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売木村の山村留学ブログ

3月3日 お別れハイキング

3日(日)は、村内を約25km歩く“お別れハイキング”を行いました。4月から始まった山村留学生活中は歩くことが多かった子どもたち。しかし、村内をくまなく歩いた子はいません。この活動で村内全ての道を歩くわけではありませんが最後にみんなで長距離を歩き、4月の“村めぐり”(村内を最長で約12km歩いた活動)から始まった歩く活動は、“お別れハイキング”で幕を閉じることに。

朝食をとり支度を整え、9時前にはセンターを出発。前夜に行ったミーティングで長い距離を歩くと聞き、驚いたり、不安になったり子や嫌だと思ったりした子がいましたが、出発前の集合写真にはにっこり笑って写っていました。わざと疲れた顔をする子も・・・。25kmほど歩いて帰ってきたころはどのような表情になっているのでしょうか。

快調に歩き出し、通学路ではないルートで岩倉地区を通り抜け軒川地区からまずは長島峠を目指しました。この日は少し風が冷たく、最初は寒かったけれど、歩いていると温かくなってくるので、ハイキングにはおあつらえ向きお天気でした。それぞれ楽しくおしゃべりしたり、隠し持っていた(隠しきれてはいませんでした)釣り竿で糸を垂れたり、釣りをするJさんを追っていったりしながら歩きました。また、林で陰になっている道にはまだ残っていた雪が氷化していたので踏んでみたり滑ってみたり、途中にあった別荘地のログハウス(?)の柵を見て「鉛筆型になってる!」と喜んだりしていました。

長島峠を越えたら南一地区を南下し、次は売木の端(新野峠付近)にある峠茶屋の名水(旅人の湧き水)を目指しました。いろいろなところで湧き水が飲める売木村の、一番南東にある湧き水スポットです。道中にはヤギ小屋があり、中を覗くと飼い主さんがいらっしゃったので、ヤギを見せていただきました。そこには大きなヤギから小さなヤギまで様々。中には今朝生まれたという双子ヤギがいて、そのお母さんヤギの出産直後の様子や生まれたての子ヤギが頑張って立ち上がり乳を飲もうとしている様子に一同釘付けになっていました。センターでもヤギ(ちょび)を飼っていますが、ちょびとは違う可愛さにメロメロになっていた子どもたちでした。

そして、今回はただハイキングをするだけではありません。先日のリベンジ“野外炊事”が待っています。悔しい思いを残したまま今年度の野外炊事を終わらせないよう、お昼に火を焚いて沸かしたお湯でカップ麺を作って食べることに。それ用の水をこの湧き水スポットで飯盒に汲み、直火許可を頂いている音草学校まで引き返す道中で薪拾いをしました。時間も場所も限られているので、3グループに分かれての挑戦。飯盒に入れた湧き水をこぼさないように歩く人と、ひたすら薪を拾う人に分かれるなど、協力して3km音草学校を目指しました。

音草学校に着き、早速庭で火おこし。一番乗りしたJさん・Sさん班は長い木と紐を使ってトライポッドを作り、飯盒を吊り下げお湯を沸かそうとしていました。マッチを擦る役にはSさんが挑戦。風で火が消え、3本目で火口に火がつきました。Sさんは自信がなかったので、どうにか成功してほっとしていました。火口や焚き付けはたっぷり集めていたものの太い薪不足となり、途中で近くの林に拾いに行き羽目に。また、荒れ狂う強風で火が直接飯盒の底に当たっていなかったのでJさんが、本で読んだ井桁型に薪を組んで火を囲い、炎を集中させていました。

二番目着いたMrさん・Hさん班は、薪拾い時に計画したかまど(自在鉤)を変更し、石を使ってかまどを作り、お湯を沸かすことに。前日からセンターを訪れていた元指導員(修園生でもある)さんがほとんどかまどを作ってくれたので、MrさんとHさんは火をつけ薪をくべていくことがメインの役割になりました。しかし積んだ石で空気の通り道がなくなったり、当初かまどに使う予定だった少し湿った薪を間違えてかまどの中にくべてしまったりして火力が弱くなった際には、音草学校の近くの林へスギの葉を拾いに行っていました。 最後に着いたMhさん・Nさん・Tさん班は、かまどを作らず、飯盒のつるに棒を通しそれを交代しながら持つ作戦でお湯を沸かしました。一人一回ずつマッチを擦ることに挑戦。小さい子から順にチャレンジしましたが3人とも火をつけることができず、最終的には同じ班の指導員が手助けしました。Mhさんは、マッチを擦った後焦らないようにした方が良いと学んだようでした。

班で協力して沸かしたお湯を使ってカップ麺を作って食べ、ほとんどの子は今回の行動食として配られた大あんまき(元指導員さんが差し入れてくださいました)をデザートとして食べました。そして火をたいた跡を片付け音草学校の敷地を貸してくださった愛芽さんに感謝の言葉を述べ、次の目的地である長下地区の“Farmer’s Campポレポレ”付近にある湧き水スポットを目指しました。

再び釣りをしたり、前を歩く人とは違う道を選んだり、行動食を食べたりしながら南二地区・中央・旭地区を北上しました。長下地区の湧き水スポットでは、湧き水が2か所から出ていたので、飲み比べをしてみました。味の違いが分かる人には分かるようで、「こっちの方が口当たりがよい」と言う子がいる一方、「どっちも同じ味」と言う子もいました。また、そこにはほこらもありました。受け入れ農家さんからそのほこらを建てた由来を聞いたことがある子が、知らない子に教える様子も見られました。近くに神社もあり、売木村にある神社を一つ知ることができ、喜ぶ子もいました。

歩くペースがゆっくりだったり遊びながら歩いたりして遅れを取った子たちもいましたが、全員無事に17時前にはセンター到着!25kmほどを歩ききりました。おしゃべりを楽しんだり、釣りを楽しんだり、自然を楽しんだりできた子どもたち。売木は小さな村と言っても歩いてみるとなかなかの距離。

端から端まで歩いたわけではありませんが「売木村ってこんなに広かったんだ」と、年度最後にして体感することができました。ハイキングが苦手な子も今回は楽しめた様子。全員この一年間で体力もついたので、ヘロヘロになった子はいませんでした。活動後の集合写真も笑顔でパシャリ。わざと疲れた顔をしてみせる子もいました。

24/03/09

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