売木村山村留学センター
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売木村の山村留学ブログ

6月13日

学校が計画休業だった6月13日(月)、農家生活中の山村留学生9名と地元児童5名の14名で、諏訪湖での船の体験活動を行いました。梅雨の晴れ間ということで、空模様を心配せずに7時にはマイクロバスでぶなの木を出発する予定でしたが、寝坊し遅刻してきた中学生男子が1名…。結局20分遅れで出発し、その遅れが一日中影響を及ぼしたのでした。売木村を出発し、一路 諏訪湖ヨットハーバーへ。車中では、数日前の事前講習会で覚えたロープワークなどを確認。

9時50分頃 到着し、乗艇活動ができるよう着替えを済ませ、皆で協力し、艇庫の中に机と椅子を並べるなど準備をしたり、ヨットハーバーでの注意事項を聞いたり。そして、班分けと集合・人員点呼の練習。14人がきびきびと動き 2列横隊に並んで、班長から「番号!」と号令がかかったら、番号をはっきり発声すること、班長は指導員に報告するということを何度か繰り返しました。水辺で勝手な行動をすると、命に係わることがあるので、普段とは違い、規律のある団体行動をしなければなりません! 皆、気を引き締めて動いていました。次に、ライフジャケットの着方講習。ファスナーとベルトをきちんと閉めて着用し、落水時の姿勢のとり方や着用の効果を学びました。

11時ちょっと前から、いよいよ船に乗る活動! 7人ずつにわかれ、午前中は1班がカヌー、2班がセーリングクルーザー(ヨット)を体験することに。2班の子たちは、使われているロープワークや船の各部の名称を確認し、大きな声で自分の名前と「乗船します。」と言ってから、船の前後左右のバランスをとりながらヨットに乗り込みました。
1班の子たちはまずはペアを決めました。今回乗るカナディアンカヌーは一人だけ沈する(カヌーの用語で水に落ちること)とか一人だけ助かるということはないためこのペアは運命共同体です。その後、カナディアンカヌーの特徴を学んだり、パドル操作(漕ぎ方)を一通り練習したりしました。

ヨットは、

ハーバーから湖の真ん中辺りに出るまで機走。途中、浅い所があり座礁しないよう、艇を傾けながら走り、回避することに。その際、「全員、ポート側に移って!」と指示されましたが、船の各部の名称などを覚えていないと、意味が分からず全く動けないということを思い知った様です。湖の真ん中辺りで、風上に船首を向けてセイル(帆)を揚げることに。やはりヨット用語を覚えていないと指示されることがわからず動けなかったり、不安定な船の上での力作業が難しかったりしましたが、中学生たちを中心に力を合わせどうにかメインセイルを揚げ、帆走開始。ジブセイルもありますが、今回はメインセイルのみ。ほとんど風がない状態でしたが、風の力だけで船が進むことを体感することはできました。短時間ではありましたが、全員順番にティラー(舵)を操作するスキッパー(船長)の役割も体験。スキッパーは、風上側のデッキに座り、前の手でメインセイルを操るメインシートを、後ろの手でティラーを握ります。では、スキッパーをしていない時は適当にただ乗っているだけでよいかというとそうではなく、クルーとして常に艇の前後左右のバランスを考えて座る場所を判断し、おもりの役割と、周囲を見張るワッチに徹しなければなりません。 カヌー班もいよいよ出艇。カナディアンカヌーは手漕ぎボートと違い直進性をよくするために細身にできています。そのため、頭の先からおしりまでがカヌーの真ん中に位置するように座り、左右にバランスよく体重がかからないと安定しません。どのペアもその感覚が分かるまでは少し怖く感じたようでした。

スキッパーを体験する子は、それほど強風ではない中、決めた目標物に船首を合わせて真っ直ぐに走らせる練習をしました。下ばかり向いていると、目標物から船首がどんどん離れていっていることに気がつきません! それでも、ティラーを押したり引いたりすると、船首は風上に向いたり風下に向いたりするということを体得できた様。どの子も重責を感じながら、舵取り。本当は、ティラー操作とメインシートの出し入れの両方を行うのですが、初めてヨットに乗ってそれらを行うのはとても難しいので、それぞれの理解度に合わせて体験。
カヌー班はしばらくハーバーの中で前に進んだり、止まったり、バックしたり、曲がったりするパドル操作を一通り実際にやってみました。どのペアもだいぶ真っすぐに進めるようになったところでハーバーの外に出てみることに。(実はハーバーの中は堤防により風が遮られているためカヌーの操作がしやすいのです。)いざハーバーの外に出てみるとどのカヌーも風を受けてカヌーを上手に操作することが出来ずに岸に張り付いてしまったり、真っすぐに進めずにくるくると回ってしまったりしました。 ヨットは風がないと進むことができない乗り物ですがカヌーは風があると操作するのが難しい乗り物なのです。

ヨットは少しでも風が吹いていれば湖を自由自在に走れ、風に対して45°の方向で進むこともでき、タッキングという風上を通る方向転換を繰り返していくと、最終的には風上に位置する目的地に行くこともできます。そこで、皆で何度かタッキングを体験。スキッパーが、方向転換後に正面となる風景を確認してから舵を切り始め、艇が風位を越えたら、クルーたちは、ブームをくぐって反対側のデッキに移動するのですが、風が弱かったのでほとんど移動する必要はありませんでした。また、艇はあまりヒール(傾くこと)しませんでしたが、乗艇時間が長くなってくると少しのヒールでも感じとったり、フラットをキープしたりしようとして、自分で考え 体重移動をしていた子も!
正午を過ぎ、機走するためにメインセイルをおろした際には、素早く、セイルがはためかないようブームごと3か所に、事前講習で覚えた本結び(リーフノット)を施すことができました!

湖上からは、北アルプスの奥穂高岳や槍ヶ岳がはっきりと見えたり、遠くに富士山が見えたりしました!! 桟橋に係留し、下船。もの足りない風でしたが、少しはヨットの魅力を感じられた様。
ハーバーの外で風を受けて漕ぐのに苦労したカヌー班は何とか態勢を整えて岸に集合。岸にはヒシの葉がたくさん浮いていたので引っ張ってみました。忍者が敵の追撃を遅らせるためにまいたというヒシの実(まきビシ)を実際に観察しました。
お昼近くには風が弱まってきたため無事に全艇ハーバーに戻ってくることができました。

そして、艇庫内に並べたテーブルと椅子で、お弁当タイム。皆、食欲旺盛で、ごはんをたくさんおかわりした男子たちもいました!
食休み後、午後1時25分から活動を再開し、1班がヨット、2班がカヌーに乗ることに。1班の子たちは、順番にヨットに乗り込み、ハーバーから湖へ! 機走から帆走に切り替える時、メインセイルだけではなくジブセイルもアップ。力仕事を中学生男子が頑張りました!

午前中の2班と同様に、常に艇のバランスをとるおもりの役目とワッチをしつつ、交代でティラーを握って船を走らせる役割の体験。加えて、ジブセイルを操る役割も順番に体験してみることに。しっかりと感じられるくらいの風が吹いていたかと思うと、ほとんど風がなくなることも。だから、風の力で船が進むということを体感できました! 舵をとる子は、行きたい方向に船首を向けるにはティラーをどう動かせばよいのか、風はどこから吹いていて、セイルをどのくらい出したり引き込んだりすればよいのか、そんなことを瞬時に考えて動かなければなりませんが、何が何だかわからないので、とりあえず風上側のデッキに座り、後ろの手でティラーを操ることに注力。ジブセイルを操る役割の子は、メインセイルに合わせたり、「もう少し出して。」とか「引き込んで。」という指示に従ったり。
一方、カヌー班は午前中の班と同様にまずは陸上でパドル操作等のレクチャー。上手に進むためにはペアで協力して漕がなくてはならないことを聞いてから順番に出艇し、ハーバー内で漕ぎ方を一通り再確認しました。

午後2時半頃、ハーバーの外にカヌーで出てみると午前中とは打って変わって凪の状態で自分の漕いでいる姿が湖面に映るほどでした。
セーリング中の1班の、おもりとワッチの役目をしながら乗船している子たちも、指導員から「今、何タックで走っている?」とか「どこから風が吹いている?」とか「今、どういう状態の走り方?」と矢継ぎ早に質問されるので、頭をフル回転させていました!

順番にスキッパーとジブトリマーを体験していく子どもたち。スキッパーが風上側のデッキに座り、前の手でメインシートを、後ろの手でティラーを操る姿も様になってきました! 行きたい方向に船首を向けるためにはティラーをどう動かせばよいのか、風はどこから吹いていて、セイルはどのくらい出したり引き込んだりすればよいのか、そんなことを瞬時に考えて動かなければなりません。何が何だかわからないけれど、頭と体をフル回転させ、いろいろなヨットの走らせ方やタッキングを体験。安定した帆走ができた子もいれば、皆をヒヤヒヤさせてしまった子も…。ジブトリマーの子も、メインセイルに良い風を流すためにジブシートを出したり引き込んだり、タッキングの時にはセイルを張り替えたりする動きを、わからないなりに試し、普段あまり気にも留めないような風を意識的に感じられた様。水を切って静かに風の力だけで走るヨットの楽しさや皆で協力して艇を走らせる醍醐味を味わった子たちもいました! カヌー班は途中でヒシを観察したり、死んで浮いていたフナを発見したりしながら岸沿いをツーリングしました。湖が凪いでいたため水鳥になった気分を味わいながら景色を堪能できました。

岸沿いを進み、午前中は来ることができなかったハーバーから約1kmほど離れた島に接岸し、全員上陸し記念撮影をしました。再びカヌーに乗り込み、今度はハーバーに向かって漕ぎました。ハーバーに着くころにはどのペアもカヌーイストの様になっていました。 ヨット班より一足先にハーバーに戻ったカヌー班はカヌーの片づけを率先して行いました。「片付けは次の活動のための準備」と言われるくらい大事な作業です。スポンジでカヌーやパドルをこすりながら水洗いし汚れを落とし、最後にみんなで協力してカヌーを台車に乗せて艇庫に収納しました。

午後3時半頃、桟橋に着艇し下船して、人員点呼をした1班の子たち。小休止の後、ジブセイルを塩ビ管に巻くという片づけをしました。指示通りに巻くことは意外に難しく、協力して何度か巻き直していました。
それから、一日 命を守ってくれたライフジャケットを片づけることに。汚れたものは洗い、ハンガーにかけ、サイズ順に並べて収納。長身が皆の役に立った中学生もいました!

最後に、活動指導やレスキュー艇を出してくださりお世話になった二人の講師の方に挨拶をし、活動させてもらった諏訪湖に大きな声で「ありがとうございました!」とお礼を言いました。着替えて、バスに乗り、一路売木へ。午後4時20分に出発し、車内では多くの子が、すぐに爆睡状態に。強い日差しを浴びて一日 活動し、どっと疲れが出たうえに陸揺れも加わったようで、泥のように眠っていました…。午後6時半頃 売木村に到着し、それぞれのお家や受け入れ農家さんのお宅の前で降車。無事に活動終了!

22/06/21

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