4月16日
4月16日(土)の午前中、お箸を作ることに。例年 近くの竹林へ行き、お箸を作るのによさそうな太い竹を皆で一本決め、切り倒してくるのですが、今年は 整備のため間伐した材が置いてある 別の竹林から入手することにしました。足場の悪い竹林に入り、
すでに伐採され 横になっていたたくさんの竹の中から、お箸作りに適していると思われる竹稈の四~五節分を、皆を代表して中3男子がのこぎりで切りました! 枝打ちもされていたので、1m半ほどの竹を運び出し、センターに持ち帰ることに。その途中、シマヘビとテンを見かけ、興奮する子も!
まず、作るお箸の長さを決め、竹をのこぎりで切る作業から。自分の手にちょうど合うお箸の長さは一咫半と言われているので、それぞれ 一咫をさしで測り、1.5をかけて計算。だいたい18㎝と21㎝前後になる子が多かったので、二グループにわかれ、竹を二つに切り分けてから作業を進めることに。使い慣れていない子もいましたが、一生懸命のこぎりを挽き、節を含む18㎝と21㎝の筒状のものができました!!
次に、なたで竹を割る工程。なたを初めて使う子もいましたが、怪我をしないように気をつけながら、半分、その半分、またその半分というふうに割っていきました。安全かつきれいに割るために、竹の上になたの刃をあて、なたの刃の上を端材の竹で叩くという方法を用いると、スパッと気持ちよくきれいに割れ、お箸の素となる竹の棒二本の準備が完了! もとは一本の竹を皆で分け合い、自分たちの命を繋ぐ食事の時に使うお箸を作るこの活動には、この一年、ひとつのものでも皆で分かち合う様な気持ちや思いやりの心を持って過ごしていこう という誓いの意味も込められています。ナイフの使い方を聞いた学園生たちは、棒状の二本の竹を各自 ナイフで削る作業に取りかかりました。
手で持つ方より口に入る方を細くするために、多めに削らなければなりませんが、竹の厚さが手頃だったこととなたで上手に割れたことで、ナイフでそれほどたくさん削る必要はなさそうでした。丸くするか四角くするか、太めにするか細めにするかなどは、自分の好みで。中には、どんどん削っていき、気がついたら爪楊枝みたいな細さと尖り具合になっていて、使っていたらすぐに折れる心配があるので、もう一度 竹を割って棒状にし、削りなおした子も何人かいました。
自分で好きなように作るというよりは、大人にすぐ「節は何で削ればいい?」「(箸の太さは)このくらいでいいかな?」などと聞いたり確認したりする子たちも…。初めの形状からなかなか変わらないお箸もありましたが、これから毎日使うものなので、手に馴染むものを作ろうと、どの子もこだわりを持って取り組んでいました! お箸の形状に削れたら、紙やすりでなめらかに仕上げます。
長い時間をかけて、紙やすりで削って整えたり、つるつるになるように磨いたりした子たちも! 満足のいくお箸ができあがったら、持つ方に名前を書きました。きれいに洗って乾かし、この日の夕食から、MY箸を使うことに。大切に使っていきますが、使い心地が悪ければ自分で削りなおすことも作りなおすこともできます。竹が乾燥しすぎたのか、もう既に反っているお箸もありますが…。使った道具や削りカスを片づけ、一旦終了。のこぎりやなた・ナイフといった工具を実際に使い、箸作りの一連の過程を体験して、道具の正しい使い方を覚えることもできました!
続いて、11時40分頃から、釣竿を作るための細い竹を一人一本ずつ採りに行くことに。3人ずつ3組にわかれ、目星を付けていた センター近くの谷に広がる竹藪へ、イバラに阻まれたりつる植物に足を取られたりしながら足場の悪い所を下りていきました。
細くて長い できるだけ真っ直ぐな竹を目敏く見つけたら、のこぎりを使い 自分でカット。
直径2㎝にも満たない細い竹は、瞬く間に切れました! 自分の求めるものに適う竹がなかなか見つからず、「ない!」「どれにしよう…。」とさまよっているうちに、3人で行動することになっていたにもかかわらず置いてけぼりを食った子も…。何はともあれ 選んだ竹を切ったら、それを手に、やっとのことで竹藪から脱出!
近くの広場で、各自切ってきた細い竹の枝打ちに挑戦。3人組の中にいる継続生が新入園生に、節からしか出ていない枝の付け根を棒などで一振りしただけで枝を払えることを、教えたりやって見せたり。一撃で面白いように枝葉を落とせると、「気持ちいい!!」と叫ぶ子もいました!
すっきりとした竹を持って、電線などに触れないよう気をつけながらセンターへ。付近の桜が満開で、とてもきれいでした! 細い竹に記名したら、しばらく軒下に干して乾燥させることに。マイ竹竿で渓流釣りにチャレンジする日を楽しみにする学園生たちでした!
午後は、今年度の畑作業 第一弾“じゃがいも植え”のミーティング後、畑へ出ました。センター前にある畑は、既に堆肥がすき込まれ、耕運機がかけられた状態。本当なら、子どもたちが鍬で畑を起こし、苦土石灰をまいて土に混ぜ込み、堆肥をすき込むところから体験したいのですが、この日に畝たて・マルチシートはりをしてじゃがいもを植えるとなると、土づくりはそれ以前に終わっていなければなりません。というわけで、畝をたてる作業に午後2時半頃から着手。平鍬を使ったことがない新入園生もいるので畝たてのレクチャーを受けてから、学園生たちはペアを作り、とりあえず一畝作ってみることに。
じゃがいもを育てるための畝なので、じゃがいもの育ち方を考え、作る畝の幅や高さを再確認してから土を盛っていく学園生たち。しかし、何の目安もなしに、鍬を巧みに使いこなしながら畝を作ることは容易ではないので、畑の一番端に畝を作ることになったペアは、真っ直ぐに張った水糸に沿って外側から内側へと土を積み上げていく方法を採択。その横に畝をたてるペアは、張られた水糸に平行に、その隣の畝作りを担当するペアは、隣の畝に平行に…という具合に目測。継続生たちの鍬さばきを見様見真似で実践しようと奮闘する山留一年目の子たちもいました!
どうにか畝らしきものができたら、畝の中央に深さ20~30㎝程度の溝を掘りました。
そして、その溝の中に化成肥料を適量まいて土を埋め戻すことに。適量の化成肥料を偏りなく撒くことやその上にきちんと土を戻すことの難しさを感じている子もいました。
それから、畝を復元しようとしましたが、とりあえず作った所から大きくずれたり、畝が蛇行したりと難航。地道に、畝に並行して鍬で土を削りとるようにすくいあげながら後退していき、畝をたて直すことに。「暑い!」「疲れた~!」などと言って時々手を休めながらも頑張って土を積み上げたら、鍬の刃を上手く使って畝の形を整えたり、表面を均したりしました。
次に、マルチシートはり。じゃがいもの栽培では、成長に合わせた土寄せが重要なので、マルチを使わないのが一般的ですが、保温・保湿・雑草の抑制効果に期待をして、学園畑の畝には黒マルチを被せます。継続生たちが実際にお手本を見せた後、マルチをきれいにはるには3~4人必要なので、ペアごとではなく3~4人で協力して進めることになりました。
畝に被せたマルチを長靴で踏んでぴんとはりながら、鍬で畝間の土をマルチの端にのせていく役割にチャレンジした新入園生は、長靴でマルチを強く踏みすぎて破らないように気をつけたり、後退していきながら鍬で土をのせたりすることが非常に難しかった様。畝とマルチの中心を合わせながら畝をまたいで低い姿勢で後退しつつ、マルチを伸ばしていく役割や、マルチが浮かないように土で押さえていく役、風でめくれたり飛ばされたりしないようのせた土を踏み固めていく役割などをどれも体験できるようグループ内で交代しながら作業。数人の息が合わない時もありましたが、初めてにしてはどの畝にもあまりしわが寄ることなくマルチをはることができました!
続いて、じゃがいもの種芋を植えることに。まず、株間30cmを測り、マルチの中心線に棒で穴を開け、種芋を置いていきました。買ってきた種芋はメークインで、とても大きかったので縦半分に切り分け、乾かしておいたもの。種芋の植え方をレクチャーされた学園生たちは、マルチに開けた穴を少し広げ、土を10㎝くらい掘って取り出し、種芋の切り口を下に向けて植えつけ、覆土するという手順を覚えました。そして、ペアでたてた畝の両端から、責任をもって種芋を植えてみることに。
化成肥料と種芋が接触しないようにすること、種芋より上にある程度の土が必要だということや種芋を植えた所が凹まないようにすることなどに気をつけながら、一か所ずつ丁寧に植えていました! 7畝にメークインの種芋をきちんと植えつけたことを確認できたら、たっぷりと水やりをしました。
午後5時を過ぎていたので、居残り作業を買って出た3名の継続生以外は、使った鍬を近くの小川で洗い、干して終了。畑に残った3人は、種芋が二十数個残っていたので、鍬を使って畝をたて、溝を掘って溝施肥をし、埋め戻して高畝を作って整え、マルチを被せて、種芋を植えるという少し前に行った一連の作業を二畝分、手早く果たしました! 売木村の伝統野菜の一つである むらさきいも も少し植えました。夏にたくさん収穫できるよう、これから、水やりや芽欠き、草とりなどをしていきます!
22/04/23