11月30日・12月1日 冬の準備活動
29日(金)にみぞれが降り、30日(土)の明け方には雪が1㎝程積もった売木村では、本格的な冬が到来!?夜中や明け方は気温が氷点下になることが普通になってきました。
そうした中、この週末は冬の準備活動として、冬期間困の食料(特に野菜)の保存方法を学びました。 まず一つ目は、漬け物です。信州を代表する漬け物と言えば野沢菜ですが、南信州の売木村では、野沢菜ではなく、源助かぶ菜の漬け物をよく食べるそうです。売木学園でも、源助かぶ菜の漬け物を作るため、8月下旬に種を蒔き、育てていました。今年の秋は、暑さや大雨の影響か、発芽率が悪かったり、せっかく出た芽や葉を虫に食べられたりしましたが、なんとか収穫できる状態に!霜に何度か当てた方が柔らかさと甘みが出て美味しくなると言われている源助かぶ菜は、降霜を待っていたら大きくなりすぎてしまいましたが、この日までに数回霜に当たり、ちらほらと葉の色が赤紫色になり、収穫時期を迎えました。


30日、部活に所属している中学1・2年生は、休日部活へ行ったので、残った4人で源助かぶ菜の収穫を行い、その後、水で泥や虫を洗い落としました。
収穫は、包丁を使って行いました。かぶと葉の境目に刃を入れて収穫するつもりが、誤って食べられそうな部分のかぶまで切ってしまったり、斜めに切り込みを入れてしまったりしていました。大きなかぶは、数か所から葉が出ていて、とても切りにくそうでした。


一度の水洗いではしっかりと汚れを落とすことができなかったので、4人で洗った翌日、12月1日にもう一度全員で行いました。みぞれや雪がちらつく中、樽4つに水を張った4槽で、順に洗っていきました。「寒い・・・」「手が痛いー!」と騒いだり、同じ槽や隣の槽で作業する子と会話を楽しんだりしながら洗っていました。
また、「救済措置だ」と言って、手を温める用のお湯に手を突っ込み、満面の笑みを浮かべるAiさんや、顔がほころぶAtさん、頻繁に手を温めに来るKさんとAsさんなどがいました。
そして、きれいに洗った源助かぶ菜の水気を切った後、3~4cm幅に茎と葉を刻みました。幅がばらばらだったり、下までしっかり切れずにつながっていたり、芯の部分を切る時に、芯を残して切ったり、逆に食べられる部分まで切って捨てようとしていたりと、それぞれの個性が出ていましたが、ザクッと切れるのが楽しいのか、リズム良く切っている子たちもいました。


そして、切れた源助かぶ菜と、醤油・酢・ザラメを、漬け物袋を被せた樽の中で混ぜ合わせました。3回に分けて材料を入れ、合間に手で混ぜたのですが、手で混ぜる担当になった子たちは、混ぜている間に調味料が手にしみ込み、「なんか痛い・・・」と言いながら混ぜていました。終了後、蕁麻疹のようにかぶれてしまった混ぜた手を見て、「うわぁー気持ち悪い」と嘆いていた子もいました。
最後に、空気を抜きながら袋の口を閉め、中蓋の上に重石をのせて、冷暗所である倉庫で寝かすこにしました。


二つ目は、干しかぶ作りです。
30日の午前中に、4人で源助かぶ菜のかぶの部分も掘り出し、午後から全員で水洗いしました。そして、1日に根をそぎ落としたり皮を剝いたりしたかぶを、いちょう切りや千切りなど、各々好きな切り方で切り、干し網や干し籠に並べ入れ、天日干ししました。


水洗いの時や、根をそぎ落とす時に、ねじれたような変な形のかぶに苦戦したり、いちょう切りや千切りにする時に、薄く切ることができなかったりした子もいましたが、根と一緒に皮を剥いてかぶを丸裸にしたり、「変わった形に切りたい」と言っていちょう切りではなく、三角やハート型に切ったりと、みんな遊び心を取り入れながら干しかぶ作りに取り組んでいました。


三つ目は、白菜とキャベツの収穫と保存です。
1日に、全員で、畑にそのままにしていた、クウシンサイや四角豆、源助かぶ菜を育てていた畝を崩し、畑の片付けを行った後に、収穫しました。
畑の片付けは、来年度のために行う大事な作業ですが、久しぶりに鍬を振って耕す作業をしたみんなは、鍬の使い方を忘れてしまっていたようでした。大きく後ろに振りかぶる子や、すぐに疲れたと言う子、土を耕した後、平らにすることに苦戦している子などがいましたが、みんなで協力して作業していました。


収穫は、源助かぶ菜と同様に、包丁で行いました。白菜とキャベツを合わせて丁度10個育てていたので、一人一個ずつ白菜かキャベツを収穫することに。白菜は割とスパッと切れましたが、キャベツは芯が硬くてなかなかスパッとは切れず・・・。AoさんとAtさんは、包丁をギコギコしていたので、指導員に助けてもらい、Aiさんは、隣で何とか切れたJさんに手伝ってもらいました。
そして収穫した白菜とキャベツは、長期間保存できるように、新聞紙で包み、倉庫の涼しい場所で保管することにしました。きれいに結球せず、4つの白菜がつながったように成長した白菜を収穫し、新聞紙で包もうとしていたAsさんは、新聞紙1枚では収まりきらないようなサイズだったので、包むのが大変そうでしたが、真剣な顔つきで頑張っていました。

また、1日の午後は、冬の準備活動をしながら、おやつの焼き芋作りもしました。みんなで手分けして焚き付けや薪を集め、代表してAoさんが火をつけました。拾ってきた薪の中には、生木や湿気ている木が混ざっていたので、乾かしながら火を焚き続けました。また、中学生男子が大木を拾ってきました。のこぎりで切ってみると、削りカスが緑色だったので、「あ、生木だった」と少し落ち込んでいましたが、次回のためにと、全て適当な長さに切り、鉈で割っていました。
そして、作業終了後にお待ちかねのおやつタイム~♪1日の午後からは体験留学生も2人来ていたので、12人で誕生日の近い順(12月)から好きな焼き芋を選び、アルミホイルをオープン!しかし、焼き過ぎたのか真っ黒の芋がアルミホイルの中に・・・。「え、黒!」「炭だ」などと悲しんでいました。やはり最初の方に選んだ子は、まだ芋の中央が甘くておいしい焼き芋になっていましたが、最後の方に選んだ子や、運が悪かった子は、ほぼ炭!特にMさんは、ほとんど食べられる部分がありませんでした。
芋の中央は甘くておいしいのですが、周りはカリッカリに焦げていたので、少し食べてしまった子は、「うわ!苦い」と言っていました。焼き芋を作る難しさを体験できました。


すでに寒さが厳しくなってきたので、「寒すぎる」と、ヒーヒー言っている子もいますが、野菜があまりない冬を乗り切るために、昔の人たちが様々な知恵と工夫を凝らしていたことを、この二日間で少し実感することができました。
売木村の寒さを楽しみながら、みんなで冬を乗り切ろう!
24/12/17