売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

5月4日

5月4日(水)、絶好の日和の中、キャンプ活動第一弾“デイキャンプ”を行いました。キャンプは初めてという子もいたので、まずは野外炊事で飯盒炊さんに挑戦することに。お昼に食べるご飯を炊くことにしましたが、失敗するのが難しいくらい、条件は整っていました! 例年は、活動前ミーティングで、新入園生向けに飯盒炊さんのいろはやマッチの使い方・火についてなど念入りに指導員がレクチャーするのですが、今回は基本的なことのみ。詳細については、昨年度 幾多の困難を乗り越えてきた?経験豊富な?継続生5名が、ペアになった新入園生に手取り足取り教える形に。くじを引いてペアが決まったら、個人装備を整えて外へ。
11時半すぎから、5つのペアが動き出しました。まず、センターの敷地内に、調理を行うためのかまど作り。穴を掘ったり、石で囲ったり、積んだレンガやブロックに木を渡したりと、いろいろな形や方法がありますが、継続生たちは飯盒を一つかけるだけなので…と説明しながら、自分で手早く組んだり、ペアの子に教えながら作ったり、ペアの子に実践させたり。どのような場所に作るのが良いかとか、風向きを考慮するとか、直火での焚き火が環境にインパクトを与えることについてもちゃんと教えていた継続生もいました! また、用意された薪はないので、燃えやすさやご飯を炊けるだけの量や太さを考えて自分たちで薪集めもしなければなりません。センター周辺で、湿気ていない、折った時にパキッと音がするような薪を探す学園生たち。湿気を帯びているものを探す方が逆に難しいくらい、何もかも乾燥していましたが、率先垂範する継続生もいれば、ペアの子に指示しながら一緒に集めていた子も。継続生の教え方のタイプは様々…。各ペアには、マッチ10本と焚き付け用の新聞紙1枚が配られることになっていましたが、どの班も杉の葉や枯れ草・枯れ葉・樹皮など焚き付けとして適しているものも集めていました。

12時20分。ペア二組がお米の準備に取りかかっていました。飯盒の内蓋・外蓋を使ったお米のはかり方、お米の研ぎ方、水加減などを説明した後、時間はかかっても新入園生にやってみるよう仕向けたり、使う 兵式飯盒のうんちくを披露したりしていた指南役の継続生たち。

同じ頃、Ssさん・Wさんペアのかまどでは、2合のお米と水を入れた飯盒の底が熱せられていました。 さくさくと懇切丁寧に、集めてきた焚き付けや薪を分けて並べること・薪の組み方・マッチの正しい使い方・マッチの火をどこにつけるかといったことを説明したうえで、Wさんに挑戦する機会を与え、見守っていたSsさん。的確な手解きを受け、Wさんは見事 新聞紙不使用・マッチ1本で火をつけ、太めの薪を足して火を大きくしていっていました! また、風向きを考えたかまどに適当な風が吹き込んでいたため、息を吹く必要はなく、あとはご飯が炊けるのを待つのみ。

大量の焚き付けを拾い集めることに時間をかけていたにもかかわらず、唯一 新聞紙を所望し、理由を聞かれて答えられず、結局 新聞紙をもらわずに火をつけることにしたペア。12時半を過ぎた頃、説明しながら火床に焚き付けを置き、囲むように細い薪を立てかけたSさんが、新入園生のRさんに、マッチの擦り方と擦った後の動きについて、模範を示していました。擦ってみたら?と渡されたマッチ箱からマッチ棒を一本取り出し、おっかなびっくり擦ったRさん。正しく擦れず、一本目は失敗。二本目も正しい使い方ではなかったけれど、火のついたマッチ棒を運よく焚き付けの中へ落とし、全てのものが乾燥していて勢いよく炎をあげたのでマッチ2本での着火に成功! 数分後には、足した少し太めの薪に火がつき、更に火を大きくしていっていた二人。

12時45分頃、Kさん・Jさんペアは重大な局面に立っていました。先生役のKさんが見守る中、新入園生のJさんがマッチを擦ったところ、風に消されたり、マッチ棒の軸に火が移る前に組んだ薪の上に落としたりして3本消費。新聞紙を使わない挑戦をしていたものの、集めた焚き付けの使い方が少ないことに気づき、惜しみなく使えるくらいの焚き付けを二人でもう一度準備することに。 同じ頃、Yさん・Nさんペアも準備万端整えて、マッチを擦るところでした。他のペアと同様、継続生のYさんが新入園生のNさんに自分の知識や経験をシェアしていましたが、マッチを擦ることをNさんが怖がったため、挑戦させずにYさんが引き受けることに。落ち着いて1本目のマッチを擦った後、焚き付けから細い薪、中くらいの太さの薪…という具合に手際よく火を移して育て、安定した火力に保つまで、あっという間にやってのけていました。

数分後、Kさん・Jさんペアは、拾ってきた焚き付けを火床にふんだんに置き、その上に細い薪を立てかけて、再チャレンジ。Jさんが4本目のマッチを正しく擦り、軸に火を移してから焚き付けの下の方 数か所に火をつけると、薪に火が移りました!
2合のご飯はとうに炊け、蒸らし終わっていたSsさん・Wさんペア。ご飯をおわんに装い、豚汁をもらって、お昼ごはんにありつきます。13時、逸早く「いただきます!」と挨拶。ご飯はとてもおいしく炊けていたそうで、笑みがこぼれたり、豚汁もたくさんおかわりしたりしていました。

指導補助員さんとペアになった継続生のTさんは、他の継続生が新入園生にしていたように補助員さんに時間をかけて飯盒やかまど・薪の選び方・マッチの使い方などをレクチャー。その後、自分と指導員分のご飯を二つの飯盒で5合炊かなければいけないというプレッシャーからか、火をつけられない原因を考えることなくマッチを擦り、6本浪費…。意気消沈していましたが、マッチの正しい使い方ができていないことに気づいた後、7本目のマッチを擦ったTさん。軸に火を移し安定してから、落ち着いて焚き付けや薪に下の方から火をつけると、ようやく燃えあがりました! 13時すぎ、マッチ7本目でつけた火を育てようと、火加減を意識しながら薪をくべていました。
その数分後。Yさん・Nさんペアが集めた薪は乾燥しており、程よい風のおかげで息を吹き込まなくても大きな火に! 薪をどんどんくべていくと、かまどの周りの草に火が燃え広がってしまったほど!

かまどのレンガが崩れるアクシデントもありましたが、13時10分、Sさん・Rさんペアが「いただきま~す!」 初めて飯盒で炊いたご飯を食べたRさんは、手間がかかったり大変だったりした分、いつも食べているご飯よりももちもちしていておいしく感じたそう。2合のご飯を二人でぺろりと食べ、豚汁を何回もおかわりしていました! Sさんは、昨年度の活動の反省をいかし、焚き付けをけちらないで使い、結構早めに上手く野外炊事ができたことを嬉しがっていました。
炊けたご飯を蒸らしていたKさん・Jさんペアは、13時17分、飯盒からおわんにご飯を装っていました! 豚汁をもらい、数分後にはお昼ごはんにありつき、笑顔。

既にお昼ごはんに舌鼓を打っていた人たちを羨望の眼差しで見ながら、自分たちもそれに続こうと奮闘していたYさん・Nさんの小学生ペア。13時27分、待望のお昼ごはん。好みのやわらかいご飯に炊けていて、二人とも箸が進んでいました! そして、Tさんと指導員分のご飯も炊きあがり、13時37分 ようやくランチタイムに。そのおいしさに思わず笑みがこぼれ…。おなかが一段落したら、マッチを正しく使えなかったことなどを反省していました。

ペアごとに、

食べ終わったら飯盒や食器類をきれいに洗いました。それから、かまどや火を焚いた跡の片づけ。食べている間に燃やしきった薪の灰をきれいに片づけ、水をかけて完全に消火し、かまども解体。辺りに散らかしていた薪もできる限り拾い集め、元の場所に戻し、どこで火を焚いていたのかわからないくらいに片づけました。開始から終了まで、3時間弱の野外炊事でした! 今期初のキャンプ活動は、あらゆる条件が味方して、難易度は低かったかもしれませんが、どのペアも焚き付けの新聞紙は使わず、上手に火をつけて、飯盒炊さんに成功。生米だったり、真っ黒に焦げたりすることもなく、好みの硬さのおいしいご飯を炊くことができました! 継続生は、新入園生に教えることで、自分の知識やスキルが本当に身についているかどうかを確認できたり、理解を深めたりできたと思います。勿論 新入園生も教えられて理解できたはず!

22/05/15

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