売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

4月10日

4月10日(日)、中学3年生のSさんが2泊3日の修学旅行へ。前夜、他の学園生たちに自分が不在の間の、当番の仕事や掃除のお願いをして、朝は5時に起き、旅行の準備とヤギやちゃぼの世話をしてから車で学校へ出かけたSさん。午後5時50分には集合し、出発式。「いってきます!!」

貸切バスに乗り込み、保護者や学校の先生方に盛大に?見送られ、奈良・京都方面へいざ出発。「いってらっしゃ~い!」 法隆寺・東大寺・奈良公園・興福寺・知恩院・銀閣寺・二条城・金閣寺・北野天満宮・将軍塚青龍殿・八坂神社・清水寺・伏見稲荷大社などを訪れ、12日(火)夕方に帰村予定ですが、その後三日間は振替休業や計画休業。次に登校するのは18日(月)だそう。

一方 センターでは、休日なので7時に起床した学園生たち。朝食後、生活を仕切り直すため 休日の朝に組み込んでいる 荷物整理や部屋掃除を行い、10時30分から この日の活動“きのこの植菌”についてのミーティングに参加しました。きのこは菌類に属し、胞子で繁殖するということや、きのこ栽培の話などを聞いた後、外へ。売木村は、しいたけ栽培に大変適した気候なので、今期も“しいたけ”と“なめこ”の種駒を500ずつ打ち込むことに。まず、指導員が植菌の一連の作業を説明しながら見せ、学園生たちはドリルの使い方や作業の流れを今一度確認してから、二班にわかれ作業開始。

4人組になり、二か所にわかれました。秋から冬に伐り倒し、玉切りしておいた“ナラ”の原木を作業場所へ運んだら、まず、チョークで印つけ。先に、しいたけの植菌をすることに。原木の長さは1m程に揃っているものの、太さはまちまち。直径15㎝強くらいのものもあれば、7~8㎝のものもあり、まっすぐではなく枝分かれしている部分を含むものも。そんな原木の太さに対し、種駒を千鳥状にどれくらい打ち込むかを決めるために、6列または4列にするか、3列が適当かを考えて線を引き、約15㎝間隔に印をつけていきました。しいたけの菌が良い具合にまわるよう考え、一本に30か所程 印がついた太い原木をたくさん用意できました。

次は、椎茸栽培用ドリルで、チョークで印をつけたところに、穴を開ける作業。一般的な電動ドリルすら使ったことがないのに、それよりも回転が速いと聞き、恐る恐るスイッチを入れたり、誤って怪我をしないよう気をつけて慎重に扱ったりする子たちが多かったです。中には、ドリルのコードを巻き込みそうになったり、穴を開け終えて気が緩んだのか、先端がまだ回転しているのに危ないドリルの持ち方をしたり、無造作に置いたりしてしまう子も…。

穴を開ける深さに達するとストッパーは回転せずにドリルの先進を止めるのですが、なんだか慌てて焦り、その深さに達する前にドリルを引き抜いてしまう子も。どの子もドリルを使う作業を体験するために、班内でかわりばんこに行っていきました。ドリルを手にしない子たちは、原木が動かないようにしっかりと押さえたり、次に穴を開ける列が真上になるように原木を素早く回転させたりと、スムーズに
進むよう協力。次第に、「(刃を)まっすぐに(入れる)!!」「危ないよ!」などと、お互いに声をかけたり注意を喚起したりする姿も見られるようになりました。
その後、穴に、しいたけの菌を繁殖させた小さな木片(種駒)を入れ、木槌で打ち込んでいきました。種駒を木槌で打ち込む際には、原木の表面より飛び出ていたり、凹んでいたりするとよくないので、表面と同じ高さになるように丁寧にトントンと…。しかし、何度も打つのではなく、できるだけトンッ!と一回で打ち込むようにしていました。

一人が穴に種駒を入れていき、もう一人が木槌で打ち込むというふうにして、どんどん進めていく二人組も!!
注意深く作業したつもりでしたが、開けた穴に種駒が入っていないか所や打ち込み方がいい加減なか所がないか、担当した原木を自分たちで確認したら、指示された場所に運搬。

たくさん種駒を打ち込んだ太くて重い原木を、二人で協力して運ぶ子たちもいました。
しいたけの植菌をし終えた原木を全て 皆で運び、井桁積みにして“仮伏せ”。菌を原木に活着させ菌糸の伸長を促すため、ふた梅雨越すまで置いておくことにします。

12時半頃になったので、お昼ごはん。暑いくらいの陽気だったので、外で、焼きそばやお味噌汁を盛りつけて、食べることに。よく動いたとみえて、いつになくおかわりをするなどたくさん食べた子どもたち。

食休みをした後、午後2時ちょっと前から活動を再開し、今度はなめこの植菌をすることに。手順は、しいたけと同じですが、一本に十数個の種駒を千鳥状に打ち込むことが適当な、細めの原木に作業を施すことになったので、原木の本数は多めになりました。午前中と同様に、二班にわかれ、椎茸栽培用ドリルを使い、チョークで印をつけたところに穴を開ける作業。

初めての使用で最初はおっかなびっくりドリルを使っていた子たちも、随分慣れてきたようで、安全に気をつけながらどんどん取り組んでいました。そして、穴に、なめこの菌を繁殖させた小さな木片(種駒)を入れ、木槌で打ち込むことも、班員で協力し、さくさく進めていました。

なめこの種駒を500打ち込めたら、打ち忘れや打ち損じがないかを確認し、ドリルや木槌など使っていたものを片づけ。それから、細い原木なので一人三本ほど抱え、センター下の林の中(ほだ場)へ運びました。なめこも 菌を原木に活着させ菌糸の伸長を促すため、本来は仮伏せをしますが、今回は仮伏せをせずすぐに本伏せに。地面に直接並べる“接地伏せ”にしました。

それから、ほだ場でしいたけの収穫体験。自分たちが駒打ちをした原木から収穫できるしいたけを食べられるのは一・二年先になりますが、学園の先輩たちが植菌してくれたおかげで、本伏せをしているほだ木からは、採り頃のしいたけがたくさん発生していました! 初めて見るしいたけの原木栽培に驚き、大喜びしながら採ったり、「私、しいたけ だ~い好き! これ小さいけど、採ってもいいかな?」などと言いながら収穫したり、採る時の感触を楽しんだりする子たちも。しいたけの傘の部分の肉が厚く、縁に巻き込みがあるのが特徴の“どんこ”、特に表面に白く亀裂の入った“花どんこ”、傘が開いた状態のもので、肉が薄く扁平な形をしている“香信”といった、見た目で異なるしいたけの呼び方も覚えました!

続いて、各自 ヒノキの枝葉を林の中で折り取ることに。足場が悪い斜面で、手を伸ばして枝先を折ろうとしていると、枝を掴んだまま宙ぶらりんになったり斜面の下の方に滑り落ちていったりした子も! どうにか少しずつヒノキの枝葉を手にした学園生たちは、センター敷地内の、先ほど井桁に積んで仮伏せしたしいたけの原木の所に戻り、原木に直射日光が当たらないよう枝葉を覆い被せていきました。その上から遮光用のネットで囲み、散水。これから当番制で時々水をまいていきます。

最後に残されていた作業は、昨年 植菌し仮伏せしていた原木を“本伏せ”するため、センター下の林の中(ほだ場)へ運ぶこと。かなり太くて重い原木を率先して一人で運んだり、一度に二本運んだりする 継続生(中学生)の姿がありました!

力を合わせて運搬したり、急な斜面を往復したりして、全ての原木を運び終えると、本伏せしました! 午後3時半すぎには活動終了。きのこ類が苦手だという子たちも、活動を通して少しきのこのことを知ることができ、好き嫌いせずに食べようという気持ちがちょっとだけわいた様。収穫したしいたけを食べること楽しみにしている子たちもいました!!

22/04/19

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