9月23・24日 うきうきキャンプ
9月23日(土)の13時半から翌24日(日)の13時半までの丸一日、キャンプを行いました。今回は「うきうきキャンプ」と題し、売木小学校4~6年生に声をかけた結果、3人が参加してくれました。村の子3人と山留生7人の計10人で協力してキャンプをすることに。
まずは、入所式やオリエンテーションを行い、今回のスケジュールやメニュー、寝袋の使い方などを聞きました。これからの活動が心配なのか、オリエンテーション中は終始不安げな表情をしている子が多かったです。うきうきキャンプの名のとおり、うきうきしてほしかったのですが・・・。
次は、早速外に出てテント設営です。以降は、トイレ使用時のみセンター内に入館可能となります。持ち物や服装をしっかり整えてから外に出ました。
テント張りは、山留生が先生役になって行いました。女の子は人数の関係で前回使ったテントとは違うものを張ることになりましたが、テントの張り方はだいたい同じです。それに驚いた子もいたようでした。
テントが張れたら、次は夕食作り。まだ15時を過ぎた頃でしたが、準備や火をつけるのに時間がかかるので、とにかく早く夕食作りに取り掛かることが大切です。テントを先に張り終えた男の子たちが、一足先に薪拾いを始めていました。
女の子も加わり、山留生やキャンプ経験者が教えながら、薪を集めたりかまどを作ったりしていました。今回の炊事は、中学3年生のMrさんと中学2年生のJさんはソロで、他の子たちはペアで行うことに。2人で相談しながらかまどの形を考えていたペアもいました。
最初に火おこしに成功したのは、唯一自信があった(?)Jさんです。ソロなので、気楽にできたようでした。そして、Jさんに続き、Mrさんも成功。Mrさんは、火をつけられる自信がなかったので、前日の22日(金)あたりからテンションが低く、「今回は三食抜きだ」と言っていました。しかし、よく燃える焚き付けを拾ってきたり、集めてきた薪を丁寧に太さ別に分けたりと、準備をしっかりしたことで、すんなり火おこせたようです。
他の班は少し手こずり、最終的には大人にアドバイスや手助けをしてもらっていました。どの班もマッチはうまく擦れていましたが、焚き付けが燃えるだけで細い薪に火が移らなかったり、そもそも焚き付けに火をつけて満足し、細い薪をくべなかったり、焚き付けの置き方が悪かったりと、改善すべき点がたくさんあったのです。なかなか火をおこせず、涙ぐんでいる子さえいました。
Sさんと小学4年生(村の子)のペアは大苦戦。今回ペアに渡されたマッチは19本。それで三食作って食べることになっていましたが、夕食作りで18本も使ってしまいました。燃えやすい焚き付けを集めてこなかったことや、マッチの軸に火が移る前に焚き付けに近づけたこと、焚き付けに火がついた後すぐに細い薪をくべなかったこと等が原因と考えられます。交互にマッチを擦り、回数を重ねるごとに2人とも上手になっていましたが…。そして、最終的にはセンター長さんがとても燃えやすく長持ちするシラカバの皮や使用済みの割り箸を用意してくださり、なんとか火おこしに成功しました。夕食を食べながら、食べられてよかったという安堵の気持ちと、あとマッチが1本しか残っていないという焦りの気持ちを感じていたそうです。
Mhさん・Hさんペアは、役割をしっかり分けて行っていました。具材を切るのはHさん、米を研ぐのはMhさん、そして相方が何かやっている時は火の番をしていました。火の番をしている時に火が消えそうになると、火の番の人の責任です。責任感を持って火を見守り続けていました。
全員どうにか夕食(炊き込みカレーピラフ、コンソメスープ、りんご)を作り、食べ終え、片付けまで終了したら、いつの間にか20時過ぎ。15時過ぎから夕食作りを始めたので、最後のペアは夕食作りと片付けに5時間程かかったことになります。普段の食事のありがたさを実感したのではないかと思います。
せっかく夜に外へ出ているので、夜の自然についての話を聞きました。時間がまだ20時台で、しかもこの日は雲が多かったのと月が明るかったため、何人かの山留生が楽しみにしていた星空観察はできませんでしたが、その分きれいな半月を見ることができました。みんなが持っていた懐中電灯を消し、自然の光だけを感じられる状態にすると、余計に月が明るく見えます。また、暗くて周りがはっきりと見えない時は、視覚以外の感覚が敏感になります。聴覚では川の音や虫の鳴き声などを感じ、嗅覚では木や土の香りなどを感じ、触覚(肌感覚)では肌寒さや風の動きなどを感じましたキャンプの夜の醍醐味は自然の中でゆっくりすることです。話を聞き、リラックスした様子の子どもたちでした。
しかし、テントに入るとテンションが上がってきたのか、男の子は夜遅くまで騒がしくしていました。「テントに虫が入ってきた!」「トイレに行きたい」など、近くに張ったテントの中で寝ている女の子たちにも聞こえる程の声量でしゃべっていました。
夜はやはり寒く、寒さで夜中に何度か目が覚めた子もいたようです。隣で寝ていた子が近づいてきて寝にくかった子もいたようでした。
朝6時、起きた子どもたちはぞろぞろとテントから出てきました。そして、山留生は朝の仕事(ヤギやチャボのえさやり、畑の水やり)を済ませ、各自、朝食作り開始です。落ちている枝や葉が朝露で湿ってしまうことが分かっていたので、各々一日目の夕食作りの際に予め集めてありました。それらを朝食作りの際に使おうと倉庫やテントに入れて湿らないようにしておいたので、どの班も夕食作りの時よりはスムーズに火をおこすことができました。一日目の反省を活かし、焚き付けをケチらず思いきって使ったり、薪をしっかりと準備したりしている班が多かったです。
Tさんと小学6年生(村の子)のペアは、マッチの残りの本数が少なく、自信もなかったので、火をつけることをためらっていました。その時、よく燃える藁を発見!センター長さんが藁をわざと落としてくれたのでした。火は下から上に燃えていくこと、それに合わせてどういう順番で焚き付け(藁や落ち葉)を敷き、その上に薪を置いていくなどのアドバイスをセンター長さんからもらい、挑戦していました。
朝食のメニューは、ロールパン、ゆで卵、またはスクランブルエッグ、コーンスープ、バナナです。卵を茹でるか焼くかは各班で決め、Sさんと小学4年生ペアだけスクランブルエッグを、他の班はゆで卵を作ることにしました。火をおこして卵を加熱することと粉末コーンスープを溶かすためのお湯を沸かすのみです。
ゆで卵を作る子たちは、何分くらい卵を茹でるか悩んでいました。黄身を半熟にするかしっかり茹でるか好みがそれぞれありましたが、殻をむいてみるまでわからないので、「今どのくらいだろう」と言っている子ばかりでした。
5〜10分ほど茹で、殻をむいてみることに。温泉卵状態の子はいませんでした。 また、食べてみると「いい感じに茹でられてる」と喜んでいる子がいました。
朝ごはんの片付け後に、テントをたたみました。
そして、その間どの班も朝食作りの時におこした火を焚き続けていました。昼食作りのためです。薪をくべ続けて消さないように頑張っていました。
Nさんと小学6年生(村の子)は、薪をくべながらも少し遊んでいました。余った焚き付けを薪の上におき、「ファイヤー」と言って一瞬火を強くしたり、かまどの周りを石で囲んでみたりしていました。
火を維持することができたので、昼食作りは、どの班も順調でした。
しかし、Jさんにはハプニングが!薪が足りなくなり、集めに行っている間に燃え尽きて火が消えてしまったのです。キャンプ終了後に余った薪を片付けるのが面倒で、ギリギリの薪の量しか集めていなかったようです。マッチをすでに回収されてしまっていたので、先に昼食を作り終わった班の燃えかけの薪をもらい、昼食作りを再開していました。
昼食を済ませた後は、かまどや余った薪を片付けたり、どこで焚火をしたか分からなくなるぐらいまで後始末をしたりし、干していたテントと寝袋の片付けをして終了。
あっという間に丸一日が経ちました。
今回のキャンプの目標は、みんなで協力することでした。自分の班の火おこしで必死になってしまい、他の班を助けることはできなかったけれど、テント張りや片付けはみんなで協力して行うことができていました。良い薪が落ちている場所を教え合う場面も見られました。
23/10/11