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売木村の山村留学ブログ

5月7日

5月7日(土)午後2時、一年間 自分が使うお茶碗(飯碗)と箸置きを作りに、センターから通学路を歩いて数分の所にある“売木村陶芸体験工房”へお邪魔しました。

先生にご挨拶をし、すぐに野球ボールくらいの大きさの粘土をもらった学園生たち。粘土は、信楽のものだそう。4人と5人にわかれて着席し、手回しろくろの上に粘土を置くと、紙と鉛筆を渡されました。お茶碗と一口に言っても、直径や深さといったサイズ感や形など様々です。だから、まず自分が作りたいお茶碗のイメージ図を描いてみることに。先生が、台の上に、参考になるサンプルを幾つか置いて説明してくださったので、「こういう感じがいい!」とか「形はこんなのがいいけど、もっと大きくしたい!」などと言いながら、学園生たちはそれぞれに鉛筆を走らせていました!

いよいよ、描いたイメージ通りに成形していきます。すぐに作り始められるように、先生が粘土をよく練り、きれいな球体を作ってくださっていたので、粘土の中の空気を抜くために、たいてい初めに行う 自分の手と手でキャッチボールするということをせずに、取りかかることができました。
陶芸には様々な成形方法がありますが、今回は手びねりの玉づくりという技法で作ることに。まず、手回しろくろの真ん中に、でんと粘土を置きます。真ん中に据え付けることは、簡単そうで案外難しく、椅子から立ち上がり いろいろな角度から何度も確認する子も! 次に、粘土の中心に親指を入れて押し込むように穴を開け、底の厚さを1㎝くらいにして穴を広げていきました。ひんやりとした粘土の感触を味わっていた学園生たち。

厚みを残しつつ底を広げるために、ろくろを上手く使いながら粘土を押します。焼くと少し小さくなると聞き、思い描く大きさより少し大きく穴を広げたら、両手の親指を中に入れて脇の粘土を上に少しずつ伸ばすようにしていきました。力加減に気をつけないと、底に穴を開けてしまったり、形が崩れたり、広がりすぎてお皿のようになってしまったりします。集中して作業している途中、箸置き用の粘土を除けておくことを忘れていたので、道具を使ってお茶碗の口縁辺りの粘土を少し取り分けるよう指示された学園生たち。その粘土が乾燥しないよう濡れ布巾に包んだら、またお茶碗作りに戻りました。
両手の親指と人差し指・中指で粘土をつまみ、立ち上げていくように高くしていきます。

お茶碗の腰は、胴や口縁よりも少し厚くしておかなければならないそうですが、いろいろな所を適当に伸ばし、ちゃちゃっと形づくってしまった子たちのお茶碗は厚みがばらばらに…。思うようにできなくて、先生に手を入れてもらったり、初めから作り直したりした子たちもいました。一方、じっくり粘土と向き合う子たちも。作りたい形に近づけていくように細やかに指を動かし、とくと眺めてはまた、成形の繰り返し。口が大きく広がっていないお茶碗を作ろうとしていた子は、コツや調整方法を掴んだ様でした! 自分が食べるご飯の量を考え、納得のいく大きさと形にできたら、ろくろを回して整えたり、口縁の高さを揃えたり、スポンジやなめし皮を当てて滑らかにしたり。昨年作ったお茶碗は小さすぎたという継続生は、焼くと15%ほど小さくなるということに捉われ、できるだけ大きくしようとした結果、穴を開けたり、口が広がりすぎてお皿のようになってしまったり…。しかし、先生にかなり手直ししていただき、大きくて見た目も大変きれいなものになり、満足していました! 個性的で味のあるお茶碗というよりは、きれいに整ったものに仕上げたい子たちが多く、スポンジやなめし皮の取り合いや順番待ちが…。最後に、希望者は、文字を書いたり模様をつけたりして完成! とてもお茶碗には見えないような代物を作る子は一人もおらず、形の整ったお茶碗ができました!

続いて、わけておいた粘土で、それぞれ箸置き作り。粘土を手でこねながら、どんなデザインにしようかなぁと考えていました。
作りたいデザインが決まったら、さくさく作業を進め、「これ、何に見える?」と早速 周りに見せたり、

動物をモチーフにしたものを作ろうと、真剣な眼差しでとても熱心に細かい作業をしたり。一つ作り終え、「粘土がまだ余っているから、箸置きをたくさん作っていい?」と質問し、二つまでと回答を得ると、すぐに二つめに着手した子たちもいました。箸先を置くという目的を忘れ、立体的な船や車の形の箸置きを作った子も! 細部までこだわって作っていましたが、継続生に、箸置きを使って洗う時に、スポンジで洗いにくいのではないか?とか、ちゃんと洗えない所にカビが生えるのでは?とアドバイスされ、シンプルな形に修正したり、箸置きとしては使わないようにすると決めたりしていました。とにかく、皆 時間が経つもの忘れるほどでした! 裏側に自分の名前を書いたら、完成。

そして、形づくったお茶碗を切り針金で手回しろくろから離し、板に載せたり、ろくろに載せたまま指示された所に置いたり。没頭して作った箸置き二つも同じ板やろくろの上に載せ、お茶碗の高台内に彫り込んでもらう名前を書いた紙を添えました。
最後に、使ったものを片づけ、作業台を掃除。この後の、乾燥や高台づくり・素焼き・釉薬をかけて本焼きをする工程について、先生から簡単な説明を聞きました。それらは、先生にお任せすることになるので、学園生たちは焼きあがりを楽しみに待つのみ。9名は、午後4時半頃、工房を満足そうな表情で後にしました。

22/05/26

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