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売木村の山村留学ブログ

10月7日・8日 稲刈り

売木村では、只今、稲刈りシーズン終盤を迎えています。通常より少し長い、11泊12日の農家生活から戻ってきた学園生たちは、10月頭の3連休中に稲刈りとはざかけをすることに。しかし、中学1.2年生の休日部活や中学3年生の高校見学などで全員揃う時間があまりなく、天気も不安定ということで、二日に分けて行うことにしました。

7日(土)の午後、まずは刈りとった稲を結束するための藁の準備です。米農家さんによって異なりますが、学園では毎年、前年度の藁を使用しています。藁をすいて整えたら、少し水に浸し、木槌で打って柔らかくします。そうすると、非常に柔軟で折れにくく丈夫な状態になるので、結束する紐として使えるのです。この藁をたくさん準備し、田んぼへ向かいました。

田んぼには、黄金色の稲が。子どもたちは、5月に田植えをしてから作業(水の管理や草取り・畔の草刈りなど)を特にしていないので、久しぶりに田んぼを見た子もちらほら。たくさん実った稲に驚いていました。また、田んぼ一面に広がる稲穂を見て、全部刈るのは大変だなと思った子もいたようです。
稲は、分けつを繰り返し、最初に植えた苗の本数の4~5倍ほどに茎の数が増えます。学園では、3~4本の苗を一箇所に植えたので、15~20本ほどの茎の数になっていました。そして、後ではざかけをするため、約十株を一束にすることにしました。
はざにかける際に落ちないよう、“結束は固く”が鉄則です。一人十株ずつ鎌で刈り、しっかり結束できるかチェックしてみると、継続生は合格。特に小学5年生のNさんは、いつものハイパワーを上手く使ってとても固く束ねることができていました。稲刈りが初体験の山留1年目の子たちは、なかなか合格がもらえませんでした。
何度もやり直し、なんとか合格をもらったら、稲刈りの効率を上げるべく、刈る人と結束する人の二人一組を作ることに。1年目の子たちは結束するのに時間がかかる1年目の子たちは、ひたすら稲を刈る役を、そして結束できる継続生はひたすら結束する役を担うことになりました。

最初は刈るスピードが遅く、結束する人が暇を持て余している場面も見られましたが、「遅い」と言われたり、無言で圧をかけられたりすると、徐々にスピードアップ。しかし、油断すると刈る位置が高すぎたり、刈り残しがあったり、本来稲を掴む方の手は親指を上にしなければなりませんが、逆さにしてしまい、親指を鎌で切ってしまいそうになったりしている子も。稲刈り鎌(鋸刃)で指を切ってしまうと痛いし、治りが遅いと予め聞いていたので、おびえながら刈っていた子もいたようでした。なかには、稲を掴む方の手のぎりぎりで刈り、ヒヤッとした子や実際に小指を少し切ってしまった子も・・・。血が止まらないほどの怪我をした子はいませんでしたが、刃物の危険さを学んだ子もいました。
ひたすら刈り進め、いつの間にか17時を報せるチャイムが聞こえたので中断し、この日の稲刈りは終了。田んぼの半分近くを刈ることができました。
翌8日(日)、昼から雨予報だったので、朝食後、できるだけ早く稲刈りを再開しました。
まずは肩慣らしに一人十株ずつ刈り、自分で結束してみることに。山留1年目の子はやはり結束に苦戦していました。
7日にあまり刈る作業をしていなかった継続生は、ずっと「刈る方もしたい」と言っていたので、この日は自分で刈って自分で結束することにしました。喜んでしばらく個人個人で稲刈りをした後は継続生でペアになり、速さと正確性を意識して作業を進めていました。 山留1年目の子たちの中では、Mhさんがこの日はなんとか結束できていたので、結束する方に回り、大人も交じってひたすら刈る人と結束する人がセットになって作業しました。

全て刈れたら、はざかけをしました。刈り取ってすぐの籾には、水分が20%前後あると言われ、そのままにしておくと風味が悪くなったり、カビが生えたりすることがあるそうです。それを防ぐため、はざかけをして天日干しにし、水分を15%ほどまで落とします。また、稲を逆さまに吊るすことで、藁の油分や栄養分、甘みが最下部の米粒へ下りて、栄養とうま味が増すと言われています。つまり、美味しくするため、長期保存できるようにするために、はざかけを行うのです。
そして、地域によって干し方は様々ですが、売木村では3~4段干すのが主流なので、学園でもこの方式をとっています。結束した稲をはざの近くまで運び、隙間なくかけていきました。
最後に落穂拾いをし、稲刈りは終了。全員揃って稲刈りをすることはできなかったけれど、雨が降り出す前(11過ぎ)に無事終えることができました。3週間ほど天日と風によって乾燥させ、次は脱穀です!

そして、トイレ休憩などをした後、畑に移動してさつまいも掘りを行いました。
掘ってみると、巨大なさつまいもが顔を出しました。子どもたちの顔と同じくらい、またはそれ以上の超特大サイズ!「ピーナッツみたいなの採れた」「これ筋肉だよ」などと、掘ったさつまいもの形を何かに例えて他の子に自慢している子がいました。ちなみに、お店で売っているような形の整ったものはほぼありませんでした。
さつまいもは芋づる式に採れるといわれており、根元から切りとったつるを引き抜くと何個かのさつまいもが連なって出てきます。まさに芋づる式に採れてさつまいももあれば、そうでないものもありました。 さつまいもは、しばらく置いておくとデンプンが糖分に変わって甘みが増すといわれているので、倉庫の中に広げて干しておくことに。種類別(紅あずまと安納芋)に分けて並べ、最後に芋っぽい顔をしてさつまいもと共に写真撮影を行いました。

23/10/15

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