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売木村の山村留学ブログ

2月13日

2月13日(日)は、農家入り準備や荷物整理・部屋掃除などをして、10時15分から学習室で紙すきをしました。学習室には南向きの窓があり、できた和紙を貼りつけて乾かすことができます。ブルーシートを敷き、机を出して雑巾をたくさん用意。前日に準備したミツマタの繊維と水をミキサーにかけ、たらいにそのミキシングした原料を入れました。本来であればそこに、ネリ(トロロアオイの根を砕いて採った粘液など)を加えるのですが、用意できなかったので、今回はなしで紙をすいてみることに。

まずは、葉書サイズの紙すき枠を使用。紙すき枠2セットを使いながら、順番に一人ずつすいていくことに。ミキサーにかけたミツマタの繊維と水に、もう少し水を加えて攪拌した液体(ミツマタ液)を、木枠ですくいます。木枠は、網とメッシュをのせた枠に、一回り小さい枠を重ねたもの。ミツマタ液に粘りのあるネリを入れていないので、繊維は下に沈もうとし、水と繊維は分離しがちでした。ネリを水の中に入れて繊維と一緒に攪拌すると、糸のように長いネリが縦横に広がっていき、繊維はネリに包まれて均一に分散し、また、長い時間 沈まずに浮遊するそう。滑らかで均一、強く丈夫な和紙を作るためのネリの役割はよくわかったものの、加えていないので、よくかき混ぜたミツマタ液をたらいの中からミキサーの容器でくみとり、たらいの上で学園生が持って待っている木枠に流し込む方法を採用。木枠を揺すって、繊維を均一な厚さに広げることが殊の外難しかった様。ある程度 水が切れたら、重ねていた木枠を外し、下の枠にのせていた網とメッシュを裏から押し上げて外します。

それを木綿の手ぬぐいの上にひっくり返して載せ、網を外し、その上に置いた雑巾で押して水気を吸い取りました。両手のひらに体重をかけて…。そして、雑巾を外し、そろりとメッシュを剥がします。見守っている子たちからは「おぉ~。」と感嘆の声があがっていました!

次に、四角く繊維がくっついている手ぬぐいを窓まで持っていき、貼りつけます。和紙だけを窓に転じるように、手ぬぐいの上からギュッギュッと押し付けました。面白いようにきれいにできた子も!

慎重に慎重に…。窓と和紙の間に空気を含まないようにぴたりと貼りつけ、窓に和紙を転じたら、手ぬぐいをめくりました。中には、繊維の厚さがまちまちだったり、薄すぎた部分があって欠けてしまったり、ぼろぼろになってしまったりしたものも。葉書の形をとどめていない状態の和紙を作ってしまった子たちは、ミツマタ液がまだ残っていたので、周りから促され、もう一枚 すいてみました。和紙は、そのまま自然に乾いて剥がせるようになるのを待ちます。乾燥したら、できあがり!!

続いて、男子は男子部屋に、女子は女子部屋に移動し、それぞれの部屋で紙すきができるように準備。今度は、すく方法を変えて、大きな和紙作りに挑戦です!! 準備が整ったら、前夜に作った30cm×40cmの木枠が入る大きさの プラスチックケースに、ミキシングしたミツマタの繊維と水(ミツマタ液)を入れ、手順や動線を確認してから、紙すき開始。紙すき枠は、それぞれの部屋に一セットしかないので、やはり一人ずつ体験していくことに。先ほど使用した葉書サイズより随分大きい木枠・網・メッシュを使うので、一人で作業するのは大変。皆で力を合わせ、全員が少なくとも一枚は大きな和紙を作ることを目標にしました!

男子たちにとっては、木枠でミツマタ液を上手にすくいあげたり、揺すって厚さを均一にしたりすることが難しかったのはもちろんのこと、ある程度脱水した 広い面積に繊維がくっついている ふにゃふにゃした手ぬぐいを窓に運んだり、空気を含まないように和紙をぴたっと貼りつけたりすることも難易度が高かった様。しかも、3人が紙をすいた時点で、主に男子中学生が前夜に製作した木枠が、壊れるというハプニング!! やっつけ仕事の結果が出た形となりました…。まだ4人がすいていなかったのですが、木枠を修理し直すのではなく、木枠に打った釘が外れたか所を数人で支えながらすいたり、網とメッシュだけを使ってすいたりと、暗中模索。最後には、木枠も、重ねる枠も壊れてしまいましたが、どうにか7人が紙すきを体験し、窓に和紙を貼り付けるところまでできました!

一方、女子部屋では紙をすく順番を決め、補助が必要な工程には他の子がさりげなく手を貸すスタイルで進めていっていました! 初めに、網とメッシュをのせた枠に、一回り小さい枠を重ねた 手作りの木枠で、紙すき職人さんのように、ミツマタ液をすくいながら揺り動かして液を均等に広げます。やはり、なかなか難しいようでした。適当な厚さになったら、水分を切り、重ねていた木枠を外し、網とメッシュを枠から取り外します。網とメッシュの上に薄く載っている繊維を、女子たちはひっくり返さずにそのまま足ふきマットの上に置き、その上に手ぬぐいを載せてから、ひっくり返すという風に、自分たちで考えて行っていました。

網を外した後、置いた雑巾などを使い、両手でぎゅっと押して吸水。べちゃべちゃでなくなったら、そっとメッシュをめくります。

一人で持つのは不安なのか、二人で、繊維をくっつけた柔らかい手ぬぐいを窓に運び、貼りつける子たち。そして、手ぬぐいの上から、窓と和紙の間に空気が入らないようにきちんと押さえつけ、手ぬぐいだけを剥がしました! 上手に窓に和紙を転じられると、大きく息を吐いた子も…。紙すきはちょっとやそっとで上手くできるわけではないことを知ったり、繊維の厚さを均一にすることは、一朝一夕にはできないと痛感したりした子たちもいました。しかし、主に中学生女子たちが時間をかけて丁寧に作った枠は、5人が順に使っても、ぐらついたり歪んだりすることはありませんでした!

窓に貼りつけた和紙は、乾いて剥がせるようになったら、できあがりです。何はともあれ、無事に和紙をすくことができ、和紙と一緒に写真に納まった5人でした!! 午後 農家入りをするので、お昼ごはんまでに片づけも終了。
外は雪がしんしんと降り続いていましたが、予想よりも薄い和紙になってしまったので、すぐに乾きそう。冬仕事と言われている和紙作りを、寒さ厳しい折に体験した学園生たちは、「水が冷たすぎて手が痛かった!」「楽しかったけど、水が冷たくて大変な作業だと知った。」と口々に話していました。また、売木村は和紙の原料となる植物が育つ環境であること、きれいな水に恵まれているということなどを再認識した子たちもいました!

22/02/27

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