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売木村の山村留学ブログ

11月3日 秋色感謝祭・脱穀

文化の日である11月3日(日)は、朝から村のイベント“秋色感謝祭”が開かれました。学園生は、“売木こども太鼓“として太鼓演奏を人前で初披露、またそれに加え、Sさん・Kさん・Asさんは、総合学習の一環で作ったお菓子の販売、Aoさんは、小学5年生で収穫した新米の販売をすることに。
総合学習の一環で作ったお菓子は、売木のトウモロコシを混ぜ込んだたい焼きでした。ブースに近づくと、生地が焼けた甘い香りが漂っていました。そこそこ売れたようです。一方、その隣で新米を販売していたAoさんを含む、シャイな5年生3人は、売り込みがあまりできなかったのか、初めは売れ行きが良くなかった様でした。しかし、最終的には、どちらも無事完売したそうです。

太鼓演奏は、藍羽さんが指導している“山のうるぎ橅鳴太鼓”さんと、愛知県の黄柳野高校和太鼓部“鼓虎”さんたちと共に行いました。売木子ども太鼓の出番は、藍羽さんの特別ステージと、“鼓虎”さんたちの次の3番目でした。藍羽さんや愛芽さんのきれいな篠笛の音色と、他の方の舞や太鼓に心を打たれ、“鼓虎”さんたちの迫力に圧倒された後だったので「すごい…」「やば…」と言葉が出たり、「やばい次出番だよ!緊張する」と迫りくる出番にそわそわしたりする子がいました。
そしていよいよ本番。これまでに練習してきた“三宅島神着木遣太鼓”を演奏しました。一生懸命に唄ったり打ったりしましたが、周りの子とリズムが違ってしまった子、打つ手を間違えてしまった子、打つのをやめて曲を止めるタイミングで、勢いそのままに打ってしまった子など、なかなか思うように演奏することができなかった子が多かったようです。最後の、早打ちの部分は、特にみんなの息が合わずバラバラでした。

演奏後、「すごくバラバラだったね」「息が合ってなさ過ぎてやばい」と、自分たちでもみんなの息が合っていなかったことを自覚したようです。大きな拍手をもらったり、初めて聞いた人からは「良かったよ」と言ってもらったりしたけれど、悔しい思いをした子どもたちもいました。後日、藍羽さんからも「どうした?緊張してた?練習の時の方がかっこよかった」と言われました。みんな一生懸命演奏していたものの、みんなで演奏するという気持ちが弱く、バラバラになってしまったのかもしれません。今回は初の屋外での演奏に加え、初のステージだったこともあり、上手くいかなかったところがありましたが、次の発表の場である“収穫祭”に向けて、さらに腕に磨きをかけ、収穫祭では息の合った演奏ができるように頑張りたいと思います。

また、“うるぎ山の橅鳴太鼓”さんの演奏を聞いた後は、3チーム合同で“楽”を演奏しました。初対面の人と三人組になり、少し戸惑った部分もあったようですが、曲名の通りみんなで“楽”しく演奏することができました。演奏後には、「楽しかった!」との声も聞こえました。

そして、太鼓演奏後には様々なブースを周り、唐揚げを買ったり、みたらし団子を買ったり、募金したりと、各自秋色感謝祭を楽しみました。また、総合学習の一環でお菓子を販売したSさん・Kさん・Asさんは、打ち上げに参加し、みんなで完売を祝しました。

センターに戻って弁当を食べた後は、14時ごろから脱穀を行いました。
田んぼ作業は、田起こしから始まり、代かき、田植え、畔の草刈り(草集め)、稲刈り、はざかけと、手作業だったり、農具を使ったりして、昔ながらの手法で行ってきました。今回は、田んぼ作業の最後の体験です。フェンスにかけて天日干ししていたはざ約一段分の稲束を濡れないように、大雨予報だった11月2日(土)以前に倉庫に入れておいたものを、倉庫から運び出し、千歯こき、足踏み式脱穀機、ふるい、唐箕など、今回もまた、昔の農具を使って脱穀や選別をしました。

まずは、最も初期の脱穀方法(手でしごきとる)を体験しつつ、もち米が稲一本にどれだけ実っているか数えてみました。少なかった子は48粒、多かった子は121粒程あったようです。大体一本に100粒程実ると言われており、48粒は少なかったけれど、平均するとおよそ100粒になると思われるので、今年もそこそこの出来です。
そして、山留3年目のJさんにそれぞれの農具の使い方を説明してもらい、早速作業開始。3班に分かれ、千歯こき、足踏み式脱穀機(2台)で脱穀しました。

千歯こきでは、櫛のようになっている部分に、一度にたくさん稲穂を入れようとしている子や、豪快にばらまいている子がいました。また、足踏み式脱穀機では、突起がついたドラムを、自分の奥側に回さなければいけませんが、ペダルを踏むタイミングが悪く、何度挑戦しても手前に回ってしまったり、稲束を掴む力が弱く、速く回転するドラムに稲束ごと持っていかれてしまったり、スピードは良いけれど、脱穀し残しがあったりしました。どの班にも継続生がいたので、山留1年目の子は継続生を頼ったり、継続生は大人に助けを求めたりしながら、作業を進めました。
そして、千歯こきや足踏み式脱穀機にかけた籾には、藁くずがたくさん混じっているので、ざっと選別するためにふるいにかけ、さらに選別するために唐箕を使いました。唐箕は、風を利用して重たい籾と軽い藁くずを分ける農具です。ハンドルを回し続けて風をおこさなければ選別できないので、懸命にハンドルを回し、風をおこしていました。風によって飛ばされた藁くずが三番口から出てくると、「おお」と声をあげた班もありました。

そして、“最近の農業機械も体験を!”ということで、足踏み式脱穀機、ふるい、唐箕の要素が詰まった一台の機械、ハーベスターの紹介を聞きました。稲束を投入口に送り込むという手作業はあるものの、少しずつ脱穀したり、ペダルやハンドルを踏み続けたり回し続けたりする必要がない、「なんて楽な機械なんだろう」と思った子がいたようでした。

後半は日が暮れ、寒さに震えながら作業している子もいましたが、全員が全ての農具を体験できるように、ローテーションしながら、この日の目標だったはざ約一段分を脱穀しました。
ちなみに、後日大人でハーベスターを使って全て脱穀したところ、今年のもち米は玄米で92kgでした。昨年度よりは若干少ないけれど、良い出来です。このもち米を使っておいしいもちもちのおもちを食べるのが楽しみです!

24/11/19

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