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売木村の山村留学ブログ

4月16日

4月16日(日)、休日の部屋掃除が終わった10時45分から今年度最初の田んぼ作業“田起こし”を行いました。
まずは、田起こし(米作り)についてのミーティングで国によって主食が異なること、米を作るには八十八個の作業があるといわれていること、その中で学園生が体験する内容などについて学びました。近年、小学5年生で稲作について学習するそうで中学生たちは皆米作りを少し経験したことがあるようでした。学校近くの田んぼで田植えをした子や、数人のグループで一つのバケツを使って米作りをしたことがある子など、地元の学校によって様々でした。

ミーティング後の11時50分頃から、長靴・軍手を着用し、昨年度の藁を持って一同田んぼへ。学園では、今年度もセンターのすぐ近くに3a程の田んぼを借りていて、そこでもち米をできるだけ昔ながらの手作業で育てます。売木村の中では特に小さい田んぼであると思われますが、子ども達が手作業でやるには十分な広さ。全員の協力が大切です。

まずは、土壌改良剤と藁を撒くことに。土壌改良剤は、中性から酸性気味になった土を、中性の方に戻してくれる肥料です。1袋半を、田んぼ全体にまんべんなく撒きました。また、昨年度の藁を押切りで細かく切断したものは、今年の肥料になるわけではありませんが、2~3年後、腐った藁が肥料として役立つのでまんべんなく撒きました。

この日は風が強く、軽い土壌改良剤や藁は風に吹かれてしまいました。そのため、風の流れを読み、田んぼ全体に均等に撒けるよう工夫しなければなりませんでしたが、気まぐれな風を読むのは難しく、ところどころ塊で撒いてしまったり、田んぼの外に飛ばされてしまったりしていました。それでも、なんとかすべてを撒き終え、一度センターに戻って昼食をとることに。

しかし、長靴を洗うために水路に近づいた子が「なんかすごいのいる!」と興奮した様子で皆を呼び寄せました。近づいてみると、そこにいたのは2匹重なったカエル。親子なのか、交尾をしているのか、顔を寄せ合っているのかよくわかりませんでしたが、珍しい状態のカエルを見ることができました。カエルを見ていると、違う生き物の影が。その正体はアカハライモリでした。中学2年男子がイモリを水路から出すと、小学生コンビは恐る恐る触り、一度触ることができると、手のひらにのせていました。

昼食の時間が遅くなると作業再開も遅くなり、作業が終わらなくなってしまうので、後ろ髪を引かれる思いで水路から離れ、センターに戻ることに。お弁当を屋外のそれぞれ好きな場所で食べました。

食べ終わった頃、最年長と最年少が「鬼ごっこをやろう!」と言い出し、皆でやることに。誘いに乗った学園生6人と大人1人の計7人の戦い(?)です。鬼は2人とし、変わり鬼をしました。鬼の目印は特にないので、雰囲気と他の人からの情報で、今は誰が鬼なのかを推測しなければなりません。騙すのが上手かった中学1年の子は、鬼から逃げている素振りをして、鬼ではない人に近づき、近づいたときに自分は鬼であることをばらすという、巧妙な手口を使っていました。小学2年生と大人の2人が鬼になった際には、挟み撃ちして捕まえようと作戦をたてましたが、皆にうまく逃げられ、作戦は失敗に終わりました。
全力で20分程鬼ごっこを楽しんだ後少し休憩し、13時40分頃から農作業を再開しました。午前中に土壌改良剤や藁を撒き終えた田んぼを後はひたすら鍬で起こすのみ。

長方形の田んぼの短い方の辺から起こすことに。鍬の正しい使い方を聞き、それぞれ担当する列を決め、いざ実践です。鍬を持ち上げ、鍬の重さを利用して振り下ろし、持ち手を奥に倒して土を起こします。土のかたまりをひっくり返して、鍬の刃で土をほぐす。これをひたすら繰り返し、冬の間に固まった土を空気に触れさせ、柔らかくしていきます。鍬の重さを利用せずに力で振り下ろしていたり、土を掘り起こしているだけだったり、隣同士遠慮して境目が起こせていなかったりしましたが、継続生や大人にアドバイスをもらいながら進めていました。せっかく起こしたところを踏まないように後ろ向きに下がって田起こししていきますが、隣の子が右にずれていくとそれが移ってしまうのか、全体的に右方向に曲がってしまったり、隣の子がどんどん曲がって進んでいくと自分の担当する列が増減する子がいたり、皆真っすぐ後ろに下がっていくことが難しいようでした。また、進む速度が違ったので、隣の子が振り上げた鍬が額に当たってしまうというハプニングもありましたが、即座に冷やしたことで、軽傷で済みました。

「腰が痛~い」「花粉症で鼻水垂れる」「疲れた~」などの言葉も何度も聞かれ、大変なのはみんな一緒。弱音を吐いても作業するしかありません。休憩したり隣の子とおしゃべりしたりして、作業の手が止まっている子もいましたが、少しずつ進めました。本当は短辺向きにを田起こししただけで終わりたいところですが、まだ起こせていないところがあったので、長辺向きでも田起こししました。念には念をということです。

そして、16時過ぎには、センター長さんが耕運機を持って登場しました。思わず皆作業の手が止まり、機械のすごさを目の当たりに。そしてその耕運機を最年少から順に少しだけ体験することに。くの字に曲がったり、くねくねと曲がったりしながら前進していましたが、みるみる土を起こしていく機械に興味津々でした。
だいたい田起こしできたので、耕運機を体験し終わった子から順に、長靴と使った鍬を洗ってセンターに戻ることに。継続生の小学5年生が新入園生たちを引き連れて洗い場へ。センターでは、鍬などを洗う時、センター近くの小川で洗っています。長靴も洗うので、長靴のまま川へ入りちょっとした川遊び気分で洗っていました。
最後に耕運機体験をした最年長が戻ってきたのは17時15分頃。およそ3時間半の田起こし活動でした。いよいよ始まった田んぼ作業、次の作業も皆で協力し、美味しいもち米を作ります!

23/05/02

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