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売木村の山村留学ブログ

1月15日

1月15日(日)、日本で最も西にある屋外400mスピードスケートリンクがある 岐阜県のクリスタルパーク恵那スケート場へ行きました。学園生5人は、朝8時にセンターを出発し、一般道を車でひた走り、1時間半ほどで到着。

まず、貸し靴を借りました。フィギュア・スピード・ホッケーの3種類の中から1つ選び、自分の足のサイズのものを試し履き。合わないものを履くと、靴擦れしてスケートどころではなくなるので、ちゃんと履いて、ほどよくフィットするものを借りることに。皆 フィギュアの靴を選択。しっかり履くためには、正しく履いて靴紐を締め、緩まないように蝶々結びをしなければなりませんが、苦労していました。
靴が決まったら、ヘルメットやプロテクターのサイズも合わせ、レンタル。ヘルメットのプラスチックバックルを子ども同士、留め合ったり外し合ったりする姿がありました。

一旦荷物を置き、服装を整えて、地下通路を通ってリンクサイドへ。逸る気持ちを抑えながら、ちゃんとスケート靴を履き、紐をギュッと締めて結んだら、ゴムマットの上で準備体操をしました。しかし、靴紐がゆるゆるで足首がぐらぐらしていた子も…。

スケートをしたことがある子は2人、全くの初心者は3人。この日は、中央リンクでプロフィギュアスケーターによるスケート教室があったので、ほとんどの人が手始めに使う中央リンクを使うことができませんでした。だから、全員すぐに400mスピードスケートリンク上に立つことに。経験者2人は、そろりそろりと滑り始めました。

中央リンクの手すりに掴まって氷の上に立ちたかった初心者3人ですが、それはできなかったので、初っ端から頼るもののないスピードスケートリンクの上に立たなければいけないという苦境に立たされ、端の方に移動することさえおっかなびっくりといった様子。どうにか隅の方へ移動したら、急ごしらえの初心者講習。かかとをつけてつま先を90度くらい開く スケートの基本姿勢を覚えることから始めました。ふらつかなくなったら姿勢を正し、つま先の角度をキープしたままペンギンのように歩いてみる3人…。少しずつ歩けるようになってきました。あまり転ばずペンギン歩きができるようになったら、次は片足ずつに体重をのせて滑ってみることに挑戦。つま先の角度は立姿勢同様そのまま、片足のスケート靴で斜め外側へ氷を蹴り、反対の足に重心をのせてみました。それから両足を交互に蹴っては片足ずつに体重を移動させて氷にジグザグの線を描くように滑る練習。すると、一人でリンクを一周したり、経験者と一緒に滑ったりできるようになった子も!

派手に転倒して、痛さや恐怖心を感じないようにするために、一番外側に位置取り、リンクの周りを取り囲んでいるセーフティーマットを手すり代わりにしてなかなか離れられない子もいました。でも、自分のペースでコツコツと練習していました。
それぞれに一時間ほど滑ると、この日はそれほど寒くなかったので、汗びっしょりになった子たちも。「水 飲みたい!」という子もいたので、ゴムマットの上に移動し、小休止。防寒や防水のために着ていた上着を脱いだり、重ね着を一枚脱いだり、スケート靴から自分の靴に履き替えて水を飲みにいき喉の渇きを癒したり。

気分一新、再開。初心者はつい足元に注目しがちでしたが、前を向くことで姿勢を安定させられた様でした。また、スケートの上達で大事なことは、上手な人の‟スケーティング”をよく観察して真似ることなので、学園生たちは中央リンクで開催していたスケート教室で指導されていた 片足ずつしっかり歩く練習など、スケートの基本をこっそり試してみたり、上手に滑っている人を探したり目で追ったりしていました。
すると、学園生の一人が‟師匠”に教わっていました! その方は、指導員が勝手に師匠と呼び慕っており、学園からはこのスケート場に毎年一度しか行って活動していないのに、数年来必ずお見かけする人です。出会いは数年前。スピードスケートの靴を履いた かつて名選手だったと思われるその方に、滑らかな滑りで追い越されたその当時の学園生たちと指導員は、急いで後ろにつき、真似をするように滑ることで上達しようとしました。しかし、惚れ惚れとする滑り且つとても速いので、すぐに置いて行かれてしまい…。師匠にしてみれば、いきなり数人につきまとわれて驚いたり不愉快に思ったりして当然だと思うのですが、嫌な顔ひとつせず「教えてあげましょうか?」と声をかけてくださったのが始まり。まさに渡りに船のお申し出に「お願いします!」と教えを請うたのです。そんなわけで、今回の活動日にもスケート場に来られ滑走されていた師匠にご挨拶をすると、快く指導を引き受けてくださったので、学園生たちは一緒に滑ってもらっていました。

氷の感触を確かめるように慎重に滑っていた初心者の一人は、なかなか上手に滑れるようになりましたが、時々スッテーンと豪快に転び、苦笑いをしていました!
初めは時間がかかったけれど何とか一周すると、また、400mリンクにはりきって飛び出していき、黙々と滑走を続けていた初心者の子もいました。ついさっき初めて氷上に立ったとは思えないほどの上達ぶり!

400mのトラックに颯爽と繰り出していった経験者の一人は、長いコースを気持ちよさそうに滑ったり、中央リンクで開催中のスケート教室で伝えられていた 肩の高さに両腕を広げてバランスを取ると良いなど、滑る際のコツに聞き耳を立て、ひそかに練習してみたり。
また、師匠がリンクを一緒に滑りながら、スケーティングを見て、どういう練習をすればよいかアドバイスしてくださったり、褒めてくださったりしていました。

師匠は、もちろん初心者の子にも、かかとをつけてつま先を90度くらいに開いた基本姿勢でのペンギン歩きの感覚を覚えるまで、声をかけ励ましたり、ひたすら一緒に歩き続けてくださったりしました。
つま先で氷を縦に蹴るのではないことやバランスよく足踏みすることなどを意識し、

どちらの足でも完全に止まってしまうまで片足に体重をのせ続けていられるように練習を繰り返す子たちもいました!
皆 熱心に12時半まで滑り、一度スケート靴を脱いで、休憩所でお弁当を食べることに。腹ペコだったとみえて、いつになくごはんを口に運ぶペースが早い子どもたち。

エネルギー補給ができたら、しばし食休みをすることにしましたが、うろうろしたり、「何時まで休憩?」と聞いたりする子も。「午前中の滑走で疲れているでしょ?」と聞かれると、「うん。疲れた~。」と答えていたものの、すぐに「まだ、滑りにいっちゃダメ?」「午後は、何時まで滑れるの?」と、うずうずしだした子どもたちでした!
午後1時半近くになると、誰からともなく準備を始め、スケート靴を履いて活動再開。少し足の痛みを訴えていた子もいましたが、靴紐が緩いとちゃんと滑れないので、しっかり締めて固く結んだら、氷の上へ。中央のサブリンクも使えましたが、皆 午前中と同様に400mリンクへ繰り出しました! 早速、セーフティーマットを手すり代わりに黙々と周回していた子も。

リンクの表面に窪みや溝が目立ってきた午後2時すぎから、400mリンクの製氷作業が始まりました。リンクから出て、休憩がてら製氷車の動きを興味深そうに見ていた子どもたちでしたが、寸暇を惜しむように、滑走可能な中央リンクで滑ることを選んだ様。男子は、人間カーリングなどと言って遊び、氷が融けて水たまりになった所へ滑り込んでいき、びしょ濡れになって笑い転げていました! また、小さいリンクで滑ると、曲がったり止まったりすることが多くなるので練習になり、必然的に曲がり方やハの字ブレーキなどが身についた子もいました。
製氷作業が終わるや否や、待ってましたとばかりに、ツルツルのリンクへ飛び出していった学園生たち。

午前中に習得したことをさらに反復して自分の滑りに落とし込もうと、熱心に周回する姿がそこかしこにありました!
学園生たちは午前中と同様、ひとりで練習したり、誰かと一緒に滑ったり。来場者がさらに増え、スラップスケートを履いた人やフィギュアスケートのスピンやステップ・ジャンプを練習している人など、速い人や上手な人の姿も多く見られました。すると、ジャンプに失敗して悔しがっていた初老の男性に近づいていき、「上手ですね。教えてください。」と大胆にも自分から声をかけた子が!! そんなわけで新しくできた師匠に、一緒に滑ってもらいながら丁寧に教えてもらっていた子たちもいました!

それぞれの方法でスケーティングは上達し、転倒よりも衝突する可能性がでてきましたが、やはり転倒時の痛さや怖さを回避するために、セーフティーマットに手が届くリンクの一番外側を滑り続ける子も。
周囲の人にぶつからないよう、顔を上げ視野を広くして滑るということができるようになった子も!

リンクは結構混み合っていましたが、長い間 師匠を独占してレッスンを受け、熱心に滑ることで、みるみる上達していった子どもたち。がむしゃらに滑っていたのではわからなかったことをたくさん教えてもらい、明らかにスケーティングが変わりました! せっかくの400m国際規格標準ダブルトラックなので、一周のタイムを計測してみた子たちもいました! 同走で滑った子に負けたくないと力いっぱい頑張ったのに、何度も転倒してしまい、痛さと後塵を拝した悔しさからか涙でくしゃくしゃの顔でフィニッシュラインを越えた子も。

男子二人も、競い合うように一周のタイムを計測。人が多かったものの、衝突することなく滑りやすくなったリンクを全力で一周滑走。二回目は、一回目のタイムより速く!という気持ちで挑んでいました。日常では味わえないすいすい滑る爽快感を覚えたり、

自分の力を確かめたりしながら、活動終了時間まで存分に滑って楽しんでいました。
午後3時40分頃、活動終了。片づけをして車に乗り込み、一路売木へ。たくさん滑って疲れたのか、復路はおやつを食べる時以外 爆睡状態の子どもたちでした! 全員、目に見えてスケートが上達し、小学生はこの日 体得したことを、これからの学校のスケートの授業でいかしたいと意気込んでいました!

23/02/03

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