5月8日
10時頃、南一地区にある”松實屋農園”さんに車で行きました。今年度も農園のオーナー制度を利用させていただき、りんご作業を体験することにしたのです。日々の管理は農園の方がやってくださり、年に数回ほどの作業を体験すると、収穫の喜びを味わえるという、学園生たちにとって大変おいしい活動です。
りんご農園は、花盛り!農園主さんに挨拶をしたらすぐに、オーナーになる2本の木の所へ移動し、この日の作業である”花摘み”の仕方を教わりました。
原則として、咲いた花は受粉すれば実になりますが、それでは多すぎて、大きな良いりんごになりません。そこで、数を減らすために”摘果”を行いますが、りんごの木に余分なエネルギーを消費させないようできるだけ早く減らす方がよいので、まず”摘花”を行うのです。お借りする木は、今年も”つがる”と”王林”1本ずつ。”つがる”と”王林”で花の摘みとり方が異なるので、よく聞き、理解したうえで、間違えないように”つがる”から取りかかりました。りんごには、中心花とその周りに側花がありますが、”つがる”は中心花だけを残し側花を全て摘むのです。中心花は周りの花より早く咲いていることも多いので、周りのつぼみを摘む場合も。手が届く枝から作業を始めましたが、すぐに手がだるくなるのか、手を休めてしまったり、気温がぐんぐん上がり暑かったせいか、いまいち調子がでなかったりする子どもたち・・・。(きれいな花なのに、ちぎるなんてもったいないな。)と思いながら作業していた子、(地道な作業で、つまらないなぁ。)と思いながら休んでばかりいた子、爪と指の腹で摘むよう教わったにもかかわらず、花柄を引っ張るようにして枝ごと折ってしまい、何度も(しまった・・・。)と思っていた子と、様々でした。さらに、中心花の下側にある産毛に触れてしまうと、実になった時に”さび”が発生しやすくなるそうなので、触らないよう作業するのも難しいことでした。”王林”は、一塊の花を見て、良いものをひとつだけ残します。「どれが良いやつか、わからないよ~。」と困っていた子も。
手が届く辺りの花をだいたい摘めたら、梯子を使い、高い所の花に着手。それまで休憩ばかりしていた子たちもなぜか、「僕も梯子に登りたい!」「次は、俺が登る!」「次、代わってよ~!」と、俄然やる気に。しかし、それも束の間、腕・肩・首などが痛くなる体勢での作業は長続きせず。結局、根気強くやっていたのは中学生たちでした。
交代しながら、梯子に登って作業できる人数は限られていたので、途中からは肩車作戦も。摘まなければならない花はまだたくさん残っていたけれど、根気よく作業を続けられない子たちが多く、また、午後にも予定があるため、やむを得ず引きあげることに。2本の木に、みんなで1時間半ほど手作業しただけなのですが、広大な農園でりんごを作っていらっしゃる農家さんの苦労や大変さを痛感した学園生たち。次の作業予定は”摘果”ですが、”摘花”がちゃんとできていないので、大変なことになりそう・・・。
午後、5日前に起こし、水を引いていた田んぼの、代かきをしました。
汚れてもよい服装に着替え、ミーティングで、代かきをする理由を理解した学園生たちは、元気よく田んぼへ。半袖半ズボンでちょうど良いくらいの気温でした!作業はもちろん人力。裸足で田んぼに入るとは思っていなかった子もいましたが、素足で踏み入れても水はそれほど冷たくなく、悲鳴もあがりませんでした。
みんなで手を繋ぎ、隙間ができないよう詰めて横一列に並び、足踏み開始!足並みを揃え、少しずつ前進していきます。
まずは、田んぼの長辺方向に歩きました。ひたすら、足で土の塊を砕き、水と混ぜ、泥にしていきますが、足を動かさず口ばかり動かしている子が・・・!しかも、足並みを揃えず、ひとりだけ飛び出してしまう子も。ふざけてちゃんと泥にできていない子、速すぎる子・遅すぎる子を、お互い注意しながら進んでいました。長辺方向を隅々まで歩いたら、次は短辺方向に。踏んでしっかりとかき混ぜられたところと、そうではないところは、一目瞭然。懸命に足を動かすしかありません!
土の中の石や藁に足が当たり、痛がる子もいましたが、硬い所と軟らかい所の感触を足の裏で面白がったり、くすぐったがったりしている子もたくさんいました。それから、田んぼの水漏れを防ぐため、縦一列になり、畔の際をしっかり踏み固めながら一周しました。田んぼの中をただ歩くだけだと思っていたら、案外大変な作業で、「疲れた~。」と休憩時間にへたり込む子どもたち・・・。
まだ、目指すトロトロの泥には到達していなかったので、もう一度、田んぼの長辺と短辺方向に歩くことに。相変わらず、しゃべったり、足踏みをしなかったりして、足並みを揃えて歩くことは難しい状態でしたが、それぞれがんばり続け、なんとか人力代かきを遂行。
あまり高低差がない田んぼなので、均す作業は省略。作業開始から2時間強で、稲が育ちやすい環境を整えることができました。思いのほか大変だったようですが、はしゃぎながらの作業は楽しかったと、学園生たち。仕上げには機械を使い、約2週間後に、田植えをする予定です。
泥が少しでも足や服に飛び散ると、すぐにハンカチで拭く子がいた一方で、なぜか泥はねが激しい子たちや、作業中に尻餅をつき全身泥だらけになってしまった子も。汚れがひどい子は、川に入って汚れを落とした後、センターの温かいお風呂へ。入浴後、泥だらけの衣類を、洗濯板で下洗いしてから洗濯機で洗うよう言われていたにもかかわらず、洗濯機へ直接入れて回し、指導員に大目玉を食らった子も!
16/05/14