を再開。洗った後、かごに立てて入れ、水切りしておいた源助かぶ菜を切る作業です。切り漬けを作るので、まな板と包丁を使い、3cmくらいの長さに切ることに。

危なっかしい包丁さばきの子はそれほどいませんでしたが、5~6cmくらいの長さに切ったり、切った菜っ葉を床に落としてしまったりと大雑把な仕事ぶりの子たちは注意されながら、とにかく、手を切らないよう気をつけて、どんどん切っていきました。

切り終えた菜っ葉全てを秤で量ることに。4つのかごに入れていたので、かごごと量っていき、かごの重さを引いて、足すことにしたのですが、秤の目盛りを正しく読むために複数人で確認したり計算したりしました。全部で、15.6kgほどありました! それを全てしょうゆ漬けにすることにし、菜っ葉1kgに対して使用するしょうゆ・ザラメ・酢などの調味料の量の目安を聞き、計算力が試された学園生たち。

次に、調味料を計量し、樽にビニール袋を被せ、切った菜っ葉を入れる役や調味料を加える役、菜っ葉と調味料を混ぜる役割などを決めて、4回にわけて漬けていきました。

しょうゆ・ザラメ・酢を大量に入れることに驚いたり、菜っ葉が全部 樽の中に入るのかどうかが心配になったり、加える予定のしょうゆを樽の外にこぼしてしまったり、調味料を適量ずつ満遍なく加えていくことが難しかったり…。最後に、空気を抜きながらビニール袋の口を折りたたみ、中蓋を置いて、その上に重石を載せ、蓋をしました。倉庫の端に樽を移動し、これから時々様子を見て、重石を軽くしていきます。倉庫には甘じょっぱい匂いが漂い、学園生たちは「いつくらいから食べられるかなぁ?」と楽しみにしていました。

それから、白菜を漬ける作業に移りました。まず、畑で収穫した後、根元に切れ目を入れ、手で半分にさき、切り口を上にざるにのせて半日ほど天日で干していた白菜3玉の重さを量りました。そして、その重さに対して3%の塩を計算して用意したり、適量の昆布や柚子の皮を切ったり、タカノツメを準備したり。材料が揃ったら、やはり樽にビニール袋を被せ、底に塩をふってから漬けていくことに。半玉の白菜の、葉側と軸側を互い違いに入れ、塩をふりました。塩担当の子は、軸側に多めにふるということを意識した良い手つきでした!

その上に、切った昆布やタカノツメ・柚子の皮を適量加えたら、またその上に白菜を詰め、塩や昆布などをふり入れ…ということを三回して、白菜を三段重ねで漬けました。ビニール袋の口を折りたたみ、できるだけ空気を抜いて、中蓋を置いた上に重石を載せて、完了! 何日かしたら水があがってくると思われますが、学園生たちは「本当に、水があがってくるの?」とか「スーパーで売っている白菜の漬物みたいだ!」と言っていました。おいしく漬かったものを食べる日が待ち遠しい様子で、片づけを終えると、午後5時になっていました。
今回は、冬の準備活動・食べ物の保存方法のひとつとして、お漬物作りをしてみました。今でこそ、冬でも野菜は流通していますが、昔は、雪に閉ざされた農山村では野菜が不足したので、春まで安心して過ごすために青菜を塩漬けにするなどして保存していたそう。売木村の多くの人たちは、今でもこの時期にお漬物を作っているので、学園でも村の人々が工夫してきた生活の知恵を実践してみたわけです。

21/12/02

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