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売木村の山村留学ブログ

5月23日

5月23日(日)は、田畑の作業に勤しみました。

一日の流れや活動内容を確認した後 学園生たちが向かったのは、田植えをしてから2週間が経った田んぼ。全く見に行っていなかった子たちも多かったのですが、苗は順調に育っていました! 稲にとって、水が必要不可欠な存在であることは言うまでもなく、日々の水の管理はセンター長が徹底してくれています。それと同時に重要なのが、草刈り作業。借りている学園の田んぼの周囲(=畦)には、雑草が生い茂っていました。例年 大人が草刈り機で刈っていますが、この日は学園生12名と大人2名の総勢14名 鋸鎌での人海戦術を使うことに!! 鎌の使い方を教わってから、それぞれ 割り当てられたスペースの雑草を刈っていきました。

振り分けられた場所によって、生えている草の種類や量・生え方は全然違いましたが、鎌でできるだけ短く刈るよう心がけました。畦の草刈り一つで植生が変わってしまうし、草刈りをしないと雑草の丈は伸び、そのうち害虫となるカメムシなどが寄ってきてしまうので、畦の草刈りは重要です。その重要性があまりわからないのか、鎌を手にしゃがんだ体勢をとってはいるものの 田んぼの中にうじゃうじゃいるオタマジャクシに興味津々で、長い間のぞきこんだり、隣りの場所の子とおしゃべりしたりする子たちがいました。一方で、脇目も振らず草を刈っていき、作業の前後を比較すると違いは一目瞭然という状態にしていた子たちも。自分に割り当てられたエリアの雑草を刈り終わったら、まだ終わっていない場所を手伝う子たちもいました。皆で力を合わせ、3畝ほどの田んぼの周りの草刈りは小一時間で終了。鎌で刈ったにしてはわりときれいに刈れました! 今後も定期的に行う予定です。

田んぼの畦の草刈りをした後、一旦センターの倉庫に寄り、鍬やマルチシート・肥料などを準備して、畑へ。雨の日に畑に入らないのはもちろんのこと、畑の土が雨を含んだ状態のままでは畑仕事はできないので、できるだけ乾くのを待っていたのですが、良い状態には程遠いコンディション…。しかし、学園生たちは日曜大工ならぬ日曜百姓もどきなので、強行することに。買ってきた さつまいもと夏野菜の苗を定植するために、まずは畝立てとマルチはりから。4月に、同じように土の中にできるじゃがいも栽培用の高畝作りをしたので、露地にさつまいも栽培用に2本の畝を10人で作ることに。継続生の女の子2名は、ビニールハウスの中に、夏野菜の購入苗を植えるための肥料撒きと畝立てとマルチはりに着手。前日に、ビニールハウス内も露地も雑草を抜いておいたので、すぐに取りかかれましたが、案の定 露地の方は土が水気をたくさん含んだ状態だったので、とりあえず鍬で耕すだけでも骨が折れるようでした。片や、ビニールハウスの中は蒸し風呂のように暑いので、長時間の作業は危険。それほど高くない畝を手早く、かつ、できる限りきれいに作ろうとしていました。しかし、雨が降ってもビニールハウスの中には降り込まないため、土が乾燥しており、意外に大変だった様。

さつまいもは土の中にできるので、高畝にするため、土をたっぷりと盛らなければなりません。5人ずつにわかれ、目安となるように立てておいた棒の内側に土を一生懸命盛っていきました! なにしろ水分を含んだ土は重く、塊になっていて、本当に困難で、積極的に動けない子もいましたが、少し使いこなせるようになってきた鍬を得意げに使って頑張る子たちも。畝に溝を掘り、肥料を施したら、土を戻して整えました。

ちょっと動くだけで汗が噴き出るほど蒸し暑いビニールハウスの中での作業は過酷で、外に出て「あ~、涼しい。天国!」「クーラーみたい!」と言ったり水分補給をしたりしたら、意を決してまたハウスの中に入り 続きの作業をし、きりのいいところで外に出て涼み、またハウスに戻って作業…ということを繰り返した2人。ビニールハウスは広くなく、マルチを押さえる土が不足気味になったり、側面から天井にかけてカーブを描いていて低いので作業しづらかったりと苦労しましたが、さすがは継続生、上手に畝をたて ぴんとマルチを被せることができました! ハウス内に夏野菜の苗を植える準備は整いました。
露地の方に、曲がりなりにもさつまいも栽培用の畝2本をたてられたら、マルチを被せていく段階に進みました。しかし、巾広の高畝にマルチをかけることは、新入園生たちにとっては難しく…。継続生たちが鮮やかな鍬さばきと息の合った連携でお手本を示した後、新入園生たちが模倣。辛うじて遂行でき、さつまいもの苗を植えられる状態になりましたが、正午をとうに回っていたので、一時中断することに。

昼食・食休みの後、午後2時からまず、さつまいもの苗植えをすることに。株間40cmを測り、マルチシートをカッターで切って、植えつける所の土をあらわにしました。苗の植えつけ方はいろいろありますが、畝と平行に置き、指先で茎を押さえ、土の中 5cmほどの深さに押し込み、斜め植えまたは水平植えし、土の上に葉を出すようにすることを確認。そして、一人二本、責任を持って植えてみました。念のため、植え終わったという苗を継続生や指導員が軽く引っ張ってみると、すぐに抜けてしまったものも…。きちんと植えたつもりでも、苗を植えた部分がくぼんでいたり、葉が地上に出ていなかったりしたものは、植え直しをする羽目に。

それから、葉が焼けるのを防ぐために、葉とマルチの間に敷き藁をすることに。継続生が先生役となり、山留一年目の子たちに教えてくれました。藁の敷き方に決まりはありません。葉が焼けないようにと、できるだけ風で飛ばされないようにという目的を果たすことができそうであれば、どんな方法でも構わないので「私は、こんなふうにやるけど…。」と、継続生。すると、「さつまいもの苗の葉っぱに枕を敷くみたいにすればいいのかな?」とまさに言い得て妙な、ある新入園生の呟き! ということで、自分が植えた二本の苗の葉の枕をこしらえてみることになりました。

初めに、昨年度の稲作でできた藁を適量 各々手に取り、枯れた葉やはかまの部分をすぐることから。藁の穂先を束ねて持って、手を櫛のようにして元の方に向かって払っていきます。
そして、その藁をさつまいもの苗の葉とマルチの間に置きました。教わったようにやってみる子たちもいれば、藁としばらく格闘しながら、風で飛ばされないようにアレンジするなど工夫していた子たちも。思ったようにできず、時間がかかっていた子たちもいたので、

待ち時間に“じゃがいもの芽欠き”をすることに。4月にじゃがいもの種芋を植えた畝から、たくさんの芽が出て伸びていたので、良い芽を2本残し、他は引き抜いて整理します。とりあえず、“キタアカリ”を栽培している二畝から着手。芽欠きの仕方を聞いた後、それぞれやってみました。残す芽の根元を片手で押さえ、抜きとる芽だけを横に倒して引き抜くのですが、下手にすると種芋まで一緒に抜けてしまうので、慎重にやっていました。また、太く立派に育った芽が多く、どの芽を残すべきか迷ったり、簡単には引き抜けず千切ってしまったりすることも…。

「なんか、もったいない気がする。」と言いながら、一本一本丁寧に引き抜いていた子もいました。引き抜く芽がきれいにするっと抜けると、とても気持ちが良く、面白がって次々と芽欠きをしていた子も!! 芽欠きをした後、ちゃんと2本に整理されているか点検したり、手で土寄せをしたりしました。芽欠きをしたので、いもの太りが良くなり、きっと収穫量や品質も良くなることでしょう。
それなりに、さつまいもの苗に敷き藁を施せたので、苗が活着することを願いながら、たっぷりと水やりをしました。

次に、中庭のビニールハウスの中で管理していた苗を畑まで運んできて、何の野菜の苗かを当てるクイズを楽しみました。意外とわかる子たちが多かったです! ミニトマトの苗などは、もうミニトマトの香りがし、「匂いをかいでみて。」と言われるままに、葉や茎を触った手の匂いをかいでみた子たちは、ミニトマト独特の青臭さと爽やかな香りを確認し、何度も触ってはくんくんと香りをかぎ「ミニトマトだ~!」と大はしゃぎ。その後、畑のビニールハウスの中の畝に定植。学園生たちは、甘とうがらし・なす・ミニトマト・ピーマン・きゅうり・オクラ・モロヘイヤの苗の中から植えてみたいものを二つ選び、教わったように植えてみることに。植える野菜によって株間や植え方が違うということを把握し、植える場所に一度 ポット苗を置いてから、マルチに開けた穴を広げました。畝に苗を植える穴を掘り、指をピースの形にして苗の付け根近くをはさんでから、もう一方の手でポリポットの底側を持ってひっくり返して苗を取り出し、根鉢を崩さないように気をつけながら植えつけ。そして、畝の表面の土と同じくらいかやや高くなるよう調節しながら、土を寄せ、軽く鎮圧。

結構伸びている苗を植える際には茎を折らないよう慎重に扱ったり、苗をできるだけ真っ直ぐに植えることを心がけたりし、学園生たちは心を込めて植えていましたが、苗を植えたところが凹んでおり、手直しが必要なところや真っ直ぐに植え直す必要があるところもありました。

夏野菜の苗を定植できたら、必要なものには支柱を立てることに。これからの苗の育ち方を考え、必要な本数を出し、長いものや中くらいの長さのものなどを支柱置き場から見繕って、苗の根を傷めないよう 根元から少し離れた位置に深く挿しました。そして、茎や枝が太く育つことを見越して、余裕をもたせてゆるく固定することに。支柱と茎をビニール紐でゆるく8の字に結ぶのですが、蝶々結びができなかったり、上手く誘引できないようなか所を結んでいたり…。少し直したものもありましたが、一応できました!

最後に、たっぷりと水やり。おいしい野菜をたくさん収穫できるよう、これから、水やりや草とり・追肥・支柱への誘引など世話をしていきます。
じゃがいも(男爵)の芽欠きを、もう二畝分してから、苗が入っていたポリポットを洗って干し、片づけが終わったのは午後4時頃でした。

その後、シロツメクサやアカツメクサを摘み、上手に編んで花冠やブレスレットを作ったり、作り方を他の子に教えたり、身につけてカメラに向かってポーズをとったりして楽しむ子たちがいました!

21/05/30

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