9月24日~25日
できれば、9月22日からの4連休の前半で行いたかったキャンプですが、結構な雨だったことと、予報では、後半の24日(土)~25日(日)は晴れか曇りということだったので、先延ばしにすることに。
24日午前、学園生たちは自由に過ごしていましたが、次第に空模様が怪しくなってきました。午後の天気予報も、雨に変わってしまい・・・。けれども、条件が非常に厳しくなるということをわかっているのかいないのか、相変わらずキャンプを楽しみにしている様子の学園生たちでした。
予報よりも早い時間帯から雨が降り出しそうということで、急遽、お昼にテントだけ先に立ててしまうことに。以前に使ったものとは違う6人用テントですが、男子で2つ、女子で1つを、センター下の林の中に、協力して設営。
案の定、昼食中から雨が降り出し、キャンプミーティング後にはさらに雨脚が強くなっていました。個人装備と共同装備を準備したら、レインスーツを着用し、傘も差して、キャンプ地へ。早速、男女にわかれて、トイレ作り。強雨の中、女の子たちは、丸太を積み上げて囲み、ブルーシートを屋根にする力のいれよう。
今回のキャンプでは、ソロまたは2~3人で夕食・朝食作りにチャレンジ。簡単にかまどを作ったら、そこを濡らさないように傘を差しかけてから、飯盒や食材の準備をしに倉庫へ行っていました。
夕食は、ごはん・すいとん・りんご。火をおこせなければ、りんごだけとなります。飯盒でお米を炊く準備をしたり、すいとんに入れる野菜を刻んだり、すいとん粉に水を加えて混ぜたりということを、ソロの子は一人で、ペアやトリオの子たちは役割分担をして、行いました。
強弱を繰り返しながらも断続的に降る雨・・・。雨中での火おこしの難しさを知らないであろう子どもたちは、焦ることもなく食材準備に時間をかけているようでした。もうずぶ濡れだけれども、早いうちによく燃えるものを探したり、できるだけ乾いた薪を確保したりした方がよいのではと、指導員たちはやきもき。この雨の状況を甘く見ている子どもたちは誰一人、ごはんにありつけないのではないか、火を通せない食材がたくさん残ってしまうのではないかと、気を揉んでいました。学園生たちは、マイペースで準備。
準備が整ったと思う子やグループは、8本入ったマッチ箱と新聞紙1枚を受け取り、火をつけます・・・。が、マッチを擦ることはできても、焚きつけを燃やしたり、大きな火にすることはできませんでした。マッチ8本で明日の朝ごはんまで作らなければならないのに、火つけに失敗した原因を考えたり、何かを変えたりすることなく、貴重なマッチを次々と擦ってしまう子やグループも! そして、全てのマッチを使いきった者もいれば、明朝に一縷の望みを残しマッチ棒を取り置く者も。全てのマッチを使いきった後、火打ち石での発火を試みる子たちもいましたが、火花は出るものの、そう簡単に火種はできず、諦めていました。案の定、用意した生米やすいとんの材料をほとんど、指導員のかまど付近に差し出す学園生たち・・・。
苦戦を強いられ、時間はかかったけれど、温かい夕食にありついたのは指導員たちだけでした。山栗を加えて炊いた栗ごはんと、すいとんをおいしく食べる指導員たちの横で、ありがたいりんごをかみしめる学園生たちでした。「それほどおなかがすいていたわけじゃないし・・・。」と強がりを言う子もいましたが・・・。
雨が降っていようと、濡れたテントから寝袋がしみていようと、ぐっすり?眠れる特技を持つ子どもたち。
起床後は、川へ行って、冷たい水で顔を洗いました。
雨はあがっていたので、寝袋を干し、朝食作りのために前夜マッチ棒を残しておいた子たちは、準備を始めました。手持ち無沙汰な子たちもいたので、途中で、林の中からテントを撤収し、センターのフェンスに干しました。
乾いた薪は皆無で、ほとんど濡れた薪しかないという条件は、夕食作りの時と変わっておらず、火を大きくし安定させることは指導員でも大変でした。しかし、昨夜りんごしか食べられなかった子どもたちに食べさせる、朝食のトマトスープを何としても作らなければ!という使命感で、工夫をしながら調理。昨日 全てのマッチを使いきってしまったため、自分でなす術がない子たちは、口に出して「おなかすいた~。まだぁ?」とは言わなかったけれど、何とか挑戦しようとしている子の周りをちょろちょろしたり、指導員たちのかまどの傍でじっとしていたり。
わずかな可能性にかけてマッチを残していた子たちの中には、前日の失敗を活かし、入念に準備をして取り組むのかと思いきや、そうでもなく、さっと擦ってあえなく秒殺された子もいました。一方、最後のマッチ棒を擦るまでにかなりの時間をかけ、白樺の皮を剥いだものを準備したり、薪を選んだりしていた子は、何とか火をつけて昨日の晩ごはんの食材と、朝ごはんの食材を全て調理しようとしていました。他の子たちが朝ごはんを食べ始める頃にようやくマッチを擦りましたが、健闘むなしく、細い枝に火がうつることもありませんでした・・・。
火をおこすことができれば、朝食には棒巻きパンを焼く予定でしたが、子どもたちは食べることができず。指導員が渾身の力を込めて?作ったトマトスープには、畑でとれた野菜などとともに、昨夜 火をおこせなかった子たちが返品してきた食材やすいとんが急遽加えられ、ボリュームアップ! 子どもたちは、トマトすいとんスープの朝食を10時過ぎに体に入れ、生き返ったようでした。
おなかがすいてたまらなかった子も、そうでなかった子も、黙々と温かい朝食を食べ、人心地がついたらしく、少しずつ口数が増えてきました。今まで行った中では最悪のコンディションでの火おこしの難しさや、食事のありがたさを身にしみて感じた子もいたようですが、おかわりがあるとわかると殺到。
トマトすいとんスープが五臓六腑にしみわたった学園生たちは、片づけをし、キャンプを撤収。
センターでお昼ごはんを食べ、1日3食 当たり前のように食べられる幸せに感謝する子も。午後には、干していたテントの汚れをきれいに拭きとり、コンパクトに丸めて収納。片づけは皆でしっかりとできたので、次回のキャンプでは、今回 誰一人成功しなかった火おこしの悔しい思いを忘れず、反省を活かしてほしいものです。
16/10/09