5月3日 デイキャンプ
ゴールデンウィーク四連休初日は、野外炊事(火をおこして昼食を作る活動)をしました。今年度初めてのデイキャンプだったため、事前ミーティングでは、かまど作りや火をおこす方法、飯盒の使い方等、野外炊事の初歩的なノウハウを学びました。どんな木の質や焚き付けが燃えやすいのか、飯盒を使って炊けるお米の量やお米を量る方法について、継続生の説明も交えながらポイントや注意点を確認しました。
そして、各班に中学2・3年生が1人ずつ入った4チームを決めて(卓球部部長のHkさんは一日部活のため不在でした)、いざ屋外(センターの倉庫前)へ。この日は朝から晴れており、乾燥した空気と適度な風も吹いているという天候に恵まれた火おこし日和でした。
山留3年目のJさん・新入園生のKさん・Atさんチームは、日の当たる場所に折れていた太めの枝を数本見つけ、折った時の音や状態から湿気の有無を確認し、乾いている薪を調達していました。Kさんは「重たい~」と言いながらも、センター下の林から細長い木を持ち運び、Jさんはアケビの蔓と太い木やY字型の枝を組み合わせたポットハンガーのようなかまどを作り上げていました。
4チームの中で一番初めに煙が立ち上り、最年少のAtさんは「2回目でつけられたー!」と自分が擦った2本目のマッチで着火したことに喜んでいました。炊きあがったご飯の硬さやお味噌汁の味付けを聞くと、親指を立てた手のジェスチャーと共に「ちょうどよくて美味しい!」と笑顔が見られました。
山留2年目のSさん・新入園生Aoさんペアは、薪集めやお米の研ぎ方など、ミーティングで聞いたポイントを一緒に確認しながら動いていました。
かまどは、日当たりのよい、石碑周りの植え込みを囲う岩の高さに合わせてレンガを積み上げた形を作り、焚き付けの新聞紙を使わないことに挑戦していました。Aoさんがマッチ1本目を緊張しながら擦りましたが、ついた火が怖くなりすぐにマッチから手を離してしまいました。その様子を見守っていたSさんがお手本を見せようとマッチを擦ると点火に成功。炊きあがったご飯の硬さはちょうど良く、炊飯器で炊いたよりも美味しく感じたと話していました。お味噌汁の実には干しカブ、シイタケに加え、指導員が採ってきたアサツキと、「どんな味になるんだろう」と言いながらヨモギを入れていました。ヨモギの量が少なかったためか、あまり風味は感じられなかったようでした。
山留2年目のMさん・新入園生Htさん・Yさんチームは、おすすめの焚き付け材としてミーティングで紹介された杉の葉をYさんが沢山集めていました。また、Htさんは猫の手を意識しながら包丁を使いお味噌汁の実のひとつである、収穫したセンターの原木栽培シイタケを切っていました。
火おこしでは、新入園生2人がマッチでつけた火が風に吹かれて消えてしまい、「マッチを擦ることは苦手…」と打ち明けていたMさんにバトンタッチ。火がすぐに消えてしまわないような位置を考え、風が落ち着いているタイミングでマッチを擦る判断をし、見事1本目で着火に成功しました。かまどの周りで両手を広げて風除けを作っていた2人からは「先輩さすが~」と拍手が起こっていました。
新入園生のAiさん・Asさんペアは、これまでに火おこしの経験を何度かしてきたというAiさんがブロックを使ったかまどの内側に太めの薪を井桁に組んでいました。マッチを擦り、新聞紙に点火はするものの火が育っていかなかった状況を見ていたセンター長さんから助言をもらい、焚き付けの置き方や薪をくべていく順番(極細→細→中→太)を改善しました。集めてきていた薪の中には生木も多くあったため、乾いている薪を集め直しに行き、火力をあげていきました。
飯盒炊爨では、Asさんのアイデアでシイタケとカンゾウを入れた炊き込み風のご飯を作り、「美味しさがしみる~」と話しながら味わっていました。
食後は、次回の活動でも気持ちよく使用できるように食器のぬめりや飯盒の裏についた煤をしっかりと洗って落としたり、火を燃やした跡が残らないように灰を焼却炉へ移したり最後に水をかけたりし、後片付けを行いました。
燃料となる薪を集めるところから始まり、一から火をおこして調理をする体験をした学園生たちからは、「普段の食事が食べられるありがたみを感じた」「ガスコンロや炊飯器は便利だけれど、時間や手間をかけて作ったごはんはとても美味しかった」等の感想が聞かれました。
24/05/11