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売木村の山村留学ブログ

冬の準備活動

11月23日(水)に、冬の準備活動として野菜を保存するためにお漬物作りをすることを予定していましたが、雨の予報だったので、良いお天気だった19日(土)の収穫祭の数時間前に、畑で源助かぶ菜の収穫をしました。

源助かぶ菜は、何度も霜にあたって、収穫適期を知らせてくれる 赤紫色の色素(アントシアニン)が葉に現れていました。しかし、かなり赤紫色になっており、変色した菜っ葉もたくさんあったので、適期より収穫が遅すぎたかも…。学園生たちは、自分が種をまいた列の源助かぶ菜の収穫を担当することに。発芽していないか所があったり、間引きをして一つにした株が大きく育っていたものもあれば小さいままのものもあったりしました。菜の根元とかぶの境目で、切り離すことにしたのですが、包丁の刃を入れる時に菜を握る手に力を込めすぎてしまい、引き抜いてしまう子が続出。あちらこちらから「あ~、全部抜けたちゃった! どうしよう…。」という声が! かぶまで引き抜いてしまったものも、菜の根元とかぶの境目を包丁で切ることにしました。

朝6時すぎは氷点下と気温が低かったものの、10時半をまわると随分暖かく、軍手をはめず素手で収穫していた子も。手を切らないように注意しながら、境目より下の方を切りすぎるとかぶの部分までついてきてしまうし、境目より上の方に包丁の刃を入れると菜っ葉がばらばらになってしまうので、丁度よいところを狙っていた学園生たち。立派な大きさに育っていた菜もあれば、「こんなにちっちゃいけど、とる?」と思わず確認するほど小さいものもありました。そのうえ、虫食いが酷く穴が開いていない菜っ葉は皆無と言ってもよいほどでしたが、旨味が増し、菜っ葉全体がやわらかくなっていたので、それぞれのペースで、包丁で一つ残らず収穫しかごに入れていきました。

それから、二人一組になり畝に被せていたマルチシートをはがし、小さく丸めたりたたんだりすることに。もう何度か経験済みの作業なので手際よく片づけると、畝の土の中に残した 等間隔に植わっている源助かぶ菜のかぶを掘り出しました。簡単に掘り出せるような小さなかぶや、大きく育っていた菜っ葉のとても大きなかぶなど様々で、一つひとつに驚いていた子も。かぶにはたくさんの側根が出ていて絡まっており、引き抜こうとしてもなかなか土から抜けないものも多くありましたが、どうにか手で掘り出していきました。ようやく掘り出せても土の塊がまとわりついていて、その土を落とすのも大変でした。ざっと土を落としたかぶも、かごに入れました。

菜っ葉もかぶも収穫し、鍬で畝を崩して凸凹を平らにし、通路だった所も軽く起こしてから、畑全体を均したいところでしたが、時間がなかったので片づけの作業は持ち越し、この日は収穫したものを倉庫に運んで終了。

収穫してみて、源助かぶ菜は、信州で有名な野沢菜よりも葉っぱの部分が多く、茎が短くて根元近くから葉っぱが育っているということ、言わば葉っぱを食べるお菜だということがわかった様。また、かぶの部分も食べられないわけではないので かげ干しして保存し冬の間に食べたり、やぎの冬のえさにしたりすることに。昔は、源助かぶ菜のかぶをおやつで食べてもちょっと甘くて結構いけるものだったそう。

収穫祭翌日の20日(日)10時すぎから、前日に収穫した源助かぶ菜を漬ける前に洗う‟お菜洗い”をすることに。継続生は、できれば避けたいと思っている 地獄の?お菜洗い作業ですが、今回は学園生だけでなくお家の方たちの力も借りることにしたので、手が有りました! 継続生数人が樽の準備をしている間、お家の方たちに、虫食いが酷いものや傷んだり変色したりしている葉などを手早く取り除いてもらいました。厳しくチェックすると何もなくなってしまいそうなので、緩めに。取り除いた葉は、やぎのえさにしました。学園生たちは、菜の洗い方を聞いた後、きれいな水をはった四つの樽に二・三人ずつ分かれてつきました。四つ並べて置いた 一つめの樽の中で洗われたお菜は、二つめ・三つめの樽で更に洗われ、最終チェック機能の四つめで完璧に洗えているかどうか確認され、かごに入れられるという流れ。お家の方たちも樽についてくださり、洗い始めました。一つめの樽に入れる前に、もう一度傷んだ葉などがないか確認する役割を担うことになった子も。

食べる時のことを考えて、菜の根元に詰まっている土や、葉についているアブラムシなどを取り除くように、根元の方を開きながら丁寧に洗っていきます。例年よりは気温も水温も高かったのですが、とても辛い水仕事が始まったと感じる子たちが多かった様。手が有ったので、かぶも川の水で洗うことに。学園生のお父さんたちや弟さんたちが小一時間、かぶの側根についていた土や汚れを川の冷たい水で根気強く洗ってくださいました。お菜洗いの方は、つく樽をローテーションしたり、汚れた水を捨ててきれいな水に換えたりしながら、進めていきました。おしゃべりしながら洗うと捗るという子もいれば、だんだん水温に慣れてきて水の中の手が温かく感じられるようになったという子も。予想どおり、アブラムシや虫の卵・クモの巣・イモムシなどが菜っ葉にたくさんついており、樽に張った水がすぐに汚れるほどでした。三つめや最終チェック機能の四つめの樽でもまだきれいに洗えていないものも多く、大変だった様。きれいに洗えた菜っ葉を触り、「つるつるになった!」と言っていた子もいました。自分たちの口に入るものだし、虫は食べたくないからと、できるだけきれいに洗い続けること一時間弱。一通り洗い終わり、片づけて、餅つきや昼食タイム…。

お家の方たちが帰られた後、倉庫内で活動を再開。本当なら、洗った後、かごに立てて入れ、水切りしておいた源助かぶ菜をもう一巡洗いたいところでしたが、時間がなかったので次の作業へ。切り漬けを作るので、まな板と包丁を使い、3㎝くらいの長さに切ることに。楽しいようで、とにかく手を切らないよう気をつけて、どんどん切っていきました。危なっかしい包丁さばきの子はそれほどいませんでしたが、だんだん大雑把になり、5~6㎝くらいの長さに切ったり、切った菜っ葉を床に落としてしまったりし、注意される子も。

切り終えた菜っ葉全てを秤で量ることに。四つのかごに入れていたので、かごごと量っていき、かごの重さを引いて、足すことにしました。秤の目盛りを正しく読むために、複数人で確認したり計算したりした学園生たち。全部で、18㎏強ありました! それを全てしょうゆ漬けにすることにし、菜っ葉1㎏に対して使用するしょうゆ・ざらめ・酢などの調味料の量の目安を聞いて計算し、厨房に取りに行きました。
次に、調味料を計量し、樽にビニール袋を被せ、切った菜っ葉を入れる役や調味料を加える役などを決め、4回にわけて菜っ葉と調味料を混ぜながら漬けていきました。

しょうゆ・ざらめ・酢を大量に入れることに驚いたり、菜っ葉が全部 樽の中に入るのかどうかが心配になったり、ふざけながら作業していたため菜っ葉をこぼしてしまったり…。「いい香りがする~!」と言いながら思いっきり匂いを吸い込んでいた子も! 心配されていた菜っ葉は全て、何とか樽に入りました。

最後に、空気を抜きながらビニール袋の口を絞り、中蓋を置いて、その上に重石を載せ、蓋をしました。倉庫の端に樽を移動し、これから時々様子を見て、重石を軽くしていきます。倉庫には甘じょっぱい匂いが漂い、学園生たちは「いつくらいから食べられるかなぁ?」と、おいしく漬かったものを食べる日が待ち遠しい様子でした。片づけを終えると、午後5時ちょっと前になっていました。
今回は、冬の準備活動・食べ物の保存方法のひとつとして、お漬物作りをしてみました。今でこそ、冬でも野菜は流通していますが、昔は、雪に閉ざされた農山村では野菜が不足したので、春まで安心して過ごすために青菜を塩漬けにするなどして保存していたそう。売木村の多くの人たちは、今でもこの時期にお漬物を作っているので、学園でも村の人々が工夫してきた生活の知恵を実践してみたわけです。

22/12/01

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