5月8日
5月8日(日) 午前9時から“メンマづくり”を体験しました。学園生たちが向かった先は、センターから徒歩3分ほどの所にある、面白い光景が広がる ちょっと伸びすぎたタケノコの里? 実は、竹林所有者である集落支援員の方は、飯田市内の県立公園の放置竹林を整備しつつ竹林活用を行う団体に所属しておられ、伸びすぎたタケノコを使ってメンマを作ったり、小学生とコラボし商品化したりする試みを行っているそう。伸びたタケノコを刈り取り、塩漬けにして日々の食事に活かしてみたら?と勧めてくださった二年前から、この体験活動の講師を買って出てくださっています。
幼竹(人の背丈ほどに成長した、言わば育ちすぎたタケノコ)の収穫に適した時期は、その年の天候によって変動があるので、活動日の選定はなかなか難しいのですが、今回はどんぴしゃでした! 昨年体験した継続生たちも、「去年、こんなに出ていたっけ?」「去年よりめっちゃ多くない?」と口走ったほど。
まず、先生から竹にまつわる話や竹害について聞き、竹害対策のひとつがメンマづくりなのだと知った学園生たち。全国的に放置竹林が問題になるほど竹はたくさんあるのに、ラーメンなどに使うメンマのほとんどは輸入されていることや、国産メンマプロジェクトが広がっていることなども聞きました。早速、作業説明が始まり、「誰かこれを切ってみたい人?」と聞かれても皆 消極的な態度だったので、数日前のデイキャンプで野外炊事を一緒にしたペアで、順番に実践していくことに。一番手の子が、先生の指示に従い、幼竹の根元の方にのこぎり鎌の刃を当て、硬くて刃が入っていかないことを確かめました。その後、少しずつ上にずらしていき、鎌の刃が簡単に入る所を探り当て、鎌を手前にひくと、簡単に刈ることができました!
それから、ペアで、適当な幼竹を鎌で収穫体験させてもらうことに。先に見本で見たように、一人が、鎌で刈れないと思われる硬さの(ほとんど竹になっている?)所や節の部分に、一度 刃を当てて手応えを確認してから、鎌の刃を上にスライドしていき、ここという場所で鎌をひきました。もう一人は、幼竹を刈りやすいように少し傾けたり、刈った瞬間に落とさないよう支えたりする役割。役割を入れ替えて体験したので、一人一本 幼竹を収穫。
のこぎりで竹を切る大変さを経験済みの学園生たちは、皮さえ切れれば、育ちすぎたタケノコはいともたやすく刈れるということに少々拍子抜け。また、タケノコ掘りは、探すのも掘るのも難しいですが、タケノコとしての収穫時期を逸した幼竹は、タケノコよりも収穫が容易ということがわかった様でした。
使い慣れない鎌で恐る恐る刈り取った子、鎌の刃がすっと入っていく心地よさを感じながらスパッと刈り取った子…と様々でしたが、自分で収穫した幼竹を大切に抱えてセンターまで戻ることに。
幼竹は水分をたくさん含んでいて重く、意外に軟らかいので、何かにぶつけたり落としたりすると、おいしい部分が砕けてしまいます。だから、慎重に運びながら歩きました。
数分でセンターに着くと、倉庫の外で、幼竹の皮をむくことに。穂先から根元の方まで、皮に包丁で縦に切り目を入れ、根元の方から一枚ずつ皮をはがしていきます。
皆 毛むくじゃらの皮を丁寧にはがしていったり、できるだけ穂先まできれいに皮をむいていくことに夢中になったりしていました。幼竹を乱暴に扱うと、おいしい穂先や軟らかい部分が折れてしまい、メンマにする部分が減ってしまうので、引き続き 慎重に取り扱っていました。
次は、倉庫の中に入り、幼竹をカットする工程。根元の方から包丁の刃を当てていき、やはりすっと刃が入る所を確認し、明らかに廃棄する部分を切って取り除きます。また、竹の成長点や成長の仕方を教えてもらい、硬い節付近の廃棄部分と節間の食べられる部分も切り分けました。一見 硬くて食べられないように見えても、触れた感じや色から判断すると案外食べられる部分が多いことを知った学園生たち。
包丁で縦に切り分けた穂先の中の節は、手の指で押すと、面白いように取れました! 「なんか、気持ちいい!!」と言う子も!
それから、筒状の幼竹を適当な大きさや形状に切る作業に移りました。まな板の上に、数㎝の長さに切った筒状の幼竹を立てて載せ、繊維に沿って切ります。また、幼竹の厚みに合わせ、上から見た時に正方形になるよう包丁の刃を入れ、棒状にカットしていきます。
鎌や包丁といった刃物を立て続けに使い、危なっかしい手つきの子はいましたが、結構 刃物捌きが上手な子たちも! 穂先の部分も含め、9本分の幼竹の可食部を全て、メンマに適した大きさに切れました。
使った包丁・まな板や倉庫内の片づけをしたり、廃棄部分をえさにするため やぎ小屋に運んだりし終わった頃、厨房のガス台にはお湯が沸いた大鍋がスタンバイ。全員 厨房に移動し、鍋の中にカットした幼竹を入れ、湯がく工程に入りました。
湯がく時間の目安は30~40分ほどで、試しに食べてみてえぐみがなくなっていたらOKなのだそう。ただし、鍋の中に切った幼竹を入れた時には、ぐらぐら煮立っていなかったので、沸騰した11時頃から湯がき始めたことにしました。全員でずっと見守るのではなく、3人ずつ10分間 鍋にはりつきバトンを繋いでいくことに。しばらくすると、アクが泡のように出てきたので、かわるがわる お玉ですくい取っていきました。しかし、お玉でアクをお湯ごとすくってしまう子が多く、たっぷりのお湯で幼竹を湯がきたいのに、お湯が減ってしまい…。熱湯を足したり、上手にアクだけをすくえる子がアク取りを引き受けたりするなどして、ぐらぐら湯がき続けました。責任をもって見守る時間外に、幼竹の廃棄部分を包丁で細かく刻み、チャボのえさ作りに励んでいた子たちがいました! 30分経った後も、厨房では、アク取りを交代しながら十数分、煮えたぎったお湯で幼竹を湯がくことに。
45分経ち、穂先の軟らかいところではなく竹のような部分を、試しに食べてみた学園生たち。「どう?」と聞かれ、「普通においしい!」「甘い!」と。えぐみがなくなったことを確認できました。さらに、幼竹を湯がいたものはヤングコーンのような味がするという話になり、学園生たちは、とうもろこしも竹もお米もイネ科の植物だと知って驚いていました! そして、ざるにあけた幼竹に水をかけ、粗熱をとりました。
次に、その幼竹の重さを量り、塩の量を算出することに。幼竹10に対し塩3と教わり、それぞれ頭の中で計算。計算力が問われました! 幼竹は6.55㎏あったので、塩は1.965㎏ということで約2㎏にすることにし、2㎏の塩をはかりで量りました。
活動も大詰め。漬けもの袋をはめた漬けもの樽に、3回に分けて幼竹と塩を交互に入れていきました。大量の塩にびっくりする子たちも!
最後に、できるだけ空気を入れないように袋の口を軽く結び、重石蓋を載せて、その上に重石をしました。それを、冷暗所である 味噌を保存してある倉庫へ運び、活動終了。翌日に、水があがり幼竹がその中に浸かっている状態であればよいとのこと。そして、乳酸発酵したら1か月後くらいから食べられるそう。食べる際には流水で一晩脱塩してから、好みの味付けで調理します。食べられる日を楽しみにする学園生たちでした!
午後3時からは、先月 じゃがいもを植えた場所以外の、手つかずになっていた畑の作業をしました。まず、一人一本鍬を持ち、耕していくことに。畑は少し前に管理機で耕起してあり、しばらく雨が降っていなかったので、土に湿り気がなくさらさらで、作業が捗りました!
続いて、二人一組になり、畝たてに着手。継続生と新入園生のペアで、とりあえず一畝を作ってみました。前回作った じゃがいもを育てるような高畝ではなく、それほど土を盛らない畝を作ることにしたのすが、習性なのか、つい盛りすぎてしまう子どもたち…。
一旦 畝らしきものをたてられたら、中央に深い溝を掘り、その溝の中に化成肥料を適量まいて土を埋め戻すことに。前回の畑作業でも行ったことなので、さくさく進めていました。畝を崩さないように溝を掘ることや適量の化成肥料を偏りなく撒くこと、その上に土を戻し きちんとした畝に直すことなどが、簡単そうで意外と難しいと感じながら手を動かしていた子たちも。
畝を早く復元できた子たちからは、「次は?」という指示を仰ぐ声が。先ほどと同じ手順で新しい畝をたてたり、通路を挟んだ向こう側の畑にも同様に、溝施肥をしてから埋め戻し、畝を作って整えたりしました。肥料を施した溝に土を埋め戻す際、畝の幅が広くなったり狭くなったり、畝が曲がったりして難航…。しかし、畝に並行して鍬で土を盛りすぎないよう気をつけつつ、すくいあげながら少しずつ後退していき、畝をたて直していっていました! 刃を上手く使って畝の形を整えたり、表面を均したりするなど、鍬の使い方がとても様になってきた子たちも!!
午後5時頃には、畑に何本もの畝が並びました。畝の中の水分量を保ちたいので、一雨待ってからマルチを張ることにし、この日の作業は終了。
22/05/27