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売木村の山村留学ブログ

9月17日 恵那山登山

9月17日(日)は、長野県阿智村と岐阜県中津川市にまたがる、木曽山脈(中央アルプス)の最南端に位置する標高2,191 mの山、恵那山に登ってきました。日本百名山、及び新・花の百名山に選定されていて、濃尾平野の広範囲の地域からその大きな櫛形の山容を望むことができる美濃の最高峰です。しかし、樹林帯が多く、眺望を求める登山者には向かない山とも言われています。
前夜のミーティングでそれらについて聞き、今回の登山はまさに“修行”であると聞いた子どもたち。ニヤッとする子がいれば、反対に、嫌そうな顔をする子もいて、反応はさまざまでした。
センターでは基本的に休日の起床が7時ですが、この日は早めにセンターを出発するということで、平日と同じ6時起床。前日は、寝る前に荷物をリュックサックに詰め、服装の準備も済ませて眠りにつきました。

朝7時10分、センター出発。みんなしっかり6時に起きましたが、まだ準備が完璧でなかった子がいたので、予定より少しだけ遅れての出発でした。
今回は、恵那山の広河原ルートをピストン(同じ登山道を往復)します。センターから、登山口に続く林道にある駐車場までは車で約1時間。まだ寝足りなかった子は、車でぐっすり寝ていました。
駐車場に着き、トイレを済ませ、登山届を提出したら歩き始めました。
林道を30分ほど歩き、気合を入れ直し、登山開始。登山口は標高1200m程なので、頂上まで標高900~1000mは自力で上がります。見積もりコースタイムは3時間半程。頂上でお昼ご飯のお弁当を食べることを目指し、登りました。

急登だったり、細い丸太の階段があったり、大きな段差があったりと、大変な箇所がいくつかありました。前を歩く人に必死についていくあまり、ぶつかってしまったり、足がふらついて転んでしまったりする子も・・・。体力的にきつくて途中の記憶がほとんどないと後で話していた子もいました。

“2合登ったら休憩し、また2合登ったら休憩”することを繰り返し、休憩時には配られていた行動食をそれぞれ好きなタイミングで食べ、心身をリフレッシュする様子が見られました。登っている時は、ほとんどしゃべらない子が多かったけれど、休憩中は他愛もない会話をしている子たちがいました。
途中には「あ、シラカバだー」や、「頂上を目指してに登っているのになんで一瞬下るの?」などの声が聞こえました。山留生活で身についた自然の知識が活躍する場面があったり、初めて登山をした子は、ただひたすら登るだけではないことを知ったりしました。

12時頃、ようやく山頂にたどり着きました。しかし、景色を見ることはできません。山頂にある展望台に上っても、見ることはできません。恵那山の山頂は、隆起準平原を遺すかまぼこ型になっており、辺りを見渡しても近くの木々しか視界に入らないからです。前夜のミーティングで、“頂上では景色を見ることはできない”と聞いていましたが、本当に見られないなんて・・・。そのため、学園生全員で展望台に上がり、「わー、いい眺めだね」と、冗談を言い合っていました。開き直り、景色が見えると思い込むことにした様です。

山頂から5分程歩いた所に避難小屋があり、その小屋の裏からは少しだけ景色を見ることができるかもしれないので、避難小屋の辺りで昼食を食べることに。そして、食べ終わった子から小屋の裏にある岩に登ると、おそらく、中津川市神坂地区を見渡すことができました!山頂では想像の景色でしたが、ここでは本物の景色を!ようやく山を登ってきた実感と達成感を味わうことができました。

1時間ほど休憩をしたのち、下山開始。来た道を戻ります。
登りと下りで見え方が変わるので、「こんな場所(・もの)あったかな?」と言いながら下りました。また、明らかに違う景色を見ることができました。それは、歩いている途中にちらっと見える景色です。登りは霧がかかっていて全くと言っていいほど周りの景色を見ることができませんでしたが、下りは霧が晴れ、近くの山々やスキー場、飯田市街地を眺めることができました。

下山していると、雨がポツポツ。“山の天気は変わりやすい”と言われることが実感できるくらい、突然雨が降ってきました。しかし、そこまで強い雨は降ることがなく、また、周りの木々が雨から多少身を守ってくれるため、あまり雨に打たれることはありませんでした。
小さな石がごろごろしていたり、雨によって地面が湿っていたりしたので、足を滑らせて時には尻もちをついてしまったり・・・。段差を下りる時にジャンプをする子もいたので、見ている方がハラハラすることもありました。
休憩もはさみながら、約3時間かけて全員無事に下山。

帰りの車内は、みんな爆睡でした。口を大きく開けて寝ていた子もいました。
疲労で足を痛がる子や、次の日筋肉痛になった子が多かった様ですが、自然の美しさと厳しさを、身をもって感じることができたのではないかと思います。

23/09/24

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