5月2日
一週間の農家生活を体験し、5月1日(日)、学園生たちはセンター入り。11時30分頃 センターに到着するよう、逆算して各農家さん宅を出発し、歩いてきました。農家さんが衣類や靴などの荷物を届けてくださると、16日(月)までのセンター生活がスムーズに送れるよう、それぞれ片づけ。初めての農家生活について指導員に聞かれると、どの子も楽しかったと話していました! 翌日の2日(月)は、計画休業で学校がお休みだったので、学園生たちは4月29日(金)から5月5日(木)まで一週間の連休。6日(金)に登校したら、また土日で休みという まさに大型連休。
というわけで、人力田起こしをしてから10日ほど経った2日(月)の午後、代かきをすることに。午前中に、活動ミーティングで代かきの目的などを確認した学園生たちは、昼食後、脱衣場に入浴や着替えの準備をしてから田んぼへ移動。学園生たちは汚れても構わない服を着るよう言われ、支度していましたが、足元はハーフパンツ。お天気は良かったものの、風が冷たく それほど気温も上がらなかったので、半袖ではなく、長袖やレインスーツの上を着込んだ子たちがほとんどでした。
田んぼには用水路から引いた水が行き渡っていました。代かきとは、土を更に細かく砕き、水と丁寧にかき混ぜて泥にし、表面を平らにする作業。田んぼの水漏れを防いだり、苗を植えやすくし苗の活着と発育を良くしたり、肥料を混ぜ込んだり藁や雑草を埋め込んだりするために行います。学園の代かきは、自分たちの足で田んぼの中を歩き回って土を柔らかくするという人海戦術代かき!! 覚悟を決めて田んぼに裸足で入ると初め、「ひゃぁ~、冷たい!!」と悲鳴をあげた学園生たち。
隣の子の腕と触れ合うくらい、できるだけ隙間ができないよう9人が横一列に並び、田んぼ長辺方向に足踏みを開始しました。
代かきの目的をしっかり理解すると、ひたすら足の裏で土の塊を砕き、水と混ぜ、泥にしていくために、絶えず足を動かすしかないのですが、どれだけ周りから注意されても、足の動きは鈍いままおしゃべりばかりする子たちも。きちんと土の塊を砕いて水と混ぜるように、一生懸命足を動かしつつ前進する子たちと、そうではない子たちが混在し、足並みを揃えることは難しい様子でした。開始から小一時間かかり、よくやく向かいの畦に辿り着き、折り返し。
向きを変え、9人の幅分ずれて、また田んぼ長辺方向に足踏みしながら少しずつ前進。泥に足を取られてバランスを崩す子も! できるだけテンポを合わせるようにしていましたが、歩調は乱れます…。そこで、前列を新入園生の4人が歩き、後列を継続生5人が歩く形に。どんなに寄っても横一列で歩くと、どうしても隣の子と隙間ができてしまうので、前列の横隊が歩いて泥にした列の真後ろではなく、間や、まだ泥になっていないゾーンを後列の5人が歩くというふうに変更。後列の子たちがフォローする形で、しっかりと足を動かし、きちんと土の塊を砕いて水と混ぜ、泥にしていきました。
自分たちが踏んで歩き、かき混ぜた部分と、まだのところは、一目瞭然。感触も全然違います。二時間近く経ったのに、僅かしかとろとろの泥にできておらず、これまでの足の動かし方やペースのままではいつまで経っても終わらないことにようやく気づいた様。それでも、「あれっ、何かいる!!」「何、この虫?」と大騒ぎ。足元を見ると、カエルやケラがいました! “手のひらを太陽に”の歌詞でしか知らないオケラ。初めて見たという子が多く、じっと観察していました。また、アカガエルの卵と思われる 透明なゼリーに包まれた黒いつぶつぶの塊も発見!! 「タピオカみたい!」「気持ち悪い…。」などと言いながらも、踏み潰さないように気をつけながら足を動かしていた学園生たち。用水路から水を引き入れている田んぼの端の方は、水がとても冷たかったのですが、真ん中の辺りでは「ここら辺、温かいよ!」「そんなに冷たく感じない。」と言っていました。
隈なく田んぼの長辺方向に歩いたら、次は、田んぼの中を二列横隊で短辺方向に代かきすることに。田んぼの短辺を畦に辿り着くまで歩き、少し横に移動して向きを変え、また歩いて泥にしていくという単純作業を続けました。
続いて、水漏れを防ぐため、縦一列になり、田んぼの端(畦の際)を反時計回りと時計回りに二周ずつ、しっかり踏み固めながら歩きました。午後5時を告げる鐘が鳴り響いたものの、作業はまだ半ば。終わるわけにはいきません。
最後に、田んぼの表面を平らにする作業を体験。センター長が最新のテクノロジー?を駆使して作った ”スーパー代かき君”という道具をひきながら、田んぼの長辺を行き来。小学生女子は二人でひき、他の子たちは一人でスーパー代かき君をひきました!
天気が悪くなって気温も下がり、寒く感じたり足が冷えたりしている状態で、重い スーパー代かき君をひくのはとても大変だった様。また、すでに平らにした所の端についている線を目安に、まっすぐにゆっくり歩きながらひくことが難しかった様です。
午後5時半。「足の裏が痛かった。」「寒くて足が凍りそうだった。」「冷えた。」「でも、泥遊びをしているようで楽しかった。」などと話した学園生の、足による代かきを終えた田んぼは、大きな水鏡となりました。大変だったけれど、頑張った成果が目に見えて、嬉しそうにしていた子も。用水路の冷たい水で足の泥を落とし、センターに戻り 温かいお風呂に浸かって、生き返った気分になっていた子たちも! この後、田んぼは耕耘機で仕上げ、表面を均す工程も行います。田植えは、12日後の14日(土)の予定。
22/05/07